WWEの年間4大イベント『ロイヤルランブル』エピソード
2008年01月28日16時29分
両足か片足で議論が生まれたのが、95年のランブルだった (c)2008World Wrestling Entertainment, Inc. All Rights Reserved. WWE日本語公式サイト
その試合の特異性、そして重要性から過去20年の歴史の中で多くの物語が生まれてきた。このうちのいくつかを紹介しよう。
■1998年、まさかのハットトリック出場
1998年カリフォルニア、サンホセアリーナで行われた同大会において、ロイヤルランブル勝利という記録こそ残せなかったが"記憶"に残る偉業が成し遂げられた、ミック・フォーリーは1つの大会において、リングに3度も上がることに成功した。
まず第1エントリーで有刺鉄線がトレードマークの“カクタス・ジャック”として登場、その後、狂人“マンカインド”として16番目に、最後にサイケデリックキャラが強烈な、“デュード・ラブ”として28番目にエントリーを果たした。
残念ながら、最終的に計4人の参加者の排除という試合への貢献にも関わらず、「3キャラクターのうちの"誰でもいいから"レッスルマニアで(当時のWWE王座)ショーン・マイケルズに挑戦したい」という望みは、はかなくリングに散ることとなった。
■2004年の長い長い一日
2004年、ロイヤル・ランブル・マッチはにおいて、1番目にリングにエントリーした故クリス・ベノワ。29人の敵をリングに迎えるという圧倒的に不利といえる状況から、自らのその卓越したレスリング技術を超人的な体力で、リング上に生き残り続けた。
そして、生き残った者がランブル覇者になろうという最後の2人に残ったのは、ベノワと2メートル、200キロを超える巨人ビッグ・ショーだった。ベノワが、更なる危機的状況に立たされた時、試合開始から既に一時間が経とうとしていた。
会場にいる誰もが、ベノワがこの巨人とトップロープ上から落とす力がないことは明らかだと考えていた。しかし、ベノワは “技術を備えたレスラーのみが見せることが出来る”まさに卓越した攻撃を披露した。ベノワは自らがロープ外に立ちロープ越しにしっかりとショーの首をロック、二人の間にあるトップロープを支点に"てこの原理"を利用しゆっくりとショーを持ち上げ始めたのだ。200キロを超えるショーの体はゆっくりと浮き上がり、トップロープを越え、リング下へと沈んでいった。
ナンバーワン・エントリーからの勝利、そして61分30秒という最長ランブルマッチ大記録を残した彼は、とうとう念願の王者への扉に手をかけた瞬間であった。
■1999年大会、WWE会長の勝利
ストーン・コールド・スティーブ・オースチンの1番目エントリーで始まったその年のランブル。そのオースチンに続いてリングに上がったのは、億万長者、そして世界有数のビジネスマンであり、なんといっても世界最大のプロレス団体WWEオーナー、ビンス・マクマホンであった。
鋼の肉体を持つ29人のレスラーを相手に、当時50歳を越える男になすすべはないと思われていた。しかし、この“悪のオーナー”は、とっておきの秘策と共にリングに望んでいた。
当時、オースチンと、まさに骨肉の争いを既に続けてきたマクマホンは、自らの頭脳、知識、そして権力をフルに活用し、徹底的にオースチン排除しようとした。(トップロープを超えて場外に出た時点で負けというルールをもとに)アンダーロープから場外に出て、オースチンを場外に誘い出そうとし、自らが率いたユニット“ザ・コーポレート”のレスラー達を使い、激しい攻撃を仕掛けさせたのだった。
しかし、それに屈することもなく、オースチンはリングに残り続けた。そしてビンスとオースチンの2人だけがリングに残った時、今後は、既に失格となっていた当時の“ザ・コーポレート”の一員ザ・ロックが、リング外からオースチンを挑発。ロープ際にやってきたオースチンを背後から忍び寄ったミスター・マクマホンが投げ落し、WWE会長の勝利という新たな歴史を築いたのだった。
■1995年片足着地事件
この日のリングに最後に立っていた男、それは全日でも活躍を見せた“ブリティッシュ・ブルドッグス”デイビー・ボーイ・スミスのはずだった。その日、スミスは最後の敵となったショーン・マイケルズをトップロープから葬り、まさに至福の瞬間を味わおうとしていた。
彼の功績は否定の余地がなかったが、事実はこうだった。マイケルズは確かにトップロープ上から転落した。だが、フロアには片足だけがついていたのだ。1988年に制定されたロイヤルランブルのルールでは、トップロープを超えて落ちたスーパースターは、両足が床に着いた時点でエリミネートとされている。
この時トップロープから転落したマイケルズは直感的、本能的に片足を宙に浮かせた状態でいたのだった。直後にレフェリーがモニター判定でこれを確認したことにより、マイケルズは即座にリングに戻り、先ほどまでの勝者から、勝利を奪い去ってしまったのだった。
この“両足”か“片足”で議論が生まれたのが、この大会が初めてであったため、この“片足着地ならセーフ”というルールはその後、“ショーン・マイケルズ・ルール”として、ファンや関係者の間で広く知られることとなった。
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