【気になるトレンド用語】サクッと稼いでゆるーく暮らす“外こもり”って何だ
2008年01月31日10時00分 / 提供:ITライフハック
全国では約100万人ともいわれる“引きこもり”は、学校へ行かず、働くこともなく、自宅の自室に閉じこもって日々を過ごす人々で大きな社会問題にもなっていますが、最近では“外こもり”というライフスタイルを送る若者が増えているようです。
外に“こもる”という、なぞなぞのような言葉ですが、実際にはどのような生活をしているのでしょうか。
今回は、意外な大問題、“外こもり”についてみていきましょう。
■外こもる若者たち
多少きつくても短期で収入のいい仕事でお金を稼いで貯めて海外へ旅立つ若者、それが“外こもり”です。“外こもり”の言葉自体は2006年頃に使われ始め、2008年にそうした人が増加していることから再び話題となっています。
“外こもり”と似ているスタイルにバックパッカーと呼ばれる人たちがいます。ヒッチハイクや徒歩で移動して宿泊は安宿もしくは野宿。村から村へ、国から国へと旅をして現地の人たちとの交流を大切にする人たちです。でも、最近増えている“外こもり”の若者は、ちょっと違うようです。
"外こもり"の「外」とは外国のことを指します。つまり内にこもる「引きこもり」とは対照的に日本社会の外、外国にこもるのです。外こもりは日本で日雇い派遣やアルバイトを繰り返し、100万円程度のまとまったお金を貯めるところまではバックパッカーと同じです。バックパッカーは滞在先から移動を繰り返しましますが、外こもりは滞在先から移動は行わすにのんびりと自由気ままな生活を送ります。そして資金が尽きると一時帰国して、また短期の仕事でお金を貯めるといった生活を繰り返しているのです。
■日本で働いているけど“引きこもり”と同じ?
外国での生活費となる資金稼ぎは、日本での引っ越しや建設現場、住み込みの農場や工場で数ヶ月間がんばって稼ぐといいます。彼らは日本で労働はしていますが、日本の社会に適応できていないという点では引きこもりと本質的には同じともいわれています。中長期にわたり海外で暮らし、“こもる”の言葉どおりに外国にいても観光するわけではなく、一日中宿から一歩も外に出ない人も多いようです。
外国での宿泊は1泊数百円の宿、食事は宿の食堂か近所の屋台で安く済ますことができます。残りの時間は本を読んだり、ギターを弾いたり、同じ宿の仲間とおしゃべりで、のんびり過ごすそうです。外こもりの大半は、同じ宿に長期間滞在します。外こもり先から出るのは、滞在期間(タイは、ビザなしの場合で30日)を延長するための一時出国程度です。
外こもりに多い属性は20〜30代の男性ですが、最近は40〜50代も増えています。いずれも独身で離婚経験を持つ人も少なくありません。また、外こもりから、住民票を現地に移したり、アパートを契約したりして本格的に移住する人も中高年を中心に確実に増えているようです。
■こもり先の特徴
外こもりで滞在する国は東南アジアが多く、一番の人気はタイのバンコクです。ネットカフェやコンビニも有するほど近代的ながら物価が安いため、日本と変わらない生活が送れるからだそうです。特に旅行者街として有名なカオサン地区には宿泊者の大半が日本人の「日本人宿」が何軒もあり、外こもり目的には適しているといいます。
また同地区は旅行者街ですので、ニート状態でブラブラしていても周りのタイ人から変な目でみられないことも居心地がよい理由のようです。
■外こもりの費用
気になる外こもりの費用ですが、「日本を降りる若者たち」の著者でもある下川裕治氏によると「一日にかかる費用は、ゲストハウス代を含めて三百バーツほど。日本円で八百円。ビールを少し多めに飲んだ日は五百バーツになることもあるというが、これでも千四百円。一ヶ月滞在しても、カオサンでの生活費は三万円前後で済んでしまう。」とのこと。海外旅行保険代や往復の航空運賃を含めて、一回に三ヶ月滞在すると仮定した場合、実際の一ヶ月あたりの費用は5〜6万円程度で済むようです。
なお、下川氏によると次のような都市に“外こもり”が多いと指摘されています。
・バンコク(タイ)
・プノンペン(カンボジア)
・ビエンチャン(ラオス)
・イスタンブール(トルコ)
・カイロ(エジプト)
・「日本を降りる若者たち」- 下川裕治氏
■日本社会が生み出した”外こもり”だが、今後は問題が
労働環境に適応できなかったり、人間関係に疲れたりと日本はストレスの多い社会です。一部の大企業は好景気に沸いていても下流社会や年収300万円の庶民が多いという現状も現実です。そうした社会背景から、海外へ“外こもり”やすい環境が生まれているのかもしれません。下川氏も、格差社会の拡大が“外こもり”を今後も増やすと指摘しています。
しかし、“外こもり”にも懸念点が存在しているといいます。
外こもりの収入源は、日本でのアルバイトなどの短期就労なので年齢が若いうちは仕事はありますが、年齢が上がると仕事は極端に減ってきます。また、タイなどのアジア諸国も年々物価は上昇しているため、いまのように“外こもり”生活を維持していける保証はないようです。また“外こもり”が増えることは、低所得者の増加となり、日本の税収低下も招くことになります。
今後“外こもり”のように日本を見捨てる人が増えていけば日本の豊かさが失われていくでしょう。そして都合のよい仕事が消え、安く暮らせる国がもなくなったときに、次に何処に“こもる”のでしょうか。
・最近増えているらしいです…「外こもり」って一体何だ?
・外国から帰らない若者たち・・・その名も「外こもり」
■こちらもオススメ!気になるトレンド用語
・コンプライアンスは企業の義務です
・鉛害撲滅へ、鉛の怖さと鉛ゼロ化を実現した理由
・"無線LAN"に潜む危険にご注意
・セクハラだけじゃない!ハラスメントの恐怖
・学歴詐称の危険もあったサイバー大学の現在と今後
・気になるトレンド用語 バックナンバー
外に“こもる”という、なぞなぞのような言葉ですが、実際にはどのような生活をしているのでしょうか。
今回は、意外な大問題、“外こもり”についてみていきましょう。
■外こもる若者たち
多少きつくても短期で収入のいい仕事でお金を稼いで貯めて海外へ旅立つ若者、それが“外こもり”です。“外こもり”の言葉自体は2006年頃に使われ始め、2008年にそうした人が増加していることから再び話題となっています。
“外こもり”と似ているスタイルにバックパッカーと呼ばれる人たちがいます。ヒッチハイクや徒歩で移動して宿泊は安宿もしくは野宿。村から村へ、国から国へと旅をして現地の人たちとの交流を大切にする人たちです。でも、最近増えている“外こもり”の若者は、ちょっと違うようです。
"外こもり"の「外」とは外国のことを指します。つまり内にこもる「引きこもり」とは対照的に日本社会の外、外国にこもるのです。外こもりは日本で日雇い派遣やアルバイトを繰り返し、100万円程度のまとまったお金を貯めるところまではバックパッカーと同じです。バックパッカーは滞在先から移動を繰り返しましますが、外こもりは滞在先から移動は行わすにのんびりと自由気ままな生活を送ります。そして資金が尽きると一時帰国して、また短期の仕事でお金を貯めるといった生活を繰り返しているのです。
■日本で働いているけど“引きこもり”と同じ?
外国での生活費となる資金稼ぎは、日本での引っ越しや建設現場、住み込みの農場や工場で数ヶ月間がんばって稼ぐといいます。彼らは日本で労働はしていますが、日本の社会に適応できていないという点では引きこもりと本質的には同じともいわれています。中長期にわたり海外で暮らし、“こもる”の言葉どおりに外国にいても観光するわけではなく、一日中宿から一歩も外に出ない人も多いようです。
外国での宿泊は1泊数百円の宿、食事は宿の食堂か近所の屋台で安く済ますことができます。残りの時間は本を読んだり、ギターを弾いたり、同じ宿の仲間とおしゃべりで、のんびり過ごすそうです。外こもりの大半は、同じ宿に長期間滞在します。外こもり先から出るのは、滞在期間(タイは、ビザなしの場合で30日)を延長するための一時出国程度です。
外こもりに多い属性は20〜30代の男性ですが、最近は40〜50代も増えています。いずれも独身で離婚経験を持つ人も少なくありません。また、外こもりから、住民票を現地に移したり、アパートを契約したりして本格的に移住する人も中高年を中心に確実に増えているようです。
■こもり先の特徴
外こもりで滞在する国は東南アジアが多く、一番の人気はタイのバンコクです。ネットカフェやコンビニも有するほど近代的ながら物価が安いため、日本と変わらない生活が送れるからだそうです。特に旅行者街として有名なカオサン地区には宿泊者の大半が日本人の「日本人宿」が何軒もあり、外こもり目的には適しているといいます。
また同地区は旅行者街ですので、ニート状態でブラブラしていても周りのタイ人から変な目でみられないことも居心地がよい理由のようです。
■外こもりの費用
気になる外こもりの費用ですが、「日本を降りる若者たち」の著者でもある下川裕治氏によると「一日にかかる費用は、ゲストハウス代を含めて三百バーツほど。日本円で八百円。ビールを少し多めに飲んだ日は五百バーツになることもあるというが、これでも千四百円。一ヶ月滞在しても、カオサンでの生活費は三万円前後で済んでしまう。」とのこと。海外旅行保険代や往復の航空運賃を含めて、一回に三ヶ月滞在すると仮定した場合、実際の一ヶ月あたりの費用は5〜6万円程度で済むようです。
なお、下川氏によると次のような都市に“外こもり”が多いと指摘されています。
・バンコク(タイ)
・プノンペン(カンボジア)
・ビエンチャン(ラオス)
・イスタンブール(トルコ)
・カイロ(エジプト)
・「日本を降りる若者たち」- 下川裕治氏
■日本社会が生み出した”外こもり”だが、今後は問題が
労働環境に適応できなかったり、人間関係に疲れたりと日本はストレスの多い社会です。一部の大企業は好景気に沸いていても下流社会や年収300万円の庶民が多いという現状も現実です。そうした社会背景から、海外へ“外こもり”やすい環境が生まれているのかもしれません。下川氏も、格差社会の拡大が“外こもり”を今後も増やすと指摘しています。
しかし、“外こもり”にも懸念点が存在しているといいます。
外こもりの収入源は、日本でのアルバイトなどの短期就労なので年齢が若いうちは仕事はありますが、年齢が上がると仕事は極端に減ってきます。また、タイなどのアジア諸国も年々物価は上昇しているため、いまのように“外こもり”生活を維持していける保証はないようです。また“外こもり”が増えることは、低所得者の増加となり、日本の税収低下も招くことになります。
今後“外こもり”のように日本を見捨てる人が増えていけば日本の豊かさが失われていくでしょう。そして都合のよい仕事が消え、安く暮らせる国がもなくなったときに、次に何処に“こもる”のでしょうか。
・最近増えているらしいです…「外こもり」って一体何だ?
・外国から帰らない若者たち・・・その名も「外こもり」
■こちらもオススメ!気になるトレンド用語
・コンプライアンスは企業の義務です
・鉛害撲滅へ、鉛の怖さと鉛ゼロ化を実現した理由
・"無線LAN"に潜む危険にご注意
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行きの電車、帰りの電車で