【気になるトレンド用語】学歴詐称の危険もあったサイバー大学の現在と今後
2008年01月29日10時00分 / 提供:ITライフハック
サイバー大学で本人確認を怠るという問題が発生し、学長が謝罪されたことでも、今話題となっています。一般の大学と異なり株式会社というサイバー大学は、そもそもどういう大学なのでしょうか。
今回は"サイバー大学"が、どのようなところなのかを見てみましょう。
■サイバー大学って、どのような大学
ソフトバンクが中心となって開校した国内初のインターネット専門大学であり、初めての株式会社立大学として昨年4月に福岡県の構造改革特区に設立され、ソフトバンクの関連会社である株式会社日本サイバー教育研究所によって運営されています。学長はエジプト考古学で知られている吉村作治氏です。
通常の4年制大学と同様に卒業までには4年かかり、卒業すれば学士資格を取得できます。学部は2つあり、「IT総合学部」と「世界遺産学部」。授業は全てオンデマンド(自分の好きな時にインターネットにアクセスし、映像・音声を再生できる)による“eラーニング方式”で受講します。一般の通信制コースの大学では、いくつかの授業は通学によって単位を取得する必要がありますが、サイバー大学では通学の必要は全くありません。
学生は20代、30代が全体の7割、社会人が6割を占め、世界遺産学部は主婦や定年後の男性が多いという特徴があります。また、入学には高卒相当の資格証明のほか、志願動機と推薦状が必要ですが、入学試験はありません。
・サイバー大学
・株式会社によるインターネットを活用した通信教育の四年制大学「日本サイバー大学」に係る特区申請について
なお、ソフトバンクモバイルから1月21日に発表された「ホワイト学割」(携帯電話の新規契約時に学生証の提示があるとホワイトプランの基本料が3年間無料となるサービス)ですが、サイバー大学の学生も対象となっています。
■本人確認問題が浮上 文部科学省が指導へ
文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」では一昨年秋に、大学の設置を認可するに当たって、受講する学生の本人確認問題を指摘していました。これに対しサイバー大学側は、“入学時や受講時、単位の認定や卒業判定する”、“入学時は学生本人と対面する”など11項目を「留意事項」を提示し、学生に“ICカード”を与えて受講時の確認をするなどの対策を約束していたそうです。
しかし実際には“ICカード”システムは実施されておらず、昨年4月から開始されたネット講義では、IDとパスワードをパソコンから入力するだけで受講(閲覧)可能となっていました。また、サイバー大学側は2007年度前期の単位を、この閲覧履歴とインターネット上での試験をもとに認定していたということです。
こうした状況化では、サイバー大学に入学した人だけが受講して、単位取得できたかを証明することができません。文部科学省では、Webカメラで受講者の本人確認も求めていましたが、大学側は今年1月に入っても、在校生のうち約200人については一度も対面やカメラでの本人確認をしていませんでした。そこで文部科学省は、「在校生620人のうち約200人の本人確認をしていなかった」として改善指導に乗り出すことになったのです。
■本人確認をしないと何が問題なのか
受講者の本人確認を行いませんと、どのような問題が発生するのでしょうか。
実際には、在学生が受講せずに、他人に講義や試験を受けさせて、大卒資格を得ることができてしまいます。つまり、一般大学であれば、他人が試験を受けて単位を取得したり、卒業試験を受けるようなもので、学歴詐称が可能となってしまうということです。
サイバー大学の渡辺開也事務局長は本人確認については今年4月までに完了させたいとしています。
■隣の国のサイバー大学では
サイバー大学は、日本だけのものではありません。韓国でも実施されています。
韓国のサイバー大学は2007年現在で17校にまで増えており、教育機関として一定の社会的認知を獲得しています。
韓国でのサイバー大学は、1996年に総合教育情報化計画を策定、1999年に韓国教育学術情報院(KERIS:Korea Education and Research Information Service)を設立するなど、ICT政策分野における政府方針として進められました。1998年には教育人的資源部がサイバープログラムの実験・示範運営機関を指定して大学におけるサイバー教育に取り組み始めて、2001年には9つのサイバー大学が開校しています。
韓国のサイバー大学も、サイバースペースを通して学習して単位を履修した者に通学制大学卒業と同等の学位を発行する教育機関です。この点ではソフトバンクのサイバー大学と同じですね。
大学進学率が8割を超える韓国では、大学教育は誰もが受けるべき大衆教育として認識されており、サイバー大学は大学教育から疎外されていた層へ教育機会を提供する手段として期待されています。
・韓国におけるサイバー大学
■今後のサイバー大学
今後のサイバー大学ですが、携帯電話でも授業を配信することで、いつでもどこでも受講できる体制を築くべく昨年11月28日から検証を始めています。
現在は、吉村作治学長の「ピラミッド・ミステリーを解く」とソフトバンクの孫正義社長のビデオメッセージが公開されています。ソフトバンクモバイルの3G端末に対応しており、誰でも無料で視聴ができます。
吉村学長は、来年4月から実際の授業を全て携帯から受けられるようにしていきたいと、意欲を燃やしているそうです。また、本配信ではソフトバンクモバイル以外の端末への対応も予定されています。
■こちらもオススメ!気になるトレンド用語
・コンプライアンスは企業の義務です
・鉛害撲滅へ、鉛の怖さと鉛ゼロ化を実現した理由
・"無線LAN"に潜む危険にご注意
・セクハラだけじゃない!ハラスメントの恐怖
・ネットが使えなくなる? IPアドレス枯渇問題って何?
・気になるトレンド用語 バックナンバー
今回は"サイバー大学"が、どのようなところなのかを見てみましょう。
■サイバー大学って、どのような大学
ソフトバンクが中心となって開校した国内初のインターネット専門大学であり、初めての株式会社立大学として昨年4月に福岡県の構造改革特区に設立され、ソフトバンクの関連会社である株式会社日本サイバー教育研究所によって運営されています。学長はエジプト考古学で知られている吉村作治氏です。
通常の4年制大学と同様に卒業までには4年かかり、卒業すれば学士資格を取得できます。学部は2つあり、「IT総合学部」と「世界遺産学部」。授業は全てオンデマンド(自分の好きな時にインターネットにアクセスし、映像・音声を再生できる)による“eラーニング方式”で受講します。一般の通信制コースの大学では、いくつかの授業は通学によって単位を取得する必要がありますが、サイバー大学では通学の必要は全くありません。
学生は20代、30代が全体の7割、社会人が6割を占め、世界遺産学部は主婦や定年後の男性が多いという特徴があります。また、入学には高卒相当の資格証明のほか、志願動機と推薦状が必要ですが、入学試験はありません。
・サイバー大学
・株式会社によるインターネットを活用した通信教育の四年制大学「日本サイバー大学」に係る特区申請について
なお、ソフトバンクモバイルから1月21日に発表された「ホワイト学割」(携帯電話の新規契約時に学生証の提示があるとホワイトプランの基本料が3年間無料となるサービス)ですが、サイバー大学の学生も対象となっています。
■本人確認問題が浮上 文部科学省が指導へ
文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」では一昨年秋に、大学の設置を認可するに当たって、受講する学生の本人確認問題を指摘していました。これに対しサイバー大学側は、“入学時や受講時、単位の認定や卒業判定する”、“入学時は学生本人と対面する”など11項目を「留意事項」を提示し、学生に“ICカード”を与えて受講時の確認をするなどの対策を約束していたそうです。
しかし実際には“ICカード”システムは実施されておらず、昨年4月から開始されたネット講義では、IDとパスワードをパソコンから入力するだけで受講(閲覧)可能となっていました。また、サイバー大学側は2007年度前期の単位を、この閲覧履歴とインターネット上での試験をもとに認定していたということです。
こうした状況化では、サイバー大学に入学した人だけが受講して、単位取得できたかを証明することができません。文部科学省では、Webカメラで受講者の本人確認も求めていましたが、大学側は今年1月に入っても、在校生のうち約200人については一度も対面やカメラでの本人確認をしていませんでした。そこで文部科学省は、「在校生620人のうち約200人の本人確認をしていなかった」として改善指導に乗り出すことになったのです。
■本人確認をしないと何が問題なのか
受講者の本人確認を行いませんと、どのような問題が発生するのでしょうか。
実際には、在学生が受講せずに、他人に講義や試験を受けさせて、大卒資格を得ることができてしまいます。つまり、一般大学であれば、他人が試験を受けて単位を取得したり、卒業試験を受けるようなもので、学歴詐称が可能となってしまうということです。
サイバー大学の渡辺開也事務局長は本人確認については今年4月までに完了させたいとしています。
■隣の国のサイバー大学では
サイバー大学は、日本だけのものではありません。韓国でも実施されています。
韓国のサイバー大学は2007年現在で17校にまで増えており、教育機関として一定の社会的認知を獲得しています。
韓国でのサイバー大学は、1996年に総合教育情報化計画を策定、1999年に韓国教育学術情報院(KERIS:Korea Education and Research Information Service)を設立するなど、ICT政策分野における政府方針として進められました。1998年には教育人的資源部がサイバープログラムの実験・示範運営機関を指定して大学におけるサイバー教育に取り組み始めて、2001年には9つのサイバー大学が開校しています。
韓国のサイバー大学も、サイバースペースを通して学習して単位を履修した者に通学制大学卒業と同等の学位を発行する教育機関です。この点ではソフトバンクのサイバー大学と同じですね。
大学進学率が8割を超える韓国では、大学教育は誰もが受けるべき大衆教育として認識されており、サイバー大学は大学教育から疎外されていた層へ教育機会を提供する手段として期待されています。
・韓国におけるサイバー大学
■今後のサイバー大学
今後のサイバー大学ですが、携帯電話でも授業を配信することで、いつでもどこでも受講できる体制を築くべく昨年11月28日から検証を始めています。
現在は、吉村作治学長の「ピラミッド・ミステリーを解く」とソフトバンクの孫正義社長のビデオメッセージが公開されています。ソフトバンクモバイルの3G端末に対応しており、誰でも無料で視聴ができます。
吉村学長は、来年4月から実際の授業を全て携帯から受けられるようにしていきたいと、意欲を燃やしているそうです。また、本配信ではソフトバンクモバイル以外の端末への対応も予定されています。
■こちらもオススメ!気になるトレンド用語
・コンプライアンスは企業の義務です
・鉛害撲滅へ、鉛の怖さと鉛ゼロ化を実現した理由
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