暫定税率撤廃か否か=ガソリン価格より、大切なことを忘れた政治家諸君へ
2008年01月23日14時39分 / 提供:PJ
先週、栃木県塩原温泉のGSでガソリンを給油した。山の中の観光地だ、高いと思ったので10リッターだけにしたが請求された金額は1590円。ハイオクではない、レギュラーがリッター159円なのである。また昨日、自宅のある茨城県筑西市の大型GSで給油したガソリンはリッター138円(プリペードカード利用)であった。わたしは高値と安値のGSを好んで歩いたワケではない。長年身にしみついた石油販売の経験などまったく役に立たないほど、現在のガソリン市況は乱高下しているのである。
現在、暫定税率をめぐる国会論戦がかまびすしい。モノの価格が低位安定し、所得が高位安定してくれれば文句の言いようもないが、そうはゆかないのが世の中の常。民主党の主張どおり、4月1日からガソリン価格がリッターあたり25円安くなることを素直に喜びたいが、カラクリがあることを知って置かねば失望することは必至だ。
ガソリン価格は公定価格ではない。同じ商品がある場所では「1個1590円」し、他の場所では「1380円」することに違和感を持たない風潮がまん延している。こうした背景の中、暫定税率の延長がなされなければ、4月1日から“全国一斉にリッターあたり25円安くなる”などと誤解してはならない。よく知られるとおり、引取税である軽油と異なり、ガソリンは「倉出し税」である。製油所から出荷の段階で53円80銭の「ガソリン税」が付加されているから、3月末日現在の在庫分はすべてが暫定税率こみの価格だ。理論上、GSの地下タンクの在庫ゼロの時点でないと、販売業者は25円引きでは販売しないだろう。3月出荷分のガソリンと、4月出荷分のガソリンを峻別する方法などないのだ。
ここにトラブルの発生する要因がある。一部の悪徳業者はその高低差を利用しようとたくらむだろうし、多くの善良なGSでは、「おかしいじゃないか、税金が下がったのに!」という利用者の苦情に悩まされることだろう。「まあ経過措置、いずれは安定する」と政府自民はうそぶくだろうが、現実としてこの25円の一部は、石油業界のどこかに消えうせるに相違ない。
最大の課題は、「いったい何を基準とした価格からの25円引きか」ということだ。ガソリンは「一物百価」、塩原温泉のGS価格を基準にするのか、国道50号線の超安値GSを基準にするのかでは、天地雲泥の差。現実にリッター21円もの価格差のあるガソリン市場では、暫定税率撤廃の意味あいなど雲散霧消することになり、「リッター25円続行かマイナスか」という論議など、現実的な意味を持たないのである。
また、23日付けの産経新聞によれば、『民主党は22日、ガソリンを含む揮発油税の暫定税率廃止問題で戦術を変更し、「ガソリン代値下げ」の代わりに、道路特定財源の一般財源化などの制度改革に重点を置いて訴えていく方針を固めた。同党は、暫定税率廃止でガソリン1リットルあたり約25円の値下げをするキャンペーンに力を入れてきたが、人気取りとの批判に押され、「逆効果となってきた」(幹部)と判断した』(23日08時配信)というが、ガソリン価格の動向ばかり気にする場合ではない。地球環境保護の立場から開催される「洞爺湖サミット」の主催国が、「炭素」を排出する石化燃料の税率だけを国会で論じるなど、三流国家のそしりを免れ得まい。
政府与党も民主をはじめとする政治家諸君、事の本質を間違って困る。庶民生活がますます「息苦しくなる」のは、ガソリン価格の高騰ではなく、排出される汚染物質によってなのだから。【了】
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PJニュース.net
現在、暫定税率をめぐる国会論戦がかまびすしい。モノの価格が低位安定し、所得が高位安定してくれれば文句の言いようもないが、そうはゆかないのが世の中の常。民主党の主張どおり、4月1日からガソリン価格がリッターあたり25円安くなることを素直に喜びたいが、カラクリがあることを知って置かねば失望することは必至だ。
ガソリン価格は公定価格ではない。同じ商品がある場所では「1個1590円」し、他の場所では「1380円」することに違和感を持たない風潮がまん延している。こうした背景の中、暫定税率の延長がなされなければ、4月1日から“全国一斉にリッターあたり25円安くなる”などと誤解してはならない。よく知られるとおり、引取税である軽油と異なり、ガソリンは「倉出し税」である。製油所から出荷の段階で53円80銭の「ガソリン税」が付加されているから、3月末日現在の在庫分はすべてが暫定税率こみの価格だ。理論上、GSの地下タンクの在庫ゼロの時点でないと、販売業者は25円引きでは販売しないだろう。3月出荷分のガソリンと、4月出荷分のガソリンを峻別する方法などないのだ。
ここにトラブルの発生する要因がある。一部の悪徳業者はその高低差を利用しようとたくらむだろうし、多くの善良なGSでは、「おかしいじゃないか、税金が下がったのに!」という利用者の苦情に悩まされることだろう。「まあ経過措置、いずれは安定する」と政府自民はうそぶくだろうが、現実としてこの25円の一部は、石油業界のどこかに消えうせるに相違ない。
最大の課題は、「いったい何を基準とした価格からの25円引きか」ということだ。ガソリンは「一物百価」、塩原温泉のGS価格を基準にするのか、国道50号線の超安値GSを基準にするのかでは、天地雲泥の差。現実にリッター21円もの価格差のあるガソリン市場では、暫定税率撤廃の意味あいなど雲散霧消することになり、「リッター25円続行かマイナスか」という論議など、現実的な意味を持たないのである。
また、23日付けの産経新聞によれば、『民主党は22日、ガソリンを含む揮発油税の暫定税率廃止問題で戦術を変更し、「ガソリン代値下げ」の代わりに、道路特定財源の一般財源化などの制度改革に重点を置いて訴えていく方針を固めた。同党は、暫定税率廃止でガソリン1リットルあたり約25円の値下げをするキャンペーンに力を入れてきたが、人気取りとの批判に押され、「逆効果となってきた」(幹部)と判断した』(23日08時配信)というが、ガソリン価格の動向ばかり気にする場合ではない。地球環境保護の立場から開催される「洞爺湖サミット」の主催国が、「炭素」を排出する石化燃料の税率だけを国会で論じるなど、三流国家のそしりを免れ得まい。
政府与党も民主をはじめとする政治家諸君、事の本質を間違って困る。庶民生活がますます「息苦しくなる」のは、ガソリン価格の高騰ではなく、排出される汚染物質によってなのだから。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資
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