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みずほが他行に先駆けて、米銀支援に乗り出した


 サブプライムローン関連の巨額損失に苦しむ米国金融機関。政府系投資ファンドが中心となって支援を行なってきたが、初めて銀行が、しかも邦銀が出資することになった。米証券会社大手のメリルリンチに、みずほコーポレート銀行(CB)が12億ドル(約1300億円)を出資することで合意したのだ。

 メリルは、2007年7〜9月期決算で、サブプライム関連証券の評価損として79億ドルを計上。シンガポールの政府系投資ファンドなどから62億ドルの出資を受けたものの、10〜12月期決算で、さらに150億ドル規模の追加損失を計上する見込みだ。

 このためメリルは昨秋、みずほCBに出資を要請。みずほCBは12月頃から検討をスタートさせたという。ちょうど、シティグループなど大手米銀がサブプライム支援基金構想をぶち上げ、邦銀に融資を要請していた頃だ。

 このとき、みずほCBは「スキームが不透明だったことに加え、奉加帳方式では効果が乏しい」(みずほCB幹部)として基金への融資を見送る。その一方で、メリルの要請には応じる方向へと突き進んだという。

 もともとみずほCBは、モルガン・スタンレーなどと親密な関係にあった。欧米でのビジネスではもちろんのこと、日本法人のモルガン・スタンレー証券の会長に、みずほ証券会長だった福田眞氏が就任するなど関係を強めていた。

 だが、この時期、メリルの要請に応じたのはなぜか。年率9%という高配当は非常に魅力的であり、「あくまで純投資」と強調する。しかし、事情に詳しい関係者は、「人間関係が大きな要因」と指摘する。

 メリルの歴代の最高経営責任者(CEO)とみずほCBの首脳陣は、「懇意な関係で、最近もたびたび会談していた」(関係者)ほか、メリルリンチ日本証券の会長にみずほCBの副頭取だった中山垣博氏が就任するなど、人的なつながりが深かったからだ。

 加えて、みずほフィナンシャルグループが2004年に欧米で期限付き劣後債を発行した際や、2005年に株式のグローバル売り出しをした際にメリルが主幹事を務めるなど、海外における後方支援のパートナー的な存在だったこともあったようだ。

 こうした背景もあって、投資リターンはもちろん、「将来的に投資銀行業務で協力し合うなど、海外戦略を加速させる足がかりになればと期待している」(みずほCB幹部)面が大きかったと見られる。

 とはいえ、みずほもメリルだけに傾注するつもりはなさそうだ。「モルガンとの関係は壊したくないし、要請があれば応じる構え。またシティは、日興コーディアルグループを売却する可能性もゼロではなく、排他的な対応をすることは賢明ではない」とみずほ関係者は漏らす。

 日本のメガバンクは、年間数千億円規模の利益が上がっており、いかに活用するかが課題。みずほに先を越されたかたちだが、三菱UFJフィナンシャル・グループなども投資を模索している模様だ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 田島靖久)

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