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「これでいいのか!国の被災者支援」阪神大震災から13年、小田実氏の魂を受け継ぎ、市民らが集会=芦屋・山村サロンで

2008年01月17日06時51分 / 提供:PJ

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「これでいいのか!国の被災者支援」阪神大震災から13年、小田実氏の魂を受け継ぎ、市民らが集会=芦屋・山村サロンで
「市民=議員立法実現推進本部」「『公的援助法』実現ネットワーク被災者支援センター」「市民の意見30・関西」の3団体は14日、兵庫県芦屋市の芦屋山村サロンで、「阪神淡路大震災から13年 被災の現在 支援の現在 そして今、なお、なにが必要なのか」「被災者の声 国動かした」と題して、市民集会を開催した。(撮影:渡辺直子、14日) 写真一覧(5件)
「市民=議員立法実現推進本部」「『公的援助法』実現ネットワーク被災者支援センター」「市民の意見30・関西」の3団体は14日、兵庫県芦屋市の芦屋山村サロンで、「阪神淡路大震災から13年 被災の現在 支援の現在 そして今、なお、なにが必要なのか」「被災者の声 国動かした」と題して、市民集会を開催した。

 この日の集会の主旨は、昨年7月急逝した作家・小田実氏が、被災者に対する公的支援を求めた「市民立法」運動を出発点に、小田氏と共に被災者支援のあり方を問い続けた、神戸大学名誉教授の早川和男氏、弁護士の伊賀興一氏、「公的援助法」実現ネットワーク被災者支援センターの中島絢子氏、市民=議員立法実現推進本部事務局長の山村雅治氏の4人が呼びかけ人となり、小田氏が被災地内外に発信してきたメッセージの意味をもう一度確かめようというもの。

 集会の冒頭、市民=議員立法実現推進本部事務局長の山村雅治氏は、「昨年11月に、被災者生活再建支援法が改正され、12月14日に施行されました。そもそも、この法案は、阪神大震災後、小田さんとわたしたちが運動を起こして、98年に議員立法によって成立したものです。今回の改正では、全壊の住宅に300万円を支給するということになりました。300万円の支給は画期的なことではあります。今日の集会は、しかし、これでいいのか、ということを考えていく集会です」と話し、早川和男氏らに「被災者生活再建支援法」の改正に対する評価などについて意見を求めた。

 「公的援助法」実現ネットワーク被災者支援センターの中島絢子氏は、 「阪神大震災から13年たって、まだ、支援を求めて裁判で闘わなければならない現状があります。兵庫県が作った自立支援金制度は、制度が被災者に届かないという現状があるのです。」などと述べ、行政が作った制度が十分に機能していない点を強調した上、神戸の被災地の現状について説明した。

 弁護士の伊賀興一氏は、「阪神大震災と起きたとき、わたしは奈良の自宅で地震の揺れを体感し、テレビをつけ、ずっと見ていたところ、最初まっくらで、次に神戸地区で地震がありました。もしかしたら、人も亡くなっているかもしれませんという報道になり、その後、道路が倒壊している様子が映し出されました。当時、わたしは、弁護士20年という立場だったのですが、自分がもし被災者であればどうしただろうと考えました。ロサンゼルス地震の調査に行きました。生活破壊を受けたときに、わたしは何をするだろうか。何もしないだろうなという疑問にぶつかっていたときに、小田さんから、市民としての立法案を作らないかという電話をいただいたのです」と話し、阪神大震災との関わりと、小田氏との出会いについて説明した。

 その上で、「そのとき、わたしが思ったことは、われわれに立ちはばかっている壁は何なのかということです。国会議員、市会議員、役所は何も言っていませんでした。この国を支配している人は、統治はしているけれども、国がどうあるべきか、被災地をもとに戻すことを、自分の責任だと思っていなかったのです。市民生活が土台です。国は何を置いても、被災者支援は、国の役割だと思います。国民に対する安全は、国が保障するべきです」と話した。

 神戸大学名誉教授の早川和男氏は、「被災者生活再建支援法の改正は、日本の憲法25条の生存権の規範につながったこととして、評価しています」と話した上、「近日中に、神戸の復興公営住宅の孤独死の統計などが新聞で発表されると思いますが、復興公営住宅で孤独死や自殺が多いのです。委員会の中に、被災者代表が入っていないということが孤独死につながっているということも否定できません。被災者の声が、委員会で反映されないわけです。市民が主権者になって、いろいろな政策を作っていくというのが、小田さんの考えだったと思います」と、小田氏の運動のあり方を再確認した。

 さらに、早川氏は、昨年12月14日付けの朝日新聞の記事「被災者支援。応急手当て」を集会参加者に配布した上、「記事に書かれているように、内閣府の想定では、首都直下地震では、最悪で1万3千人が死亡、85万棟が倒壊や焼失で全壊する。被災世帯は150万を超え、支援額はざっと3兆4千億円に達する。想定通りの被害が起きれば制度そのものが破綻する。法改正に向け国が3月に発足させた検討会でも、『首都直下や東海地震が起きれば、国の財政さえ破綻しかねない。』『大規模災害時には支援総額に上限を設けるしかない』などと意見が出ていた。 被害をいかに抑えるかがより現実的な課題となる。首都直下地震では、全壊する85万棟の7割以上の65万棟は、揺れではなく火災が引き金になると予想された。」などと記事を読み上げ、国が想定する被災被害の状況と、このたび国が決めた被災者支援法に、矛盾がある点を突いた。

 さらに、早川氏は、「わたしは、新潟、能登の被災地3〜4ヶ所に調査に行きました。新潟の仮設住宅で、復興についてのアンケート調査を行ったところ、1番に「墓地」、2番に「鎮守の森」、3番に「住宅」という順序で、被災地の人は、住宅の復興よりも鎮守の森の復興を望んでいることがわかりました。老人の集まりやお祭りという心のふるさとが復興したら、村に戻れるという考えです。鎮守があることにより、コミュニティが復興するということです。新潟では、鎮守の森に復興寄金を出そうと決めました。石川県は、それはやらないと言っています。知事の考えで違ってくるようです」と、新潟、能登の行政の復興に対する考え方の相違などについても説明した。

 コーヒータイムを挟んで第2部では、参加した市民らが、被災者支援や復興などについて意見を述べた。

 元神戸市会議員の恩田怜氏(住民投票・市民力)は、神戸の被災地の現状について「神戸では、埋立地に大規模な仮設住宅をつくったことで、町のコミュニティがずたずたにつぶれました。わたしたち市民にとって、自分たちの生活しているコミュニティをつぶされるということが、特に高齢者にとって、大変な痛手だと思います。こういう現状が、復興住宅での孤独死や自殺などにつながっているのだと思います。行政は、管理のしやすいことしか考えていないのです。」と、行政が被災者の立場になって考えていないことを批判した。

 集会の最後、伊賀興一氏は、「今日は、みんなで災害の経験や、支援法のできた経緯などについて話しました。いつも、わたしたちが提案して、参加者が意見を述べるという形ですが、次回の集会では、参加者の方々の意見を提案し合うという場面を作ろうと思います。」と話し、この日の集会を締めくくった。

 被災者支援に関する次回の集会は、芦屋・山村サロンで4月5日午後1時30分からの予定。【了】

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パブリック・ジャーナリスト 新納 直子

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