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「寿命30年」の短命住宅は国民から生涯にわたって生活のゆとりを奪ってきた=福田政権200年住宅構想を問う(中)

「寿命30年」の短命住宅は国民から生涯にわたって生活のゆとりを奪ってきた=福田政権200年住宅構想を問う(中)
永く満足のつづく住宅ー住宅長寿化の要件ー(作成者 :吉川幸雄、1997年8月15日)
【PJ 2008年01月13日】− (上)からのつづき。‘200年住宅ビジョン’および提言には、住宅の長寿命化の要件が列挙されている。大きく三つにくくることができそうだ。

1.構造躯体が数世代にわたって使用可能で、大規模な地震後も使用可能であること(耐久性及び耐震性)
2.点検・補修・更新などの維持管理が安易であること(維持管理安易性)
3.間取りの変更が可能であること(可変性)

 問題は、ビジョンではこれら三つの要件相互の関係性が掘り下げられていないことにある。「耐用年数」の考え方を掘り下げて考えてみよう。専門的な説明にかたよらないよう、素人ばかりか専門家もおちいる「耐用年数」という考え方の落とし穴を注意深く検証しておこう。こんな会話がマンション業者とお客の間でかわされた。

お客「このマンションは購入後どのくらいもちますか」
業者「鉄筋コンクリートですから60年はもちますよ」

 専門家は何を答えたのか。彼は建築の専門家だから、構造的耐用年数を答えたのである。すなわち、構造物の主要部材(RC、鉄骨)が腐食・老化・損傷などにより物理的な寿命に達し、補修・修繕等の技術的処置を行っても、構造物としてそれ以上の継続使用が不可能になり、廃棄するまでの年数である。

 お客さまは何を質問しようとしたのか。彼は素人だから、専門家の意見を判断材料にしたかったのである。

○60年保つと聞いて、安心した(安心したい)
○このマンションを求める決断の裏付け(後押し)が欲しい
○ローン支払いだとか、老後だとか、将来設計の計算を立てる根拠が分かった(知りたい)

 しかし、60年は本当だろうか。何か間違いを犯していないか。錯覚は次の方程式を鵜呑みにしたことから起こる。

 構造的耐用年数=実際の建物の寿命

 実態の方程式はこうだ。

 構造的耐用年数≠実際の建物の寿命、
 もしくは、構造的耐用年数≧実際の建物の寿命

 構造-物理的耐用年数は住宅の寿命の上限である。そのため、しばしば構造-物理的耐用年数は住宅の寿命であると錯覚される。しかし、通常は住宅の多くが構造-物理的耐用年数の上限を全うする前に、寿命が尽きている。それより先に限界を迎えている。

 なぜか? 住宅は物理的限界以外に、心理的、機能的限界をもっているからである。つまり、物理的限界に加え、次の「耐用年数」を考慮に入れなければならない。

 住宅の心理的限界を仕上-心理的耐用年数としよう。
 住宅の機能的限界を間取-機能的耐用年数と呼ぼう。

 住宅の寿命は、構造-物理的耐用年数にくわえ、これら三つの耐用年数によって総合的に決定される。どれか一つの耐用年数が達したとき、いつ住宅の寿命が尽きても道理である。それぞれの耐用年数を円の直径で表せば、三つの耐用年数のバランスを図形で表現(説明)できる。

 一口で言えば、バランスを欠いた住宅が短命化をまねく。これを図化したものを掲げておこう。【つづく】

■関連情報
建築家の育住日記
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 吉川 幸雄【 神奈川県 】
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