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2本の日本映画から感じ取る「戦争」と「昭和」。

【PJ 2008年01月11日】− 私が子供のときは、駄菓子屋には子供たちだけが集まって妙なコミュニティーが形成されていた。50円ほどで買える薄い味のカップラーメン(お金があるときは80円の焼きそば)を仲のいいメンバーと食べながらクラスの女子の話やビックリマンチョコのシールのコレクションを自慢しあったりしていた。そこは、大人禁制。唯一、居た大人は一人で店の主であるお婆ちゃんだけだった。もう20年くらい前になる。今の子供たちはどこでたまっているのだろうか。

 大ヒットを記録し続けている映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』を見ながら、そんな子供のころの思い出が脳裏に浮かんだ。昭和34年を舞台にした作品なので、だいぶ違うとはいえ、映画の中の駄菓子屋は、私が足しげく通った駄菓子屋の雰囲気そのままだった。そして、映画の中の駄菓子屋の前の鈴木オートの頑固で人情熱い親父さんは、私が子供のころに周りに居たお爺ちゃんや、おじさんを思わせるキャラクターだった。

 『ALWAYS 続・三丁目の夕日』では、戦後ならではのエピソードが織り込まれている。鈴木オートの親父さんが同窓会にいくという部分である。親父さんは同窓会に行くのが怖いという。戦争で一緒に戦った仲間たちが無事かどうか、知るのが怖いというのである。前作も含めて、それまで弱気な面を見せなかった鈴木オートの親父さんが初めて見せた力ない顔だった。戦後、15年もたたない日本が舞台なので当然のエピソードではあると思うが、私にとってはとても印象深いシーンである。

 そして、今公開中の作品で『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の他にも戦後を強く感じさせる作品がある。京極夏彦の大ベストセラーを原作とした作品『魍魎の匣』である。

 舞台は前後間もなくの東京。連続少女バラバラ殺人事件が起こり、その真相を個性的な探偵や古本屋店主、刑事などが追求するという物語だ。日本語の美しさを感じさせる流麗な台詞(せりふ)まわし、実力派俳優たちの見事な表現力でとても味わい深く理知的な素晴らしい作品である。

 そして、この映画は戦後という要素がすべての部分でかかわっている。巷(ちまた)をにぎわしている怪しい新興宗教や活気ある映画界は、戦後の混乱に身を置く人々の不安な心を包むかのように盛り上がり、個性的な登場人物たちも、混乱から生き抜く中で生業をみつけている。そして事件の真相には深く「戦争」が絡んでいるのだ。

 図らずも近い時期に見た2本の日本映画は、「戦争」という大きな要素とそこから始まった「昭和」の姿が感じさせるものだった。少しだけリアリティーのある駄菓子屋がでてくる『ALWAYS 続・三丁目の夕日』はとても懐かしく、同じ戦後でもダークで味わい深い『魍魎の匣』では戦争がつくってしまった日本という国や人々の心に深く刻まれた大きな傷をかいま見た気がした。

 あらためて、2つの映画から日本という国の側面を感じ取れた気がする。そして、映画の感動とともにまだまだ日本の過去について勉強しなくていけないことがたくさんあるなと、ちょっとだけ反省した。【了】

■関連情報
ALWAYS 続・三丁目の夕日
魍魎の匣【もうりょうのはこ】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 若林 順平【 香川県 】
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