大相撲 朝青龍がけいこ総見で白鵬とガチンコ7番勝負。初場所を前に怨念の先制攻撃

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 大相撲初場所(13日開幕、東京・両国国技館)を前に横綱審議委員によるけいこ総見が8日、都内同所で行われ、不仲がウワサされる東西両横綱がそろい踏み。わんぱく横綱の朝青龍(高砂部屋)が、ライバル白鵬(宮城野部屋)との“ガチンコ7番勝負”に5勝2敗で圧勝した。あくまでけいこにもかかわらず、白鵬のカラダを紅潮させるほど痛めつけたドルジ。だが、この“先制攻撃”にはある怨念がこもっていたという。

 「ごっつぁんデシタ!」。ドルジはほくそ笑んでいた。

 2003年9月(朝青龍、武蔵丸)以来となる東西両横綱そろい踏みでのけいこ総見に臨んだ朝青龍と白鵬。かねてから不仲が取り沙汰されている両雄は、けいこ場に現れたときから一定の距離を保ったまま、一切目を合わさなかった。

 賜杯を争うライバルであり、何かと比べられる目の敵とあって、緊張ムードが解けることはない。とはいえ、明らかに表情の強張った白鵬とは対照的に、幾多の修羅場を潜り抜けてきた朝青龍は、そんな緊迫感もへっちゃら。強烈なブチかましからの押し出しで1勝目を挙げると、あれよあれよと3連勝だ。

 その後、はたき込みなどで2敗したもの、左足首の負傷を感じさせない力強い動きで実力をいかんなく発揮。最後も「フォィッ!」との掛け声で白鵬をゴロンとすっ転ばせてあっさり5勝目。すると自ら「ごっつぁんデシタ!」と強制終了を言い渡し、いわゆる勝ち逃げで総見を終えた。

 朝青龍は終了後「よかった。相手もよかったんじゃない」とわざわざ相手を褒めたたえるなど、ご満悦のコメント。一方の白鵬は「思ったより(強くて)ビックリした」と誤算だったようだ。とはいえ、白鵬が驚いたように、この日の朝青龍は決して“ダメ男”ではなかった。

 かつて朝青龍を「わたしの中では引退した人」呼ばわりし、遺恨うごめく内館牧子委員はこの日もあえて名前を言わず「荒っぽい方」と皮肉たっぷりに言い放ったが、「白鵬の相手の方は絶対に勝たなきゃという思いが出ていた」と分析。確かにけいこ総見の朝青龍はやる気満々でかなり勝利にどん欲だった。

 だが、このどん欲な姿勢には理由があるという。ある相撲関係者が言う。「白鵬が朝青龍に激しく攻められて真っ赤になってたけど、あれを見る限り朝青龍は相当ムキになってたよね。やっぱり年末にやった在日モンゴル人の忘年会に白鵬だけ呼ばれて、朝青龍はKY(空気が読めない)だからお呼びがかからなかったことを知って嫉妬しているのかな」

 あくまでけい古にもかかわらず、白鵬のカラダを紅潮させるほどダメージを与え、ハッスルした朝青龍。ライバルに闘争心をむき出しにしたのか、はたまた嫉妬心を爆発させたのか定かではないが、かなり大マジだったのは確か。注目の初場所まであとわずか、本場所での闘いまで“待ったなし”だ。

○海老沢委員長は評価

 朝青龍の元気なけいこぶりに、横審の海老沢勝二委員長は「張り切りすぎだけど、気迫をもってやっている。見ている方が力の入るけいこ内容だった」と評価した。

 前委員長の石橋義夫委員は「両横綱がけいこをしたのは良かった」と満足げ。ただ、朝青龍が昨年末に帰国を希望したことには納得がいかないようで「精神を入れ替えてほしい。心の部分は今後も横審が見守る」と苦言を呈した。