「イタリア人の常識」「カルチョ好きなら絶対見なくてはならない」とまでいわれる、1本の古いイタリア映画がある。
 かの国で男子に生まれたる者にとって“見たことない”と言うのはタブーにも等しい、その映画のタイトルは『L’allenatore nel Pallone(サッカーの監督)』。80年代のコメディ映画で、さえない中年男がある日ひょんなことからセリエAチームの監督になり、あの手この手でチームを率いていくストーリーだ。

 ミランの現監督であるアンチェロッティはじめ当時の現役選手が出演したことでも話題になったが、何といってもストーリーのハチャメチャぶりに笑いが止まらない。記事タイトルは、劇中で俳優リーノ・バンフィ演じるダメ監督が低迷するチームに喝を入れる際の迷セリフだ。

 長く続編が熱望されてきた。昨夏ついに『2』がクランクアップし、1月11日にイタリア全土で封切られる。トッティ、マテラッツィ、ブッフォン、ガットゥーゾなどセリエAトッププレイヤーたちが多数出演。もちろんお色気シーンも期待されており、イタリア男たちは11日を心待ちにしているのだ。