かつて中村俊輔(現セルティック)がプレーしたレッジーナに、エミレ・ハルフレッドソンというMFがいる。ここまで14試合に出場し、最底辺のチームで苦戦している。今季のセリエAプレイヤーの国籍は、43カ国にも及ぶが、ハルフレッドソンは唯一のアイスランド人なのだ。

 欧州サッカー界のピラミッドにあって、マイナー国であることは否めないアイスランドだが、ハルフレッドの前に先達がいた。はるか昔の1948-49年シーズン、ミランにアルベルト・グドミュンドソンというMFがいたのだ。彼はレンジャーズやアーセナルなどを経てイタリアへやってきた。ミランで1年プレーしたきり、また欧州を転々とした後、北海の故郷へ帰ったのは80年代になってからだった。そして政治家へ転身し、産業省のポストを得たという。

 23歳のハルフレッドソンが今いるのは欧州の南端。氷に閉ざされた故郷とはまったく別世界だが、唯一のアイスランド人プレイヤーとして後半戦の奮闘を期待したい。