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演芸音楽会は抱腹絶倒。TVよりも面白いぞ=東京(中)

演芸音楽会は抱腹絶倒。TVよりも面白いぞ=東京(中)
福岡詩絵(うたえ)さんはピエロの役で、バルーン・アート(風船の技)を披露してみせる。東京・銀座文祥堂イベントホールで。(撮影:穂高健一、12月28日) 写真一覧(5件)
【PJ 2008年01月01日】− (上)からのつづき。TV演芸について、オフィス『詩』の福岡詩二さんは、「芸人じゃない芸人が、芸人のレッテルを張られて並んでいるだけだ」と話す。稲井宏明さん(元テレビ東京の製作本部プロデューサー)は、「芸人のレッテルでTVに出てきて、頭を叩(たた)いたり、蹴(け)っ飛ばしたりして笑いをとる。1年経(た)てば消えている。使い捨てですよ。いまのTV局には本物の芸人を発掘し、育てる気持ちがない」と話す。そこにはTV製作に携わってきた、自戒の念もあるようだ。

 オフィス『詩』主催の12月28日の「年忘れ演芸音楽会」は、本物の芸人ばかり。つまりプロ集団だった。プロ芸人への道は棘(いばら)である。どこまでも本物に拘泥した芸人がいる。津軽三味線を弾(ひ)く大内和己坊(かずみぼう)さんはそのひとり。元ジャズマンで、三味線に転進した人物だ。

 大内さんはまず三味線のルーツを知ることからはじまった。「津軽地方では、目が見えない坊様(ぼうさま、語源は乞食)が深い雪の日でも、村々、家々を回り、三味線を弾きながら、生活ための米をもらっていた。それが津軽三味線の原点です。門付芸です。私は坊様をからだで感じようと、三味線を他人から学ぶことなしに、10年前から日本中を回りました」と話す。

 大内さんは三味線を持ち野宿しながら、47都道府県すべてを回ったと語る。それは究極の芸を求め、わが身をあえて窮地に追い込むという、荒行にも似た修行だ。10年間も坊様(乞食)三味線をつづけるのは並大抵のことではない。

 「人の心を打ち、響くような三味線を弾けると、お金がもらえました。金がほしいな、もう野宿は嫌だな、という思いで三味線を弾くと、不思議なものでお金が入らず、野宿でした」と話す。

 「聞き手もバカじゃない。人の心を打つ、それに対してお金を払う。三味線一つで10年も全国を回った結果、それらの理解にたどり着きました」と語る。まさに、本ものの芸人だ。

 今年は東京都ヘブンアーチィストの認可が取れたことから、上野公園とか、都営地下鉄の構内でも三味線を弾くことができるようになった。「08年は飛躍の年になりそうです」という手ごたえを語ってくれた。

 千葉県・柏市からきた栃木さん(24、女性)は、「観たことのない演芸ばかり。入場料プラス、という感動です。津軽三味線は心に響きました」と語る。

 福岡詩絵(うたえ)さんはピエロで、「年忘れ演芸音楽会」の演目の節目に出てきて『メクリ』をやる。詩絵さんはアメリカに行ったとき街角でパントタイムをみて、これだと思い、習い始めたという。それから10年経つ。

 07年には東京演芸協会主催の上野『水鳥のステージ』に立てて、ピエロがやれた。「お客さんが微笑(ほほえ)んでくれるようになりました」と語る。08年の期待を聞いてみた。「世界はもう少し平和になって、日本の景気が良くなってほしい」という。もっと身近な点で求めると、舞台の数を増やしたいと教えてくれた。

 同会の休憩タイムには、詩絵さんはバルーン・アート(風船の技)を披露してみせる。風船で、器用に動物などを作って配る。会場には幼い子供連れも多かったので、ずいぶん喜ばれていた。

 埼玉県・熊谷市の西川さん(20、女性)は、「初めて演芸を観ました。新感覚でおもしろい」という。芸は極意に達すると、若者たちの新感覚にマッチするようだ。【つづく】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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