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「偽」を捨て「人」の「為」に成れ、ライブドアよ!=わたしの心に残った今年のPJ記事
2007年12月31日20時21分 / 提供:PJ
【PJ 2007年12月31日】−
日本漢字能力検定協会が全国公募した「今年(2007年)の漢字」は「偽」。京都市東山区にある清水寺で森清範貫主が「偽」を揮毫(きごう)し、清水寺「奥の院」の本尊・千手観音菩薩に奉納する儀式が今月12日に行われた。フジテレビ系列の「あるある」情報漏洩・ねつ造番組事件に始まった2007年は、「ミートホープ」や「赤福」「船場吉兆」などによる偽装事件の数々が発覚し、社会問題化した。
こんな事件もPJニュースにとって人ごとではない。12月10日にわたしが執筆した「メディア倫理観乏しいライブドア、取材記事風の勧誘広告を再び掲載」という原稿がライブドアの経営陣によって削除された。内容はというと表題の通り、記事広告が一般記事として掲載されていたのだ。いろいろな意味でわたしはこの削除された記事を「わたしの心に残った今年のPJ記事」に推すことにした。
なぜか。つまりはライブドアの経営陣には、ライブドア事件の教訓が生かされていないという大きな疑問が生じたからだ。もちろん、編集・配信権を侵害されたという大きな問題もある。それ以上に重要なのは、ライブドア読者への背信というライブドア自体を自ら貶(おとし)める行為が厳然とそこに存在し、いまでも存在し続けているからだ。ライブドアを支えているのはその役員だけではない。社員や株主はもちろんのこと、ユーザーあってのライブドアなのだ。
出澤剛・ライブドア社長によると、記事を削除したのは「経営判断」だったという。そして、広告主への批判を継続すれば、暗に「PJニュース」は取りつぶすと圧力をかけてきた。しかし、それではあまりに短絡的過ぎる「経営判断」ではないか。偽装記事を掲載し、それに警笛を鳴らした記事を無断で削除したのは、経営者としての出澤社長自身の危機意識が希薄であることを白日の下にさらしたのと同様。この件に限っていえば、広告主に否はない、ライブドアの経営自体が問題なのだ。フジテレビしかり、ミートホープしかり、経営の過ちを隠蔽(いんぺい)することほど、愚かなことはない。
偽装記事掲載とその摘発記事削除の経緯を取材してみると、原因は大きく分けて3つあった。一つは経営陣の危機意識・コンプライアンス意識の希薄さ。これは先に述べた。二つめはスタッフのあせり。「広告をより多く取ってこよう、赤字を解消しよう」。こんな意識が偽装記事に走った。確かに、経営的にはきつい面がある。大きな利益への誘惑はあるだろう。ただ、よく考えてみる必要がある。広告主は偽装してまで広告したいのだろうか。その偽装が発覚したら、広告主には甚大な損害を与えてしまうことになる。こんなばかげた偽装をしたい広告主などいるはずがない。
記事広告は「広告」として明記しなければならない。放送法ではこう規定されている。しかしながら、仮にも不特定多数の読者・視聴者を持つポータルサイトであれば、法で縛られる以前の問題として、メディアのモラルとして受け止めていなければ失格だ。原因を探ると、営業担当が広告主にきちっと説明していなかったそうだ。
三つめはライブドア社内の風通しの悪さとライブドア社員の萎縮(いしゅく)。当該記事を実際に削除した社員にその動機を尋ねてみると、広告主に迷惑をかけてはならない、ライブドアにとって不利益になる、というのが理由だった。不祥事に過敏になっていたようだ。また、「最近のライブドアは風通しが悪い」。こんな話しも現社員から耳にした。広告記事と記事削除のことで、担当社員ら同士で議論し、出澤氏も「これからは広告記事には広告記事と明記する」とわたしに明言した。にもかかわらず、いまだ広告だと明記していない広告記事をライブドアのページで散見するのは残念でならない。
いまあるライブドアは、もう一度この会社に賭けてみようという人々の善意や熱い思いによって成り立っているといっても過言ではない。だからこそ、何があっても二度とライブドアの株主やユーザーらステークホールダーを裏切ってはならぬ。これがライブドアに科された至上命題であることは間違いない。ライブドアが再上場を目指して日夜努力しているというなら、なおさらだ。
ライブドア経営陣は、2年前のライブドア事件をよく顧みる必要がある。当時の摘発事実は「偽計取引」。偽りごとで利益を水増しするなどの粉飾事件だ。ライブドアによる「偽」によって、多くの株主に損害を与え、多くの若者の夢を奪った。たとえ広告主でも、スポンサーのライブドアであっても、PJニュースは「偽」は「偽」と報じていこう。「偽」を捨て、「人」の「為」に成る。このことを心しなければならぬ。自戒を込めて。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 小田 光康【 東京都 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
こんな事件もPJニュースにとって人ごとではない。12月10日にわたしが執筆した「メディア倫理観乏しいライブドア、取材記事風の勧誘広告を再び掲載」という原稿がライブドアの経営陣によって削除された。内容はというと表題の通り、記事広告が一般記事として掲載されていたのだ。いろいろな意味でわたしはこの削除された記事を「わたしの心に残った今年のPJ記事」に推すことにした。
なぜか。つまりはライブドアの経営陣には、ライブドア事件の教訓が生かされていないという大きな疑問が生じたからだ。もちろん、編集・配信権を侵害されたという大きな問題もある。それ以上に重要なのは、ライブドア読者への背信というライブドア自体を自ら貶(おとし)める行為が厳然とそこに存在し、いまでも存在し続けているからだ。ライブドアを支えているのはその役員だけではない。社員や株主はもちろんのこと、ユーザーあってのライブドアなのだ。
出澤剛・ライブドア社長によると、記事を削除したのは「経営判断」だったという。そして、広告主への批判を継続すれば、暗に「PJニュース」は取りつぶすと圧力をかけてきた。しかし、それではあまりに短絡的過ぎる「経営判断」ではないか。偽装記事を掲載し、それに警笛を鳴らした記事を無断で削除したのは、経営者としての出澤社長自身の危機意識が希薄であることを白日の下にさらしたのと同様。この件に限っていえば、広告主に否はない、ライブドアの経営自体が問題なのだ。フジテレビしかり、ミートホープしかり、経営の過ちを隠蔽(いんぺい)することほど、愚かなことはない。
偽装記事掲載とその摘発記事削除の経緯を取材してみると、原因は大きく分けて3つあった。一つは経営陣の危機意識・コンプライアンス意識の希薄さ。これは先に述べた。二つめはスタッフのあせり。「広告をより多く取ってこよう、赤字を解消しよう」。こんな意識が偽装記事に走った。確かに、経営的にはきつい面がある。大きな利益への誘惑はあるだろう。ただ、よく考えてみる必要がある。広告主は偽装してまで広告したいのだろうか。その偽装が発覚したら、広告主には甚大な損害を与えてしまうことになる。こんなばかげた偽装をしたい広告主などいるはずがない。
記事広告は「広告」として明記しなければならない。放送法ではこう規定されている。しかしながら、仮にも不特定多数の読者・視聴者を持つポータルサイトであれば、法で縛られる以前の問題として、メディアのモラルとして受け止めていなければ失格だ。原因を探ると、営業担当が広告主にきちっと説明していなかったそうだ。
三つめはライブドア社内の風通しの悪さとライブドア社員の萎縮(いしゅく)。当該記事を実際に削除した社員にその動機を尋ねてみると、広告主に迷惑をかけてはならない、ライブドアにとって不利益になる、というのが理由だった。不祥事に過敏になっていたようだ。また、「最近のライブドアは風通しが悪い」。こんな話しも現社員から耳にした。広告記事と記事削除のことで、担当社員ら同士で議論し、出澤氏も「これからは広告記事には広告記事と明記する」とわたしに明言した。にもかかわらず、いまだ広告だと明記していない広告記事をライブドアのページで散見するのは残念でならない。
いまあるライブドアは、もう一度この会社に賭けてみようという人々の善意や熱い思いによって成り立っているといっても過言ではない。だからこそ、何があっても二度とライブドアの株主やユーザーらステークホールダーを裏切ってはならぬ。これがライブドアに科された至上命題であることは間違いない。ライブドアが再上場を目指して日夜努力しているというなら、なおさらだ。
ライブドア経営陣は、2年前のライブドア事件をよく顧みる必要がある。当時の摘発事実は「偽計取引」。偽りごとで利益を水増しするなどの粉飾事件だ。ライブドアによる「偽」によって、多くの株主に損害を与え、多くの若者の夢を奪った。たとえ広告主でも、スポンサーのライブドアであっても、PJニュースは「偽」は「偽」と報じていこう。「偽」を捨て、「人」の「為」に成る。このことを心しなければならぬ。自戒を込めて。【了】
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