「こんばんは。今日もいっしょに身体を動かしましょう」

 鍛え上げた身体。背筋の伸びた美しい姿勢。トレーナーの語りかける声は軟らかく優しい。リビングにいながらスポーツジムの気分が味わえる任天堂「Wiiフィット」(Wii Fit)は40種以上のトレーニングが楽しめるゲームだ。

 バランスWiiボードという専用の板に乗ると、体重を測定し、BMIを表示してくれる。自身の肥満度をチェックしたら、フィットネスのスタートだ。腕立て、スクワットなどの筋トレ、ジョギングなどの有酸素運動、スキージャンプなどのバランスゲームといったメニューの中から、自分の行ないたいものを選べるようになっている。

 楽しみながら身体を動かしたい人はバランススキーがオススメ。これはスキーの大回転のようなゲームだ。画面にはスキー場の風景が映し出され、合図とともに滑降開始。バランスWiiボードの上に乗り、左右に体重を移動させながら、フラッグの間をジグザグと曲がりながら滑降していく。コース取りを上手くすれば、好タイムが得られる一方で、バランスが悪いとフラッグをはずしペナルティとなる。スピード感があり、かなり楽しい。

 画面に向かってパンチを激しく浴びせるリズムボクシングはストレス解消に好適だ。トレーニングの種類にもよるが、30分程度行うと、うっすらと汗がにじみ出てくる。スポーツジムと比べると出る汗の量は少ないが、帰宅時刻に関係なくトレーニングができるところは忙しいビジネスパーソンにとってうれしい。

 最近、フィットネス系のDVDを使ってダイエットをしている人をよく見かける。これらとの大きな違いは「受動的」か「能動的」という点にある。DVDの場合、ユーザーは画面に映し出された動作を行う。他方、Wiiフィットはボードを介してこちらの情報を機械本体にインプットしている。双方向で情報をやり取りしているので、Wiiフィット側からもメッセージが届く。これが面白いのだ。例えば、1日サボれば、「きのうはどうしたの?」と反応が来ることもある。ジョギングのスピードが速すぎれば注意されるし、筋トレの結果が素晴らしければ星がたくさんもらえるなど、常にこちらの状況を見ながらアドバイスをしてくれるところに特徴がある。

 とかく健康管理は続けていくことが難しい。筋トレは地味で楽しくないのも事実。Wiiフィットの「応援してくれる味方がいる」感覚は、ユーザーの励みになることは間違いない。人間は「1人ではない」と感じると、どんなに辛くとも強くなれるものである。
(江口 陽子)


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