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動物を殺して楽しむことの是非…銃規制の議論に加えてほしい

動物を殺して楽しむことの是非…銃規制の議論に加えてほしい
インターネット自然研究所HPより
【PJ 2007年12月23日】− 数十年前に読んだ童話を覚えている。父母と子供2匹のキツネの家族の生活を描いたものだ。ある時、子供が放置されたトラバサミに足を挟まれ、動けなくなってしまう。家族は助けようとするが、なすすべがなく、やがて子供は死んでしまう。そしてしばらく後、父も鉄砲に撃たれ、母と子の2匹だけが残される。キツネの家族の、ひと夏の物語である。

 他の童話はたいてい忘れてしまったが、この話は強烈な印象と共に記憶に残っている(昔のことなので多少違っているかもしれない)。私には、作者がこの童話に込めたメッセージがしっかり効いたわけである。

 動物を擬人化しては、議論が感情的になりすぎるという批判があるかもしれない。だが、家族を形成する高等な哺乳類を、魚類や爬虫類と同等に扱ってよいとは思わない。また、楽しみのために動物を殺すことを認めながら、一方で命の大切さを説いても説得力がない。

 一方、狩猟事故は毎年100件程度発生し、そのうち一般人に対する被害も数件あり、死亡事故もある。エキスポランドのように、機械の点検を怠って死亡事故を起こしたら、マスメディアは大騒ぎするが、一般人が誤って射殺されてもなぜかベタ記事程度にしかならない。メディアはニュースバリューという独特の基準で命の重さを量るらしい。

 かつて狩猟は生活のためのものであったが、有害鳥獣の駆除を除くと、現在その必要性はほとんどない。殺される動物の大部分は趣味・娯楽のためである。しかしその娯楽としての狩猟も現在は若年層から見放されてきている。

 年齢別狩猟者数によると総数は1970年〜00年に約60%減少し、00年は3/4が50歳以上である。中でも20〜40歳は激減しており、この先、総数は顕著に減少することが予想される。

 2004年、英国では300年続いた貴族の遊び、キツネ狩りを禁止する法案が可決されたが、議論の中心はキツネに対する残虐性であったそうだ。どちらも背景には残虐性ということに対する感性の変化があるのだろう。野蛮から文明化に伴う変化といってもよい。

 戦前の、命は鴻毛(こうもう)より軽し、と人間の命を軽んじた時代からみれば、現在の命の価値は比較できないほど重いとされる。動物の命もその影響を免れない。人間の命は大切だが、動物の命は娯楽のために奪ってもよいと子供に説明するのは至難である。説明できるうまい理屈は見あたらない。

 動物を殺して楽しむ心性には不快を感じるし、銃という圧倒的に優位な武器を使って戦意もない相手を殺すことにも抵抗がある。武士道賛美の藤原正彦氏ならばきっとこう言われるだろう、「クマやイノシシに銃で向かうとは卑怯である。刀で戦ってこそサムライだ」と。時代錯誤が目立つ藤原氏だが、このように言われるなら賛同する。

 佐世保の乱射事件を契機として銃のあり方が問題になっている。単なる管理強化だけでなく、日本の社会にとって、娯楽目的の猟銃所持の意味と必要性をあらためて根底から問い直す議論を期待する。【了】

■関連情報
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 岡田 克敏【 京都府 】
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