長崎・佐世保で起きた散弾銃乱射事件は大きな衝撃を私たちに与えました。
日本では銃の所持は銃刀法によって規制され、許可を受けた人だけしか所持と使用を許されていません。だからこそ、アメリカのような銃による事件は起きにくいと考えられていました。しかし、日本でも銃による事件は起きてしまっています。

今回のようの銃刀法で許可を受けて銃を所持している人による事件報道を見ると、本当に適正な人に許可が下りているのかと、心配になってしまいます。

実際には銃刀法は、どのように運用されているのでしょうか。今回は銃刀法について見ていきましょう。

■銃刀法とは、どんな法律なのでしょう
正式名称は、銃砲刀剣類所持等取締法(じゅうほうとうけんるいしょじとうとりしまりほう、昭和33年法律第6号)です。略称は銃刀法。1958年3月10日公布、同年4月1日施行されました。

制定当時の題名は「等」の位置が異なる「銃砲刀剣類等所持取締法」でしたが、1965年7月15日の改正法施行により現在の題名となりました。銃砲刀剣類の所持を原則として禁止し、これらを使った凶悪犯罪を未然に防止することを目的としています。銃砲・刀剣類の所持許可を与える者を限定し、許可を得た者に対しても銃砲・刀剣類の取り扱いについて厳しく定められ、これに違反すると罰せられます。

■銃砲刀剣類の定義
ところで、銃刀法で規制されるものは、どのようなものなのでしょう。
この法律では、「銃砲」について、次のように定義されています。(条文より抜粋)

●銃砲
この法律において「銃砲」とは、けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)を言います。

また、銃砲との区別が解りづらいエアーソフトガンと呼ばれる物は玩具店などで販売されていますが、これについて警視庁は、次のような見解をしています。

●銃器との相違点
 (1) 銃器は、その材質が鋼鉄等で、火薬の爆発力により実弾を発射させる本物の武器等
 (2) エアーソフトガンは、プラスチック等を材質とし、低空気圧又は低圧ガスによりプラスチック弾を発射させる玩具の銃

ということですが、中には数年前に規制の対象となったM29(樹脂製エアーソフトガン)やM40A1(小銃型エアーソフトガン)のように、何ら手を加えなくても銃器としての規制を受ける物もあります。また、改造けん銃、改造空気銃、模造けん銃は、銃刀法等で取締りを受けることになります。
いずれの場合も、銃刀法違反(場合によっては、併せて武器等製造法違反も)として厳しく処罰されることになりますので、たとえ玩具とはいえ改造は絶対にしないでください。

■どのような場合に所持が許可されるの?
佐世保の事件で使用されたような猟銃については、銃砲刀剣類所持等取締法の「第二章 銃砲又は刀剣類の所持の許可」において「狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃の用途に供するため、猟銃又は空気銃を所持しようとする者(第四号に該当する者を除く。) 」に所持が認められることになっています。また、この規定による許可を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、住所地又は法人の事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出する必要があります。

許可の基準は、第二章第五条によると許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合のほか、次の場合等にも許可されません。

・十八歳に満たない者(空気銃の所持の許可を受けようとする者で、政令で定めるところにより、政令で定める者から推薦されたものにあつては、十四歳に満たない者)
・精神障害若しくは発作による意識障害をもたらしその他銃砲若しくは刀剣類の適正な取扱いに支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものにかかつている者又は介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第八条第十六項 に規定する認知症である者
・アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
・自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従つて行動する能力がなく、又は著しく低い者
・住居の定まらない者
・集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
・他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者(前号に該当する者を除く。)
・都道府県公安委員会は、変装銃砲刀剣類又はその構造若しくは機能が政令で定める基準に適合しない銃砲については、許可をしてはならない。

これらをクリアして所持を許可されても、近年の事件を見ていると、「自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従つて行動する能力」で問題があり犯行に至っているようにも感じられます。また、銃の所持者が目を離した隙に5歳の兄が銃を暴発させて2歳の弟を死亡させた事故なども発生していることから、保管方法にも再検討が必要だという意見もあるようです。

銃弾の所有については、火薬類取締法で個人が自宅に保管できる量は800発と定められています。しかし他人が検証する仕組みがないため、事実上は野放しの実態となっているようです。こうした銃弾の管理にも凶悪な銃犯罪につながる規制の抜け穴が浮き彫りになっています。

銃の所持許可のある人が銃弾を購入する場合、警察署に用途や使用予定弾数を記入した申請書を提出することになっており、実際に何発の銃弾を使用したかも3年に1度の銃所持許可の更新時に報告が義務づけられています。しかし、これも自己申告のため虚偽の申告をされると所持弾数の把握は事実上できてないことになります。

銃刀法があるから日本は銃の犯罪・事件に関しては安全といわれてきましたが、凶悪犯罪が増加している現在、銃の規制や保管方法などの見直しが必要な時期にきているのかもしれません。

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