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ニッポンの「農業」は大丈夫?屋久島名産・「ぽんかん」収穫現場からリポート(下)

2007年12月19日05時48分 / 提供:PJ

pj
ニッポンの「農業」は大丈夫?屋久島名産・「ぽんかん」収穫現場からリポート(下)
何故か12月という寒い時期、アゲハチョウの幼虫が。(撮影:大山啓、12月15日) 写真一覧(5件)
(上)からのつづき。屋久島における「ぽんかん」の収穫作業は、農地の面積、生産量によっておのおの異なるのだろうが、一日で終わるものではない。私の実家の「ぽんかん」においては、生産量が少ないため、その収穫の大部分を贈答用にしている。

 この日は空に雲が厚く垂れ込め、今にも雨が降り出しそうではあったが、何とか一日で収穫作業は終了した。キャリ(収穫したぽんかんを、その場で入れる、プラスチック製のケース)で12個。総重量にして100キロは超えるだろう。通常、キャリを作業小屋(収穫したぽんかんやたんかんを、出荷するもの、しないものに選別したり、化粧箱と呼ぶ綺麗な箱に入れ、出荷する作業等を行う小屋)に運び、そのまま約10日前後寝かせる。そしてサイズごとに選別し、箱詰し、出荷というスケジュールになる。百貨店やスーパーの店頭に並ぶまでに、さまざまな「見えない」努力が積み重ねられている。

 (上)の記事で先述させて頂いたのだが、経費が収入を上回れば、採算が合わないのは言うまでもない。故に、ここ屋久島では、多くの家庭が兼業、つまり他に仕事があって、ぽんかんやたんかんも栽培する家庭が多いと思う。ぽんかんにおいても、市場における価格が重要なファクターでもあるのは否めない。

 だが、輸入農産物の増加による市場価格の低下や個人消費の低迷等の要素によって、ただでさえ「離島」という条件下で、慢性的に「輸送コスト」という不利な条件が付加されるのに加え、農業従事者の高齢化や後継者不足というさらなる不安要素がプラスされれば、ここ屋久島では、「農業」という分野においては、先行きに暗い影を落とすのではないか、そう懸念せざるを得ない。ひいてはそれが、わが国の「農業」の姿に直結しているのではないだろうか。

 わが島でも、農業はいまだ基幹産業の一つ足り得よう。そうであるならば、農業分野においても活気を取り戻し、農業の担い手の育成に努め、農作物の「ブランド」の維持、品質の向上等、多面的な機能を確保することで、それが地域社会の維持や地域活性化につながるのではないかと肌で実感させられた。

 私見ではあるが、いわゆる農業を含む第一次産業と、新規産業であるエコツアー業との連携による、「体験型観光」の振興、および地産地消の推進、販売チャンネルの拡充が早急に取り組むべき課題ではないか。価格競争に伴う規模の利益を選択するのではなく、耕作面積は小さいけれども、効率的に、人や産業等、多角的な方面からアプローチし、フルに回転させる事で高収益をあげ、「屋久島ブランド」を島民一丸となって育ててていくという独自の方向もあり得るのではないだろうか。

 それがひいては「ぽんかん」に限らず、後継者の育成、屋久島産農産物の「安全性」の保証、消費者の要望に応じた「品質の高い食品」の生産・確保、そして高収益=農業経営としての安定性につながると信じたい。屋久島の多くのぽんかん・たんかんの生産者の方々が、離島というハンディにもめげず、有機栽培・無農薬でまじめに汗を流され、黙々と頑張っている姿を間近に見て、こういった方々に「光」が当たり、報われる社会であって欲しい。

 規模は小さくとも、屋久島の生産農家の大部分の方が、消費者の皆さまのために、安心で安全なモノをお届けしようと、影ながら必死で頑張っておられるのを、同じ島民として熟知しているつもりである。本格的な少子高齢化を迎えつつあり、私たちの島も、「農業」を始め、社会が少しずつ変わろうとしている。

 livedoorウェブ検索で、「屋久島 ぽんかん」というキーワードで検索すると、多くの人なり企業が、高収益を見込めるオンラインショップを展開され、販路を拡充されているのが分かる。それも一つの販売戦略であるが故に、大変素晴らしい事だと思う。今回、ぽんかん畑での収穫体験が、「食の安全」、ひいては「地域活性化」へとつながるのだと、いささか論理が飛躍する面もあったが、少しだけ確信が持てた気がした。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 大山 啓

関連ワード:
農業  高齢化  百貨店  食の安全  エコ  
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