マンチェスター・シティのスベン・ゴラン・エリクソン監督は、1月の移籍マーケットで攻撃陣の補強を公言しているが、そのターゲットとなりそうなのがシャフタール・ドネツク(ウクライナ)のFWネリー・カスティージョだ。カスティージョの代理人は先週金曜日、マンCへのレンタル移籍が合意に至ったとのコメントを発表。一方のシャフタール側もレンタルでの放出には合意しているものの、代理人が示唆した1年レンタル+完全移籍オプションで100万ユーロ(約1億6000万円)の条件については「安すぎる」と拒否する姿勢を示している。

 今夏、シャフタールのリナト・アフメトフ会長は、2000万ユーロ(約33億円)を費やしてカスティージョを獲得。しかし、ギリシャのオリンピアコスで活躍を収めたこのメキシコ代表FWも、ウクライナの環境に馴染めず未だノーゴール。現在では完全にベンチ要因となっている。この状況に、アフメトフ会長もカスティージョのレンタル移籍を認める方針を明言。しかし、代理人が語った金額の5倍となる500万ユーロ(約8億円)のレンタル費をマンC側に要求すると語り、レンタル終了後には多額の移籍金収入を見込んでいるともコメントした。

「カスティージョはオリンピアコスでスターになった。我々が2000万ユーロもの移籍金を支払ったことで、ウクライナへもスター気取りで来たようだが、ポジションは自分で奪うものだ。それを彼は忘れていた。彼のレンタル移籍は認めるつもりだ。しかし、1年のレンタルなら500万ユーロだ。さらに、この条件には完全移籍のオプションは含まない。レンタル先でカスティージョが結果を出せば、シャフタールへの復帰か、他クラブへの売却かを、1年後の時点で決める。もしかしたら、40万ユーロや50万ユーロまで移籍金が跳ね上がるかもしれないだろう」

 ウクライナ一の大富豪といわれるアフメトフ会長は、あくまで強気の態度で交渉に臨む構えを見せている。攻撃陣に補強が急務なエリクソンにとって、大きな可能性を秘めた若きメキシコ代表ストライカーは魅力的な素材だが、要求金額の高さに交渉は難航の兆しをみせている。プレミアリーグで4位につけるマンCは、東欧の金満オーナーによるしたたかな交渉術にいかなる対応をみせるだろうか。