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師走の街にあふれるタクシー、業界の苦難続く=仙台

2007年12月14日11時42分 / 提供:PJ

pj
師走の街にあふれるタクシー、業界の苦難続く=仙台
仙台駅西口タクシープール。あふれ出したタクシーが一般道(写真右側)にも並ぶ。(12日午後4時すぎ、撮影:小林亮一)
ここ数年、仙台にはタクシーがあふれている。飲食店が密集する国分町周辺では、客待ちのタクシーが二重三重に停車し、仙台駅周辺では、駅のタクシープールに入りきらないタクシーが車線を占有している。違法駐車の常態化を見かねた宮城県警察本部が、タクシー会社に法令遵守を要請しているが、一向に解消しない。

 仙台市内で営業するタクシー台数は、2002年1月に2648台、2007年11月には3761台となっており、約5年で1000台以上、率にして41%の増加である。このような急増は、2002年に施行された改正道路運送法がきっかけで、それまで免許制だったタクシーの営業が許可制へと緩和され、タクシーの新規参入や増車が容易になったためだ。

 このような状況に、タクシー乗務員は悲鳴を上げている。タクシー運転手で構成される労働組合の調査によれば、2006年の平均年収は225万円。改正道路運送法の施行前より50万円以上減少している。2005年6月、「減収は国が台数調整を怠ったため」として、乗務員69人が国家賠償訴訟を提起した。国土交通省が、今月中にも仙台市を「緊急調整区域」に指定し、新規参入や増車を禁止する方針を固めたため、訴訟は今月6日に取り下げられたが、タクシー業界が「正常な」状態に戻るにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 12日夕方、客待ちをしているタクシーの乗務員に話を聞いた。

 「規制が遅すぎる。規制緩和で新しい会社がどんどん参入してきたときに、こうなることは分かっていたはずだ。今となっては新規参入や増車の禁止ではどうしようもない。ばっさり減車してほしい」(50代男性、タクシー会社勤務)

 「これだけ客待ち(のタクシー)が多いと、お客さんに乗ってもらえる回数が減ってしまう。一時は流しに力を入れてみたが、タクシーを使ってくれるお客さん自体が減ってきてるから、燃料代ばかりかかってしまう。今は、乗ってくれたお客さんに名刺を渡して、電話で直接呼んでもらおうと考えている。台数が増えて、お客さんが減ったんじゃ、商売にならない」(60代男性、個人営業)

 「バブルがはじけてから、地下鉄とかバスを使う人が増えた。終電や終バスの時間に間に合うように、走ってる人をよく見かける。終電の時間が過ぎると、奥さんが車で迎えに来るのもよく見るようになった。(運転)代行も増えた。昔はタクシーに乗ってくれてた人なのに、と考えてしまう」(50代男性、タクシー会社勤務)

 「経営者に、台数を減らす決断をしてもらわないといけない。どの会社も増車して、新しい会社も入ってきてるから、自分のところだけ減らすわけにはいかない、と思ってるんじゃないか。我慢比べをしてる場合じゃないと思う」(50代女性、タクシー会社勤務)

 タクシーを利用する人が減り、タクシーの台数が増えている仙台の状況は、「マーシャル安定」(数量の調整によって市場が均衡すること)による調整が始まる局面に他ならない。だが、経営者たちは免許制だったころの既得権を忘れられず、自発的な調整(例えば減車)に踏み切れずにいるように見える。自発的調整ができなければ、倒産や撤退によって市場から排除されるしかない。しかし、仙台を含め、地方都市は長引く不況から抜け出していないのが実情だ。「辞めたくても他に働き口がない」。ある乗務員の言葉が全てを物語る。

 仙台のタクシー業界の苦難は続く。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小林 亮一

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