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【思い出の有馬記念】「これでも、この状態でも勝てないのか…」/1999年

2007年12月07日20時20分 / 提供:UMAJIN

UMA-JIN
【思い出の有馬記念】「これでも、この状態でも勝てないのか…」/1999年
ツルマルツヨシ(牡・二分厩舎)
1999年有馬記念4着=写真右端 写真一覧(2件)
 有馬記念、この言葉を見るたびに思い出すのは競馬の難しさですね。テイエムオオアラシ、マチカネフクキタル、ツルマルツヨシ。
 いずれの馬たちも、できることのすべてをやり、満足のいく仕上げをして送り出したものです。残念ながら結果は伴ってくれませんでしたが…。

 その中でもやはり私の印象に一番残っているのは、ツルマルツヨシですね。

 現役調教師時代の私はどちらかというと血統に頼るのではなく、馬を直接自分の目で見て、確かめて、どこかひとつでも秀でているところがあれば、そこを伸ばしていく。そんな馬づくりを心掛けていました。馬主さんにとっても、そのほうがはるかに経済的ですし、勝った時の喜びもひとしお。
 サンデーサイレンスやトニービン、ブライアンズタイムなど、それこそ1頭で何千万、何億という馬が全盛を極めていた当時でも、このやり方を変えることはしませんでした。

 ツルマルツヨシも例外ではありません。この馬は、とにかくバランスがよかった。同じシンボリルドルフ産駒としては、戦績では確かにトウカイテイオーのほうが優れていましたが、こと素質に関しては、ツヨシのほうがはるかに上だったと、今も思っています。
 ただ残念なことに体質が弱くて、なかなか思うように仕上げることができず、常に馬と相談しながらの調整を余儀なくされていました。
 そんなツルマルツヨシを本当に、ようやく本当に満足のいく仕上げで送り出すことができたレースが、1999年の有馬記念でした。

 この馬にとっては初めての大きな勲章となる朝日CCを勝って、ようやくオープン入りした秋シーズン。調整は珍しく順調にいっていました。脚元も体調も、まったく気にするところなく、思い通りの調教を積むことができたのです。
 続く京都大賞典。人気の面ではメジロブライト、テイエムオペラオー、スペシャルウィークに劣りましたが、レースでは完勝。私も「ようやく完成してきた。これで大きいところも狙えるだろう」と自信を持ったものです。(次のページへ
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