常識はずれの親たち「モンスターペアレント」が学校を破壊する
2007年12月11日03時08分 / 提供:都市伝説探偵団
保護者が子どものことで担任教師と面談中、突然キレて暴力をふるう……最近、こうしたモンスターペアレントが新聞やテレビのニュースになることが増えている。もちろん昔からこういう保護者はいたけれど、絶対数は少なかったはず。なぜ今顕在化しているのか?
ある地方都市で小学校の教諭をしている久保田先生(仮名・33歳)は、自分の学級が壊れはしないかとはらはらしている。原因はひとりの児童とその両親だ。6年生のUくんは身長が160 センチ近くあり、体重も約60キロと大人なみ。問題は給食のとき。食欲旺盛なUくんは体力にものをいわせ他の児童の給食を横取りしてしまうことがある。給食が食べられなかった児童が久保田先生に訴えたため、先生はUくんに注意をした。すると、Uくんはそのことを両親に報告、怒った両親が学校にやってきて猛抗議をしたという。
「うちは毎月きちんと給食費を払っているから、子どもはお腹一杯になるまで食べる権利がある、そう言ってご両親が抗議にきました。確かにうちのクラスには給食費を払っていない児童がいるので、不公平感があったのかもしれないですね。もちろん給食費を払っていない児童がいるなんて一言もいってませんから、ご両親がそのことを知るはずはないんですけどね」と、久保田先生。
自分のことと子どものことしか考えない。周囲がどれほど迷惑をこうむろうとも意に介しない。自分さえよければ他人のことはどうでもいい。何を話してもすべて学校の責任にしてまったく反省しないモンスターペアレントと呼ばれる人たちは、とにかく理不尽で理屈が通用しないのが特徴だ。
今の子どもたちは家庭でおいしいものを食べてるから、給食なんてたいしたことはなく、問題は一人の児童の行動が全体に悪影響を及ぼすことだと久保田先生はいう。「子どもたちに我慢することや、他人との協調を教えなくてはならないのに、たった一人の児童のわがままで全部がぶち壊しになってしまうんです。それを両親が後押しするんですから、もうお手上げです」。
久保田先生は、クラスに問題が起きると話し合いで解決することを心掛けてきた。今まではそれでほとんどが解決したが、今度の問題ばかりはなかなか難しいという。久保田先生の姉、横山先生(仮名・43歳)は公立中学の数学教師をしている。教師生活20年のベテランだが、やはりモンスターペアレントには頭が痛いという。中学になると、暴力やいじめの問題が多くなり、放っておくわけにはいかないそうだ。
「私の学校は比較的おとなしい生徒が多くて、いじめとか暴力はほとんどないんです。それでも子ども同志たまにはケンカをしたり、取っ組み合いをすることはありますね。ただそういう場合でも陰湿ないじめとかではなくて、ただのケンカなんですよ。だから済んでしまえば当人同志あっけらかんとして、別に恨んだりはしてないんです。それを、問題化するのはたいてい保護者です。『うちの子がほっぺたに傷をつくって帰ってきた。学校でいじめにあったのか』ってえらい剣幕で電話してきて騒ぎを大きくするんです」。
こういう保護者にはいくら説明しても理解してもらうのは難しい、と先生はいう。ケンカをした生徒同志がもう仲直りしてるのに、教頭や校長に訴える。はては教育委員会にまで抗議するという。
こうした実例以外にもモンスターペアレントの非常識な抗議や“いちゃもん”は枚挙にいとまがない。「自分の子どもが注意されたのに逆上して、教師に猛抗議。朝昼夜おかまいなしに抗議の電話をかけつづけられ教師はノイローゼに」「自分の子どもの成績が落ちたのはあの子のせい、と特定の子どもの名を挙げ転向を強要する」「子ども同志のささいなケンカに親が介入。弁護士まで立てて徹底抗戦」……等々。
なぜ、今の30代、40代の親は子どものこととなると、かくもキレてしまうのか。ある説によると、1970年代後半から80年代にかけては全国の中学高校を校内暴力の嵐が吹き荒れていた。そのころ中高生だったモンスターペアレントにとって、生徒に対して対策が立てられない学校や教師は、尊敬すべき対象ではなく、むしろ見下げる対象であった。
どんなに理不尽な要求や苦情でも、教師側は真摯に受け止め解決を図らなければならない。その過程で心身に異常をきたす教師が出ても不思議ではない。中学の教師を止め、今は学習塾の講師をしている田辺さん(仮名・40歳)はいう。「そうじゃなくても教師は雑事に追われてますからね。その上で保護者の理不尽な要求や申し入れを片づけなければならない。本当に大変だと思います」。
「卒業式はうちの子にピアノを弾かせてほしい、なんていう親はまだかわいいほうです。うちの子は体が弱いから毎日先生に迎えにきてほしい、なんていう親もいる。社会性や一般常識というものが、今の親たちには欠けているような気がします。それにどんどんエスカレートしているようなところもあります」。
今、モンスターペアレントは中高校から小学校、幼稚園にまで広がっているという。中でも10年ほど前のコギャルブームのさなかに中学高校生活を送った、20代半ばから30代前半の母親のモンスターぶりはすさまじい。幼稚園の娘にピアスの穴をあけ、髪を茶色や金色に染める、大人顔負けのネイルアートを施す……。
こういう母親に育てられた子どもは、将来はどうなってしまうのか。そして、次々と理不尽な要求を学校に突きつける保護者たち。モンスターペアレントの増加は、決して都市伝説ではない。(取材/XIXOXナツコ)
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