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【よこ顔】フィルムに捨てられ、フィルムに救われた=テレシネ・キララの小野伸悦さん

2007年12月11日07時23分 / 提供:PJ

pj
【よこ顔】フィルムに捨てられ、フィルムに救われた=テレシネ・キララの小野伸悦さん
小野さんと映写機 (撮影 安居院 文男 横浜市港北区 11月15日) 写真一覧(4件)
16mmフィルムや、8mmフィルムに記録した家族の映画。映写機が使えなくなって、子供の運動会や演奏会の動画を、見ることができなくなっている人も多いのではないか。そのようなフィルムを、テープや、DVDに焼いて、今ある機械で見えるようにするのが、「テレシネ」だ。

 テレシネは、専用機を使うか、フィルム映写機で画像を写しながら、それをパソコンにとり、パソコンからDVDなどに記録する。古いフィルムは、カビが生えていたり、汚れていたりするので、準備作業が大変だ。テレシネ業者は大手もあれば、個人企業もある。いろいろな経歴を経て、テレシネを業としている小野伸悦さんに聞いた。

 小野さんは、東急東横線の大倉山駅の近くで、「キララ」というフォトショップを開いている。1963年に秋田県八森町に生まれた小野さんは、バスケットで名高い県立能代工業高校に入った。写真部で暗室ごもりの日々を送り、卒業後は上京して、水晶振動子の製造工場に入った。19歳のとき念願のカメラを買い、20歳で一眼レフに買い換え、写真にはまって師匠についた。その後、仕事のかたわら自転車で全国を廻(めぐ)ったりして、10年以上写真を撮りまくってきた。

 1998年、35歳のとき、17年勤めた会社を退職してフォトショップ「キララ」を開いたが、世の中はデジカメ時代に突入。2000年には、デジタルカメラが普及し、写真現像の商売はこのころからどんどん減ってきた。店の借り入れが返し終わって、商売が軌道に乗りかけたときに、写真業界が低迷し、問屋や、仲間が次々に撤退、閉店していった。一方、小野さんは、2005年には16ミリフィルムのテレシネに対応。古い8ミリ、16ミリ映写機を改造して、映写できるようにしていった。

 2006年末には、フィルムの現像件数が、月に30本を切るようになり、カラー写真現像プリントに使っていた1000万円以上したミニラボ機のメンテナンスができなくなってきた。規定の本数のフィルムを流さないと現像液が傷むからだ。2007年3月には、「やっとの思いで買ったミニラボ機を涙を呑んで処分したんです。悔しかったですね。同じころインターネットでテレシネホームページを開きました。子供のころから、ないものは自分で作る主義でしたので、テレシネの機械や、ホームページも手作りでした」と、小野さんは今だから笑えるという顔になった。

 フィルム写真にはまってショップを開いたが、デジカメ時代になり、ショップがつぶれそうになった。でも、自分で工夫するという癖があったおかげで「昔のフィルム動画に救われたようなもんです。今では、そこそこ持ち込みのご注文をいただくようになりました。最近も、近県の古い家の人が100本のフィルムを持ち込んで来て、なかを見ると、戦前と思われる貴重な映像が入っていました」。店頭には、いろいろな映写機がおかれていて、小野さんは、インターネットで、修理した映写機を売ることもあるという。

 大きなところは、納期もかかることが多いし、値段もそれなり。古いフィルムをもっていても、使える映写機がなくて、昔の映像が見えないという人は、一度試されたらどうだろうか。私もお願いしてみたが、小野さんの人柄と、品質は保証付きといっていい。【了】

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パブリック・ジャーナリスト 安居院 文男

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