藤沢ワールドで時代劇に開眼?
「夕凪の街 桜の国」(佐々部清監督)や「魍魎の匣」(原田眞人監督)の田中麗奈の主演作が12月8日発表された。原作は藤沢周平の短編時代小説「山桜」(新潮文庫刊「時雨みち」所収)。映画専門に活躍してきた田中にとっても初の時代劇となる。共演はTVドラマ「喰いタン」で人気も復活の東山紀之。メガホンをとるのは浅田次郎原作の「地下鉄(メトロ)に乗って」の篠原哲雄。山形ロケを中心に山桜が咲く今年4月から秋にかけて撮影された。

舞台は庄内藩をモデルにした海坂藩。「たそがれ清兵衛」「武士の一分」の原作者として知られる藤沢氏の小説の中でも珍しい、古式ゆかしい女性を主人公にした恋物語だ。前夫に死なれ、2度目の結婚相手にも疎んじられている野江(田中)は、ある日山桜に手を伸ばした時、自分を幼女の頃から温かく見守っていた剣士(東山)と再会する。絶望的だった人生に光明を見出す野江だったが、その男は、強欲な自分の夫と組んで悪政を計画する組頭を斬って出頭する。

脚本に惹かれたという田中は「封建社会の中で生きる江戸時代の女性の生き方に胸が熱くなり、喜び、怒り、悲しみ、戸惑い、さまざまな感情がこみ上げてきました」と語る。時代劇特有の所作や身ぶりに当初は苦労したようだが、「いつの間にか自然に動くようになりました。日本の伝統、文化、風景の美しさを再認識できた気がします」というコメントからも、田中の新境地を拓く映画になりそうな予感大だ。また、共演した東山も「映画を見終わった後、きっと温かな涙が流れ出てくるはず」と作品の仕上がりに手応えを感じている。

映画「山桜」は08年初夏公開予定。