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死刑制度の存続に疑問あり=死刑制度を考える

【PJ 2007年12月09日】− 法務省は今月7日、3人の死刑囚に対して刑を執行したことを発表し、併せて3人の氏名を公表した。私は基本的な立場として「死刑反対論」である。

 死刑の目的はよく「予防論」と「応報論」に大別される。予防論とは、犯罪を計画する者が死刑の恐怖から犯行を思いとどまることを期待する一方で、矯正不能な犯罪者を社会から排除する効果を狙ったもの。だが、死刑制度の存在と犯罪の抑止効果との因果関係については統計的な論拠に乏しい。

 応報論とは、人を死に追いやった者は自らの死で罪を償わせると言う考え方だ。つまり応報論を平たく言えば「国家による仇(あだ)討ちの代行」だ。被害者遺族に代わって国家が、第三者的かつ中立的な立場で仇討ちを行うわけだ。

 死刑制度に反対していると、存続を肯定する側から必ずこう反論される。
「もし、あなたの肉親が殺人の被害者になったら、それでも死刑に反対しますか」。

 例えば親が殺されたら、犯人を自分の手で殺したいほど憎むだろう。それは当然の感情であって、誰にも否定できない。しかしそれは死刑制度の賛否とは次元の異なる話であって、個人の感情と国家の制度を同列に比較したり語る事はできない。

 人の生命を奪う犯罪は当然に憎むべきであり相応の刑罰を課すべきだが、警察や検察が「犯人をつくる」という事案が現に存在する以上、単純に死刑存続を認めようという気にはならないのである。

・被害者の遺族に代わって国家が「仇討ち」をしても、遺族感情を和らげる事はできない。
・刑の執行に携わる刑務官は死刑囚に対して何の恨みも抱いていない。職務とはいえ人の生命を奪う際の精神的ストレスは計り知れない。
・冤罪の場合、取り返しのつかないことになる。

 以上の理由で、私は死刑制度に否定的な立場をとっている。

 では死刑を廃止して、殺人犯をのうのうと生き延びさせるのかという問いにも、私は「NO」と答える。

 矯正不能な犯罪者を社会から排除するのであれば、必ずしも生命を奪う必要はない。死刑に替わって終身刑を新設し、生涯を刑務所で過ごさせるだけでいい。犯罪者にとっては死ぬよりつらいだろう。生命こそ奪われないものの、決して「のうのうと生き延びる」のではない。

 ちなみによく誤解されがちだが「無期懲役」は「刑期を定めないで服役させる懲役刑」であって終身刑ではない。模範囚なら15〜20年ていどで仮釈放となる。

 先進国で死刑制度を設けているのは日本とアメリカ合衆国のみで、しかも世界的な潮流として死刑制度は廃止される傾向にある。【了】

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パブリック・ジャーナリスト 平藤 清刀【 大阪府 】
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