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近年、外国企業が「日本で上場したくない」と言うワケ

 日本の世界のなかでの存在感が年ごとに落ちていきつつある。外国企業も東証に上場してもメリットが少なくコストが高いので上場する必要がない。そこで撤退する外国企業が続出し、とうとう100社以上も減っていまや27社しか残っていないのだ。

■沈み続ける日本

 このところ日本の世界のなかでの存在感が年ごとに落ちていきつつあるのではないか、との懸念を強くしていたが、最近とてもショッキングな話を聞いた。将に懸念が現実のものになっていたのである。

 ご案内のようにいまやカネと情報の世界には国境も時差もなく、それこそボタンひとつで世界の何処の情報も手に入るし、カネも同様に世界の何処にでも飛んでいける。

 そのため各国とも情報インフラを整備したり、外資が居心地よく住みついてくれるように制度や税制で誘致しているのだが、日本だけはなぜかこうした世界の変化に背を向けている感が強い。

 かつての経済大国の残像だけが残っているのだろうが、いまや情報とカネを制することを考えなければ、モノ作りだけでは到底経済大国の再現は難しい。

 にもかかわらずまだ日本は金融がらみの政策はとかくマネーゲームと見做され、むしろいまの政策は外資排除、国内でも金融課税の強化に乗り出しているのだから、外国から見ると日本には近寄らない方がいいと感じるだろう。金融を制するためには欠かせないのが市場の整備であるが、その市場が外国勢から見放されつつあるのが何よりの好例である。

■「何も東証など行かなくてもいい」

 かつて東京証券取引所(東証)には外国企業が130社も上場していた。しかし英語ではダメとかで、必要な書類はすべて日本語に翻訳しなければ当局は受け付けてくれないのでコストが膨大にかかる。

 おまけに肝心のファイナンスをして資金を調達しようとしても日本の投資家の資金はさっぱり集まらない。加えて取引量も少ない。

 東証に上場してもメリットが少なくコストが高いのなら何も上場などする必要がない。そこで撤退する外国企業が続出し、とうとう100社以上も減っていまや27社しか残っていない。

 そこでやっと重い腰を上げて提出書類は英語でもいいとか、小手先きの変更をして外国企業の呼び込みに懸命になっているのだが、外国での反応は冷ややかなもの。

 証券界も日本の市場の活性化のために外国に出掛けては東証上場の勧誘に努めているのだが、その担当者が外国企業から浴びせられた言葉。それがもの凄くショッキングな一言だった。

「なぜ東証のようなローカル市場にわが社が上場しなければならないの。他にもシンガポールや香港、そのうち上海など規制が緩やかでしかも活気のある市場があるのだから、何も東証など行かなくてもいいのではないか」

と言われたのだそうだ。(次ページへ続く)


三原 淳雄[著]

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