mixiで「ゴキブリを揚げてた」と書いた日記で「大騒動」に

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   SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)最大手の「ミクシィ(mixi)」の日記で、ケンタッキーフライドチキン(KFC)の店員だった高校生が、店で「ゴキブリを揚げていた」などと書いていたことが、インターネット上で大きな騒動に発展している。KFCは事実を把握し対応を検討していたが、当の高校生と保護者・高校の副校長が同社に直接謝罪する事態にまで発展した。「冗談のつもり」で日記に書いたことが大きな事態を招く事例が相次いでいる。

「ゴキブリ揚げてたムービー撮ればよかった」

   騒動の発端となったのは、この高校生が2007年12月5日午前2時頃に書いた「テラ豚丼〜」と題した日記。

   吉野家のアルバイト店員が豚丼の具をこぼれ落ちるほど大量に盛りつけるという「メガ牛丼に対抗して、テラ豚丼をやってみた」と題した動画が、動画共有サイトにアップされ、ネット上で「騒動」に発展した事件を受けて書かれたものだと思われるが、今度はこの高校生が「テラ豚丼」騒動に匹敵する新たな「大騒動」を引き起こしてしまった。

   この日記では、この騒動について、

「おもしろすぎでしょ(絵文字)バイトしてればそんなことやっちゃうよねー ケン○ッキーでゴキブリ揚げてたムービー撮ればよかった」

   などと綴っていた。さらに、この高校生は07年10月7日にも、

「ってかね、ゴキブリって油で揚げてもなかなか死なないんだよー(絵文字)死んだかと思って出すと動きだすからね(絵文字)衣つけて圧力かけて揚げたら死んだけど(絵文字)実験協力:ケン○ッキー」

   などと書かれていたことから、「なんでMixiでこういうこと書いちゃうのかな」「お前みたいなの雇うチェーンにはいけないな」といった批判が日記のコメント欄に殺到した。さらに、この高校生にメッセージを送ったネットユーザーが、この高校生から「謝る?ばかじゃねぇの」とういう返信が来たことをネット上で「暴露」。批判が殺到したことからこの高校生は「ミクシイ」を退会したが、再びこの高校生が「ミクシィ」に入会したとの情報も飛び交い、反省の様子が伺えないとして、騒動は巨大掲示板「2ちゃんねる」や「ニコニコ動画」などにまで波及した。

「欠陥品をそのまま流している」と事実無根の記述

   日本ケンタッキーフライドチキン広報室によれば、高校生は07年10月まで実際にKFC店舗でアルバイト店員として勤務しており、KFCは12月5日に事態を把握、対応を検討していたという。しかし、同日の夜に、事態を重く見た高校生とその保護者、高校の教員がKFCに謝罪に訪れたという。KFC側も、高校生が「事実無根」と述べているほか、店の仕組みからしてゴキブリに衣つけて揚げるのは事実上不可能と考え、高校生が日記で書いたような事実はないと判断したという。

「(ゴキブリを揚げたというのは)事実無根で、友達同士の会話のように冗談で書いてしまったということです。我々としては、向こうも冗談だということですし、これ以上ことを荒立てる気はないです」

   J-CASTニュースに広報室担当者はこのように述べるが、企業へ与えたイメージダウンはそれほど小さいものだとも考えにくい。同社広報室は、「法的責任は追及しないのか」との問いに対しては、「そのような対応については検討中」としている。

   また、2007年12月6日にはこの高校生が通っている高校の副校長がKFCを謝罪しに訪れる。

   このような事態はKFCだけに限らないようだ。2007年12月1日には三洋電機製の携帯電話機種「INFOBAR 2」の製造過程で検査をしていた派遣社員が「ミクシィ」の日記上で、「機密情報漏洩します」としたうえで、

「携帯は機械でなく、人間の手で作られている為、かーんなり適当です」
「イヤホンとmicroSDのトコのビスが浮いてたから閉めてたら割れちゃった(絵文字)リーダーのさじ加減と●●の判断で・・・これまた(レーンに)流しちゃった(絵文字)カメラ内の毛ゴミ・・・携帯振ったら消えたから流しちゃったぁ」(編注:黒塗りはハンドルネーム)

   などと「欠陥品を製造工程でそのまま流している」といったことを書いたことからネット上で騒動に発展。三洋電機広報はJ-CASTニュースに対し、「製造過程でいくつもの検査があるほか、製品になってからも検査があるため欠陥品はない」とし、欠陥品が流通する可能性を完全否定しているが、この派遣社員については「本人は冗談のつもりで、こんなに広まるとは思っていなかったと述べていると聞いている」という。

   いずれの場合も、「冗談のつもり」で「ミクシィ」の日記に書いてしまったことが大ごとになってしまったという点では共通している。運営会社ミクシィの発表によれば、07年5月の時点で同サイトの会員数は1000万人を突破しており、これまで「閉じた空間」と思われていたSNSの日記でさえも、多くのネットユーザーの目に晒される可能性を持っている。

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