商品版FXが登場 「商品CFD取引」のしくみとは?

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 金や原油などのコモディティ市場に新たに登場した「商品CFD取引」をご存知だろうか?FXサービスの提供会社としても知られるイーストヒル ジャパン株式会社に、同社が提供する商品CFD取引のしくみとその特徴を聞いた。

価格上昇を続ける商品市場で新たな金融商品が本格的に参入
 一時は1バレル100ドルの大台に迫るなど、過去最高高値を記録した原油価格。ガソリン価格への影響は深刻で、いまや家計を逼迫するまでに至っている。8月には600ドル台だった金価格も11月下旬には800ドル台と、依然、右肩上がりの状況が続く、資源・貴金属といったコモディティ価格。バイオ燃料関連による穀物価格の上昇も記憶に新しいところ。中国やインドといったBRICs諸国や、それ追随するVISTAの次世代新興諸国の経済成長は、これらコモディティ価格をさらに押し上げる要因として世界中から注目されている。

 こういったコモディティ価格の高騰に伴い注目を浴びているのが、商品先物取引などに代表されるコモディティ市場だ。かつてはそのリスクや投機性の高さから敬遠されていた商品先物取引も、オンライン取引の普及に伴い身近な存在となり、実際に取引しているビジネスマンも少なくない。

 そんな中、コモディティ市場に新たな金融商品が登場した。それがコモディティ版FXともいえる、「CFD取引」だ。

注目のキーワード「CFD」とは?
 CFDとは「Contract for Difference」の略で、商品、金融証券、またはそれらを元に派生した金融商品などの取引における「差金決済」を指す。株式投資のように取引所が注文の取次ぎを行う取引所取引ではなく、投資家が取引する相手(取引会社)がそのまま取引相手となる、相対取引(非取引所取引)での決済となる。

 また、証拠金を用いる金融商品である点もCFDの特徴。投資家は一定の保証金を取引会社に預けることで、投資資金の何倍もの商品の売買ができる。いわゆる、「レバレッジ」を効かせた取引で、資金効率・投資効果の高い資産運用が可能だ。さらには、レートの上昇時に利益を取る「ロング(買いポジション)」だけではなく、下降局面でも利益を得られる「ショート(売りポジション)」から相場に入れるのも特徴のひとつ。相場の流れに関係なく、どのような局面でも利益を追求できる。加えてCFD取引でユニークなのは、商品によってはスワップ金利を得られること。……こういった特徴を総合しても、CFD取引がFX(外国為替証拠金取引)に似ているというのもうなづけるだろう。

イーストヒル ジャパンの取引ツール

取引時間、手数料、市場レート……商品先物取引と異なる点は?
 現在、CFD取引を本格的に扱っているのは、次世代取引システム「Horizon」でも知られる、FX取引会社の「イーストヒル ジャパン」。同社が提供するのは、金・銀・銅・原油を原資産とする「商品CFD取引」だ。こういった銘柄の売買を、自由度の高い市場で行なえる。


 しかしながらこの商品CFD取引、FXだけではなく、その仕組みは商品先物取引にも似ている。違いはどこにあるのだろうか。

 「商品先物の場合、取引時間は日中に限られていますが、商品CFD取引の場合、ほぼ24時間。お仕事から戻った後でも、じっくり取引が出来ます。また、商品先物の取引レートは日本市場で決まりますが、商品CFD取引では、金と銀はLOCO LONDONのレート、銅と原油はニューヨーク商品取引所と、世界基準のマーケット価格に連動しているので透明性が高く、値動きもスムーズです」(イーストヒル ジャパン株式会社 チーフアナリスト 陳満咲杜氏)


 取引手数料に関しても、金と銀だと無料(銅と原油は片道1000円)、これら2銘柄を売りポジションで保有すると、スワップ金利も発生する。よって、金や銀を相場の地合いによらずアクティブに取引したい、現物投資や相場の下げ時のヘッジに使いたいという場合には、非常に効果的な商品だといえるだろう。

売買の実際 〜原資産と為替レートの値動きで、レバレッジは刻一刻と変化〜
 それでは具体的に、商品CFD取引をどのように売買するのかを紹介しよう。

 前述したように、扱っているのは、金・銀・銅・原油の4種類。金と銀は現物相場(ロコ・ロンドン)、銅と原油は先物市場(NYMEX)に連動して価格は決まっている。なので金・銀については、現物価格をロールオーバー(ポジションの持ち越し)することで、半永久的にポジションを保有することが可能。対して銅と原油はそれぞれ決済期限(限月)が設定されているので、保有ポジションの損益に関係なく、限月に決済される。

 売買については、やはりFXをイメージすれば分かりやすいだろう。相場が値上がりすると思えばロング、値下がりすると思えばショートから入り、差損が出た時点で決済して、利益や損失を確定するといった仕組みだ。なお、売買するには取引単位(1枚)ごとに、一定の証拠金を預ける必要がある。FXの場合は、各通貨によって異なるが、商品CFD取引の場合、1枚につき一律30万円。この金額を証拠金にすることで、金なら100トロイオンス、銀なら1000トロイオンスの売買が出来る。ただしここで注意したのは、商品CFD取引の場合、現資産価格と為替レートの変化で、レバレッジが刻一刻と変わることだ。

 具体的には、次のようになる。


 また、1回の取引による損益は以下のようになる。基本的な公式は「レートの変動幅×取引単位×枚数×決済時の為替レート」だ。


 仮に金を1枚ロングポジションで買って、1週間で10ドル上昇、為替レート110円で決済したとすれば、11万円の利益。たった1週間で元手の3割以上の利益となる。ただし、反対に10ドルの差損が発生した場合は、証拠金から11万円引かれる。リターンとリスクが表裏一体にあることを忘れてはならない。

 なお、証拠金が30万円の25%未満=7万5000円になった時点で、ポジションは強制決済される。ただし、必要証拠金は保有銘柄のトータルで計算されるので、仮に金で損をしていても他の銘柄で差益を出していれば、マイナス分をカバーできる。

投資家保護のため、厳しいロスカットが
 商品CFD取引で注意すべき点は、金曜日の取引が終わった時点で、証拠金が1枚あたり30万円(必要証拠金額)に達していない場合でも、ポジションが決済されてしまうこと。つまり、1円でも差損が出ているとロスカットされてしまう。

 「やや厳しいかもしれませんが、これは投資家保護の観点からの措置です。商品市場の値動きは激しく、取引が止まる土日に何が起きるか分かりません。金曜日の時点で差損があり、さらに週明けに暴落して必要証拠金を割り込む危険性は高く、そういった事態を防ぐためにも、金曜日の取引が終わるまでに、証拠金維持率を100%にしていただきます。商品CFD取引で重要なのは、変動し続けるレバレッジではなく、現在の証拠金維持率は何%なのか、つねに把握しておくことです。必要証拠金分で取引するのではなく、十分な資金を口座に入れておけば、差損分は自動的に補填されるので、強制ロスカットされる危険はありません。あくまでも必要証拠金は最低限の金額。余裕を持って、1枚の取引あたり100万円程度の資金を用意することをお勧めします」

 FXや商品先物取引、株の信用取引と同じく、ハイリスク・ハイリターンなのも特徴。必ず余裕資金内で、余裕のある取引を心がけたい。

多彩な注文方法で、リスクを抑えた取引が可能
 取引をするには、イーストヒル ジャパンで口座を開設して、専用のソフトを利用したオンライン取引をすることになる。注文方法は「成行」「指値」はもちろん、「逆指値」や「OCO」など、多彩な注文方法を指定できる。もちろん、新規注文〜決済注文まで一度でできる、「IFD注文」だって可能だ。 これら、多彩な注文機能を利用して、損切りを徹底するなど、リスクをコントロールした取引を実践するのもポイントだ。日中、相場に張り付けないサラリーマンならとくにだ。なお、イーストヒル ジャパンでは、商品CFD取引のデモトレードも用意。実際の取引さながら銘柄の売買が出来るので、事前にトライしておくことをお勧めする。

 最後に、前出の陳氏は次のようにアドバイスする。

 「例えば金なら、将来的に1000ドルオーバーもあると思いますが、きれいに上昇を描くとは限りません。乱高下を繰り返しながら上昇していくので、その点に注意して、相場に振り回されずに取り組んでください」

 これまでの投資に加え、商品CFDもポートフォリオに加える余地はあるのでは? 経済のグローバル化に従い、分散投資が効果的なリスクヘッジになるのは事実。その特徴を理解して、うまく活用したい。


大正谷 成晴[著]

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