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【有馬記念】いよいよ迫る、名優の「幕引き」

【有馬記念】いよいよ迫る、名優の「幕引き」

ダイワメジャー

上原厩舎 牡6歳
父サンデーサイレンス 母スカーレットブーケ
通算成績26戦9勝、海外1戦0勝 獲得賞金10億1172万円
主な勝ち鞍:07年マイルCS、07年安田記念、06年マイルCS、06年天皇賞(秋)、04年皐月賞


 ダイワメジャーが皐月賞を勝ったのは04年。全姉ダイワルージュで01年の桜花賞を逃した上原博之厩舎にとっては、これが初めてとなるGIのタイトルだった。10番人気という低評価をくつがえしての勝利。勝ちタイムが1分58秒6ときわめて優秀だったこともあり、この馬の前途は開けていると、誰もがそう思ったクラシック制覇だった。

 しかし、その後のメジャーは、栄えあるクラシックホースとしては考えられないような苦難の道を歩むことになる。日本ダービー6着、オールカマー9着、天皇賞(秋)17着……。ノド鳴りの症状が出ていたのである。

 ノド鳴り、つまり喘鳴症(ぜんめいしょう)は、気道の一部が狭くなる症状で、運動時に呼吸がしづらくなり、そのことで競走能力が減退するという、非常に困難な疾病だ。
 手術という手段はあるものの、成功するか否かは五分五分の確率。父サンデーサイレンス、母スカーレットブーケという良質な血統背景からも、一時はそのまま引退、種牡馬入りするプランもあった。だが、最終的に陣営は、成功の五分に懸けた。04年11月19日、メジャーは社台ホースクリニックで手術を受けることになる。

 手術後、厩舎に戻ってきたメジャーをむかえた大場保厩務員は、その時の気持ちをこう述べる。
「帰ってくるまでは、そんなに気に病んでいませんでした。手術は、僕らがすることじゃありませんからね。それよりも、帰ってからのほうが不安でした。手術が成功したかどうかっていうのは、レースを走ってみないと分かりませんから」
 だが、それは大場厩務員の老婆心にすぎなかった。手術明け初戦のダービー卿CT(05年)で、メジャーは約半年ぶりのレースにもかかわらず、1分32秒3という好タイムで快勝、見事に復帰戦を飾ってみせたのである。

 その後のメジャーは、06年の天皇賞(秋)、マイルCS、そして07年の安田記念、連覇となったマイルCSと、GI4勝。ノド鳴りの手術をした馬としては、奇跡的ともいえる成績を収めた。

 困難な疾病を乗り越え、GI5勝馬となったメジャー。6歳の年を終えるにあたって、陣営からは有馬記念を最後に引退させるという発表があった。
 栄光から一転、苦難を味わい、そこからまたはい上がって極めた頂点。波瀾万丈の競走馬生活も、いよいよここで終幕。この不世出の名馬がどんな幕引きをするか。ダイワスカーレットとの兄姉対決はもとより、一番はそこに注目したいラストランである。

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