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体験学習で、地球環境を考える=東京・紙の博物館(中)

体験学習で、地球環境を考える=東京・紙の博物館(中)
「紙の博物館」の『紙すき教室』は人気が高い。地元・北区の原さんは、「一家で、親も子も楽しめました」と語ってくれた。(撮影:穂高健一、11月18日) 写真一覧(5件)
【PJ 2007年12月02日】− (上)からのつづき。東京・北区の財団法人「紙の博物館」の『紙すき教室』は人気だ。週末には大勢の体験希望者が入館していた。塩入淳夫館長も自ら紙すき体験の手伝いをする。

 館長から話を聞くことができた。来館者の質問の多くは紙のリサイクル、和紙の原料、紙の歴史、この3つが多いという。「紙は地球環境に密接にかかわりあいます。古紙回収率は70パーセント強。62パーセントが再生されます。紙すき教室の体験を通して、紙のリサイクルの高さと重要性を認識していただいています」と話す。

 同館は小学生の社会科見学、中学生の体験学習、修学旅行できた生徒がグループ見学、それに一般の入館者と幅広い。解説パネルとパソコンのみだと無味乾燥で、見落としや素通りが多い。同館では製紙関連会社OBが展示物の解説をサポートしてくれる。(無料)。

 11月18日は東京・駒澤大学3年生の約200人が、「社会科総合学習」の教職実習カリキュラムのひとつで来館していた。見学ルートでは、熱心に聞き入る。「パルプ液の濃度は?」と学生から質問が出る。何パーセントだと思いますか、と職員がまず考えさせておいてから、「繊維は0.3から0.5パーセント。99パーセント以上が水分です。繊維の濃度が高いと、厚くてデコボコの紙になります。外国の紙の大半がそんな感じです。日本は『透けて見える』ほど薄くて軽くて、丈夫なものが作れます」と説明する。

 「トイレットペーパーは、便器に流せるが、ティッシュは流せない。その理由はわかりますか」と職員のほうから質問する。学生の多くは首をかしげる。
「トイレットペーパーは紙の繊維と水のみで接着しています。ティッシュはデンプンの接着剤や合成糊を使うから、長時間おいても溶けないのです。溶けないものはトイレに流すと困りますね」と説明する。大学生たちは『トイレでは、備え付けの紙以外は流さないでください』という表示が理解できたという。

 製紙会社に勤務したOBだけに、素朴な質問から専門的な質問まで、懇切丁寧にわかりやすく教えている。

 見学コースで、大学生から感想を聞くことができた。中村翠子(みどりこ)さんは、「小学生でもわかりやすいし、大人でも面白い。私が教師になったら、自分の生徒をこの紙の博物館で見せたいし、紙すき教室を体験させたい」と語る。

 中村さんは4階企画展示場の金泥書法(きんでいしょほう)に興味をもったという。一般の書道は白い半紙に墨で書く。金泥書は金粉を膠液(にかわえき)で練り、紫紙(しし)や紺紙(こんし)に筆写したものだ。天平時代の金泥書が、千年以上を経っても、輝きを保つ。「以前から、手法を知っていました。きょう実物を見、ビデオで実演が確認できました。私もやってみたい」と話す。(企画展はすでに終了。常設展示はしていない)

 植村将大(まさひろ)さんは、「紙すき教室では、紙はこうやって作るんだと、基本から学べました。体験してみて、紙作りがからだで覚えられる、素晴らしいコーナーです」と絶賛する。「私は歴史が好きです。実物の『当座帳』と徳川8代将軍の『吉宗の黒印状』が見られたのが感動です。文化財があるとは予想していませんでしたから」と語る。

 第2展示室のクイズコーナーでは、母子連れが何問正解だったと、楽しみながら紙の歴史を学んでいる光景があった。親子して生涯学習ができる博物館だ。【了】

■関連情報
紙の博物館 JR王子駅南口から徒歩5分
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜・祝日の代休・年末年始
入館料:一般300円、小・中・高100円

記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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