サラリーマンのボーナスはどこへ行くのか(写真はイメージ)

   米国のサブプライム住宅ローンの焦げ付き問題に端を発する株式や為替相場の混乱で、ボーナス資金の「行き場」がなくなってきている。個人に身近になってきた投資信託や外貨預金といった投資商品の売れ行きは鈍化し、「投信を求める来店客は減っています」(みずほ銀行)という。

   そういったなかで迎える冬のボーナスシーズン。この冬の平均支給額は89万円(日本経団連調べ)だそうだが、多い人も少ない人とも、「もうちょっと殖やしたい」と思っているに違いない。本格的な冬のボーナスシーズンの到来で、メガバンクもボーナス資金の獲得競争に突入する。いったいどこに投資すればいいのだろう。

「このような時機こそ変動金利型定期預金」とみずほ銀行

   三菱東京UFJ銀行は2007年12月3日から、「ディズニーキャラクター・イヤープレート・プレゼント・キャンペーン」を展開する(08年1月31日まで)。円定期預金と投資信託あるいは外貨預金(いずれも最低預入金額50万円から)のセット商品と、預入金額が30万円以上の外貨預金を利用した人にイヤープレートを贈る。「毎年好評で、なかにはプレートを楽しみに集めているお客様もいる」(広報部)ので、例年どおり、その期待に応えるという。

   みずほ銀行のいち押しは「変動金利型定期預金」(預け入れ期間3年)だ。相場が読めないときこそ預金の出番。それでも、少しでも有利な金利で運用したいというニーズもあって、預け入れ後(6か月ごと)に金利(6か月もの固定金利定期預金の金利+スプレッド)の見直しがある、この商品を推していく。

   三井住友銀行は現在展開中の「投資信託はじめてキャンペーン」(12月28日まで)に注力。「最近はお客様の運用への考え方を聞きながら、商品を薦めていく販売スタイルになっている」ので、売りたい商品というよりも「商品ラインナップを充実させることが大事」(広報部)と話す。りそな銀行も「お客様のニーズにあった商品を案内させていただきます」としている。

   株価が好調であれば、銀行も自信をもって「投信」といえるのかもしれないし、また金融商品取引法が施行されたこともあって、なかなか「これ!」とは言えないようだ。

いち押し商品はインデックスファンド 円安期待で外貨預金も

   「住宅・教育・老後のお金に強くなる」の著者でフィナンシャルプランナーの浅田里花さんは、「安定運用を考えるのであれば、定期預金でも金利の高いネット銀行がお得。リスク商品ばかり増えると今後の生活設計に支障が出ることもあるので、安定運用は必要です」と話す。安定志向ならば、「個人向け国債」という手もある。

   外貨預金も今後円安が期待できるとみるのであれば、買いごろかも。「いまのマーケットの動きはプロでも読みきれないほど動きが激しいので、期間にしばられない外貨建てMMFがお勧めです。分配金の再投資で元本が増えていくので、短期的な円高円安にとらわれず、長期保有することも考えてほしいですね。また、外貨投資は為替手数料が安いかどうかも要チェックです」という。

   たとえば、ソニー銀行の外貨預金は、既存の銀行(片道1円)よりも為替手数料が安いが、ボーナス時のキャンペーンでさらに安くなっており、米ドル、ユーロは片道10銭で取引できる。メガバンクでも三井住友銀行がインターネット・モバイルバンキングで外貨預金をはじめると為替手数料を優遇するキャンペーン(08年3月31日まで)を展開中だ。

   投資信託では、株価指標などに連動する「インデックスファンド」。なかでも上場投資信託(ETF)は株式と同じように市場の動きを見ながら投資でき、また信託報酬が安いのでコストを抑えて投資できる。

   もちろんボーナス資金といえども、投資商品にまわすのであれば生活資金を除く、中長期的に寝かしておいても大丈夫な余裕資金であることが大前提だ。金融消費者問題研究所の楠本くに代さんは、「最近は仕組み預金など商品も多様化していて、銀行の販売する金融商品は多いところで100近くあります。金商法が施行されて販売方法は随分改善されていますが、それでも投資商品を買うときは自分で3つ、4つ商品をしぼって、よく調べてから出向かないと、銀行の薦めるがままになってしまいます」と、購入時の心得を話す。

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