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【週刊・上杉隆】外国人指紋採取は安全のための必要悪なのか

2007年11月21日11時07分 / 提供:ダイヤモンド・オンライン

ダイヤモンド・オンライン

 今週、長く信じられてきた「日本文化」のひとつが消滅したのかもしれない。

〈水と安全は無料(タダ)〉。

 かつて、と言ってもそれほど遠くない昔、日本において、この言葉の意味を疑う者は皆無であった。

 海外ではミネラルウォーターというものが流通し、人々はお金を払って水を買っている――。

 そう聞いても、大抵の日本人はそれを別世界の出来事か、あるいは、気の毒な笑い話の一種にすぎないと受け止めていた。

 無理もない。有料のお茶ですら考えられなかった時代だ。最初にウーロン茶が日本に上陸したとき、いったい誰が「お茶」にお金を払うのか、と真剣な議論になったほどだ。

 だが、ほどなくして有料の日本茶が登場し、ついには遠い外国だけの話だと信じられていた飲料水としてのミネラルウォーターの販売も始まる。いまや首都圏では井戸水や水道水を飲用する方が少数とさえなっている。

 こうして〈水〉は有料となったが、それでもまだ〈安全〉に関しては、日本だけは特別な国だと信じられてきた。

 きょう(11月20日)から、来日する外国人の入国に際して、指紋採取と顔写真撮影が義務付けられる。出入国管理・難民認定法の改正によるものだが、これについては個人的に考えさせられることがある。

「友人の友人がアルカイダなんです。彼は日本にも2回、3回と来ているんです」

 日本外国特派員協会の講演でこう述べた鳩山邦夫法相だが、残念ながら、その発言自体はほぼ事実である。一見すると妄言にも聞こえる鳩山法相の言葉だが、よく考えてみると、かつて「スパイ天国」とも呼ばれた日本は、テロリストの活動しやすい国のひとつでもあった。

 2003年、ドイツで拘束されたフランス人のアルカイダ幹部のリオネル・デュモンは、それまでに何度も日本に入国し、新潟県などに滞在していたことが分かっている。しかも、そのデュモンは、新幹線などの写真を所持し、日本でなんらかのテロの準備をしていた可能性をも疑われている。

 今回の法律改正には、そうしたテロリストの入国を水際で防ぐという大義がある。

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