富士経済、生活習慣病予防など効能・効果18分野の健康志向食品市場調査、07年の売上は1兆2668億円に
2007年11月20日11時05分 / 提供:マイライフ手帳@ニュース
富士経済は、8月〜10月にかけて、健康・美容に良いというコンセプトの健康美容食品(H・Bフーズ)のうち、健康志向食品の「明らか食品」と「ドリンク類」を18の効能・効果面から整理し、各分野の動向を実査、分析した。その結果、健康志向食品市場は、04年のブームを超えて、07年の売り上げは1兆2668億円(06年比104.4%)に達する見通しなどの点が明らかになった。なお報告書では、効能より味覚を重視する健康志向食品「明らか食品」と「ドリンク類」、それにこの分野で許可された特定保健用食品も加えて報告書「H・Bフーズマーケティング便覧2008」(No.1)にまとめている。
機能志向食品分野においては、アガリクスなど健康食品の安全性に懸念が指摘されて素材イメージが低下し、流通側が取り扱いを見合わせ、さらには健康食品そのものを疑問視する流れに発展したことが、06年の伸び悩み要因になった。そして、これを機に、データの裏づけがあり、ヘルスクレーム(健康強調)を訴求することが可能な特定保健用食品が見直されたことが07年の拡大要因の1つといえると分析する。
08年から40才以上を対象とした特定健康診断の義務化がスタートし、メタボリックシンドローム予備軍、生活習慣病予備軍と診断された層に特定保健指導も義務付けられる。これにともなって、生活者の生活習慣病予防に対する関心が否応なく高まることが予想され、健康に対する意識、食生活改善に対する意識が高まれば、生活習慣病予防、ダイエット、栄養バランス、整腸効果などの効能をもつ食品がH・Bフーズ市場を後押しする可能性は高いと指摘する。ただ、明らか食品・ドリンク類の健康志向食品は、日常の食生活、食シーンで活用されるだけに需要が嗜好に左右されることは否めず、ヒット商品が登場しても一時的なブームに終わることが多く、リピート需要定着が各社共通の課題であるとの見解を示す。
健康志向食品の08年主要効能別規模予測として、トップは、整腸効果で、2779億円(06年比4.5%増)、次いで、生活習慣病予防1695億円(同11.1%増)、マルチバランス1513億円(同3.1%増)、滋養・強壮1132億円(同0.6%増)、骨強化1051億円(同2.3%減)、栄養バランス900億円(同20.1%増)、美肌効果836億円(同4.5%増)、ダイエット758億円(同9.9%増)と続く。
06年から2年間の最大の伸びは、肝機能改善(143億円)が59.8%増と予測され、貧血改善・予防(110億円)27.9%増、栄養バランス(900億円)20.0%増となる見通しだ。生活者が、食生活を通じて健康を維持・改善する意識を高めていく傾向がみられる。
明らか食品とドリンク類の動向として、08年予測で、明らか食品分野は、5369億円(前年比101.3%)と拡大。一方、ドリンク類は、7350億円(同99.8%)に縮小するとしている。
08年に向けて、明らか食品ではダイエットと生活習慣病予防分野が伸びて拡大に貢献すると予測。ダイエットは、新奇性の高い商品の導入が続くことが要因だが、若年女性から、男性や中高年層向けの需要開拓が期待されるという。一方では、多様な商品展開によって、狭義のダイエットから生活習慣病予防、栄養バランスへと需要が拡散する傾向もみられるとの見解を示す。
ドリンク類は、滋養・強壮、マルチバランスなどの効能分野で市場が縮小すると予測。食系ドリンク中心の市場は、07年、オロナミンCの大塚製薬、デカビタCのサントリーの実績回復が見込まれるが、苦戦続きの食系ドリンクも多く08年は再びマイナスに転じる可能性が高い。
生活習慣病予防分野は、2008年が1695億円を予測。06年から2年間で11%の拡大となる。
生活習慣病には、高血圧/糖尿病/高脂血症/動脈硬化などがある。このリスクを低減する高血圧予防/血糖値改善/コレステロール値改善/中性脂肪抑制などの効能を訴求した特定保健用食品が主対象。さらに、不飽和脂肪酸(EPA/DHA/γ-リノレン酸/レシチン)やイチョウ葉エキス配合食品、コエンザイムQ10や黒酢・香醋、もろみ酢も対象とする。
明らか食品では、花王「エコナ」が07年264億円で明らか食品市場の43%を占めると見込まれ、ドリンク類では、サントリー「黒烏龍茶、胡麻麦茶」が同じく384億円で、ドリンク類市場の37%を占めると見込まれる。
花王の「エコナ」によって新たに創出された健康油カテゴリーを始め、マヨネーズタイプ調味料など日常の食生活に密着した商品の投入によって需要層の裾野が広がる一方で、ドリンク類でも03年の花王「ヘルシア緑茶」の登場を皮切りにした、高濃度茶カテキン含有飲料の相次ぐ商品投入によってさらに需要拡大が図られた。また、同時期に従来は伝統食品的な位置づけであった黒酢やもろみ酢の効能が各種メディアに取り上げられ、注目が一気に高まった。こうして、04年に生活習慣病予防分野はほぼ2200億円に達したという。
しかし05年以降、高濃度茶カテキン含有飲料は大幅に実績を落とし、06年発売のサントリー「黒烏龍茶」がヒット商品となるなど、茶系飲料市場は激しく変動を重ねた。07年はサントリー「黒烏龍茶」「胡麻麦茶」などドリンク類の寄与によって生活習慣病予防分野は前年比8.7%増となったものの、安定したリピートユーザーを確保できるかどうかは不透明となっている。
08年から40才以上を対象に特定健康診断/特定保健指導がスタートすると、メタボリックシンドロームへの関心は従来以上に高まることが予想され、生活習慣病予防の需要は拡大が続くと予測される。ただし、ドリンク類では清涼飲料全般での競合が激しいこと、調味料類など明らか食品では一般食品との大きな価格差が安定した需要を確保するうえでネックになると考えられ、継続的な利用を促すために商品価値や機能を浸透させ、価格に見合う差別化を図っていくことが今後の課題となると分析する。
生活習慣病予防分野の特定保健用食品は、2008年が1340億円に達すると予測する(06年比28.2%増)。
07年の茶系飲料市場はサントリーの活発な商品投入を受けて再び活性化し、前年を上回る実績推移となっており、この分野の特定保健用食品は1300億円弱の市場規模となる見込みだ。08年も引き続きサントリーの「黒烏龍茶」「胡麻麦茶」は実績を伸ばすと予測。市場は、健康油カテゴリーを創出した「健康エコナ」と爆発的ブームによって一気に販売規模を拡大した茶系飲料の「ヘルシア」を擁する花王が05年では50%程度のシェアを占めていた。07年には、サントリーが花王を急追して両社がほぼ拮抗する形で2社合わせて60%近くのシェアに達すると見込まれる。
整腸効果食品では、2008年が2779億円に達すると予測。06年から2年間で4.5%の拡大になるという。
整腸効果が期待される乳製品を中心に、食物繊維、オリゴ糖、プルーン、アロエで整腸効果を訴求している明らか食品、ドリンク類を対象とする。
07年の明らか食品は、明治「ブルガリアヨーグルト」276億円、森永「アロエヨーグルト」250億円の2社でこの市場のシェア37%を占める見込みであり、またドリンク類では、ヤクルト本社「ヤクルト400/65」351億円、FLPジャパン「アロエベラジュース」160億円と2社で38%を占めると見込まれる。
この市場はヨーグルトが主体で、ヨーグルトがメディアで再び話題となった05年には前年比4.2%増と好調に伸びた。プレーンヨーグルトを中心に新たな食シーンの提案による需要拡大も手伝って、06年にかけても増加した。07年は、06年発売のカゴメ「植物性乳酸菌ラブレ」のヒットや上位ブランドの実績が好調で、市場トータルでは前年比3.9%増と好調な伸び率で推移する見通しだ。
市場は、乳酸菌類ですでに需要開拓が一巡しているため、今後は大幅な増加は期待しにくいが、カゴメ「植物性乳酸菌類ラブレ」のヒットのように市場を活性化する新商品がシェアを高める余地は残っている。今後も需要層の幅を広げるような利用シーン開拓型商品の投入が期待される。
乳酸菌類だけではなく市場全体を通して、商品や商品に含有される機能、成分が多様化しており、特定保健用食品としてのヘルスクレーム(健康強調)表示が競合激化の環境下で差別化に直結しない部分もあり、市場の伸長率が鈍化する可能性もあるという。
整腸効果分野の特定保健用食品では、2008年が1785億円に達すると予測する(06年比0.6%増)。
ヤクルト本社は、主要ブランドのほとんどが特定保健用食品の対象となり、07年は「ヤクルト」ブランドが増加していることや07年に特定保健用食品「ビフィーネ」の実績が加わることによって、07年トータルではシェア36.2%と大幅に増加する見込み。明治乳業は「ブルガリアヨーグルト」によるブランド力の高さと事業規模拡大を目指したヨーグルト類に力を注ぐ展開からプレーンヨーグルトは安定した実績だが、ドリンクヨーグルトの減少によって、特定保健用食品トータルでも減少する見込みだという。
森永乳業の特定保健用食品は、「ビヒダスヨーグルト」「カルダス」の2品目がいずれも安定した販売実績を維持している。この3社で、08年には整腸効果の特保市場で80%を占めると予測する。
富士経済では07年8月〜08年2月にかけて、健康美容食品(H・Bフーズ)の市場全体を今回報告した健康志向食品(06年見込で全体の約66%)と機能志向食品に分けて調査しており、味覚より効能・効果を重視する機能志向食品「健康食品」と「シリーズサプリメント」は改めてその結果を報告するとのこと。
[調査の概要]
健康美容食品(H・Bフーズ)の定義:
健康美容食品(H・Bフーズ)は、健康(Health)の維持増進・回復の目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品および期待されるイメージをもつ食品。また、法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いのものは対象としない。
健康美容食品(H・Bフーズ)の分類:
全体を、健康志向食品と機能志向食品の2つに分野に分けて、健康志向食品では、機能よりも味覚を重視した商品を、機能志向食品では、味覚より機能を重視した商品を集計。さらにこの2分野を以下のように4つに区分した。
(1)健康志向食品
明らか食品:一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象。
ドリンク類:明らか食品のうち、飲料分野に属するものは、医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために、本資料では食系ドリンクと呼称するものを対象。
なお、特定保健用食品については、その食品を含む効能分野ごとに分析を行った。
(2)機能志向食品(現在調査を実施中)
健康食品:日本健康・栄養食品協会で定めるJHFA規格品に、規格外の健康食品でも違法性が明らかな成分を使用していないものも加える。
シリーズサプリメント:健康食品のうち、単品の中心価格帯が2000円以下で、ビタミン・ミネラル類を中心にアイテムを各種取り揃えた健康食品(剤型は医薬品形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称する。
[販売価格]
A4判 263頁:10万5000円(税込)
●報告書 「H・Bフーズマーケティング便覧2008」(No.1)の目次[PDF]
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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