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【コラム】スピードの限界を味わった馬は…

【コラム】スピードの限界を味わった馬は…
1頭、そしてまた1頭と、GIの舞台に立つことすら叶わず上位馬が脱落した秋華賞組だが…。 写真一覧(2件)
 一昔前であれば、着順表示板の一番下、3ハロンのタイムに33秒台が表示されれば、レース後は厩舎の人間が顔色を変えて愛馬の元に駆け寄ったものである。

「熱は持っていないか?」
「痛がるそぶりは見せていないか?」

 あの細い4本の脚で、500キロの馬体を支えるサラブレッド。高いスピード能力を持つ馬ほど、そのスピードに体が耐えられないというのが競走馬を扱う上でのジレンマである。今、種牡馬として活躍しているアグネスタキオンが、かつて自らのスピードが原因で屈腱炎を発症し引退に追い込まれた時、

「競走馬がこれ以上速く走れるようになっていいものだろうか?」

 と本気で思ったものだ。
 それがいつからか、33秒台の末脚が特別なものではなくなってしまった。今は下級条件の馬でも涼しい顔で33秒台をマークする時代。それでも、速い上がりの競馬による脚元への疲労は蓄積され、なおかつ取れにくいという現場の声に変わりはない。

 先行して常に33秒の脚を使えるダイワスカーレット。外回りだろうと、距離が1ハロン延びようと同じ脚が使える馬なのなら、勝てる馬など存在しない。そのダイワと双璧をなすウオッカも、ひと叩きして馬体の張りが一変している。

 ただしこの2頭が出走した秋華賞が曲者だ。ラスト3ハロン33秒9という究極の瞬発力勝負。その舞台が直線わずか328mの京都内回りコースということは、残り3〜2ハロンの11秒3−11秒1というスプリント級のラップは、坂の下りでつけられた勢いそのまま4コーナーを回り、計時されたタイムということ。
 内ラチ沿いを急角度で回ったダイワも、脚が曲がりそうな勢いで大外を回したウオッカも、見れば見るほど痛々しく思えてしまう。上位6着までの出走馬のうち、ダイワ、ウオッカを除く4頭は回避、もしくは秋の全休を強いられた秋華賞というレース。最も過酷な競馬をしたのはベッラレイアになるだろうか。それでは2番目は…。

 最終追い切りで見せた拍子抜けするほどの『軽さ』が現在の本当の状態を物語っているのかもしれない。
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