31日に行われたセリエA第10節、インテルはジェノアを4対1で下し、ホーム「サン・シーロ」での連続得点試合記録を「43」に伸ばした。最後のホーム無得点試合は、2004-05年シーズンにまでさかのぼる。FWスアゾも待望の初ゴールを奪い、ユベントスとの次節「イタリア・ダービー」へ向けてチーム・ムードのピーキングは完璧だ。

「ローマの方が今後の日程で有利? インテルがユーベ、フィオレンティーナ、ミラン相手に勝点を失うとでも?」と指揮官マンチーニが自信をのぞかせれば、モラッティ・オーナーは「ユーベとの決戦は、彼らの方が意識せざるをえないだろう。われわれにとっては、勝点3(を獲るため)の試合だ」とこちらも余裕を見せる。

 一方、ユーベのラニエリ監督はエンポリ戦でFWトレセゲのハットトリックの他に、MFティアゴの復調という解答を引き出した。
「われわれは、考えうる限り最高のコンディションにあるインテルと対峙することになりそうだ。彼らは実際2チーム抱えているも同然。だが、リーグ戦の火を消さないためにもインテルを破りたい」
 勝点4差の3位につけてはいるが、インテルとの戦力差はあまりに巨大すぎる。それを熟知する指揮官は挑戦者としての姿勢で臨まざるをえない。

「王者」インテルと「挑戦者」ユベントス。わずか数年前と比べて、両者の立場は完全に逆転した。発言内容を見てみても、勝利の経験とはかくも人間とクラブを変えるものなのか。日曜の「イタリア・ダービー」は今までとはちがった趣きを見せてくれそうだ。