守屋前防衛事務次官の問題で、政府が守屋氏に、給与と退職金の一部について自主返納を求める方針を決めたという報道が、少し前の新聞に載っていた。

 確かにゴルフ接待を200回以上も受ける神経は度し難く、懲戒に相当する不祥事とは思うので、自主返納を求めること自体は理解できる。しかし、そもそも自主返納という形式であることがおかしいのではないだろうか。

 現行の仕組みでは自主返納しか無理だというのなら、規定を一から作り直したほうがよい。一旦払った退職金は絶対に取り返せないという今の制度は、明らかに公務員法の不備であろう。

 守屋氏に返納を求めた今回のケースは、確かに納得できないこともないが、世間から批判を浴びたから返納を求めるというのは、いかがかと思う。その時の世論のムードや政治家の気分によって、公務員の経済的条件が左右されるのは、中立忠誠を求める公務員法の精神にも反する。やはりこの際、懲戒規定をしっかりと作って、何年でも遡って懲戒を適用できるように法改正すべきだろう。

 規定の不備を正すことは、罰則を厳しくする方向でも必要であるし、公務員の権利を守るという意味でも必要である。

 また先日、夕刊紙に「守屋、生涯賃金5億円」という見出しが躍っていた。守屋氏が公務員として支給を受けた生涯給与・賞与の合計が5億円ほどになるらしい。ちなみに記事によると、退官前までの事務次官の月給は136万8000円、ボーナスが年間651万5000円、年間給与が2293万5000円ということだ。

 果たして公務員の5億円の生涯賃金は、高いのか安いのか。

 まあまあ出世した大企業のサラリーマンと比較すると、それほどは高くはない。仮に、30歳で年収1000万円、35歳で1500万円、40歳以降60歳まで毎年2000万円稼いだサラリーマンの生涯賃金は30歳以降で5億2500万円になる。その程度の額は、大手商社で順調に出世したり、テレビ局のキー局に勤めていれば、そう難しくなく確保される。そう考えると、公務員として出世のトップを走ってきてこれくらいなら、そう高くもないのかとも思える。

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