亀田一家に埋もれた放送事業の番人BPOの不祥事(上)
2007年10月31日16時20分 / 提供:PJ
関西テレビの「発掘!あるある大事典」の番組捏造やTBSの「みのもんたの朝ズバッ!」の不二家問題でにわかに脚光を浴びた「BPO(放送倫理・番組向上機構)」の「放送と青少年に関する委員会」の斎藤次郎副委員長が大麻取締法違反で9月21日に現行犯逮捕、10月1日にさいたま地検により同法違反で起訴された。
BPO機構規約の第一章第三条で、同機構の「目的」は「放送事業の公共性と社会的影響の重大性に鑑(かんが)み、言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、独立した第三者の立場から迅速・的確に対応し、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的とする」と謳(うた)われている。
本年3月8日、BPOは冒頭の捏造問題を契機に「放送番組委員会を発展的に解消、放送倫理の確立と再発防止のために『放送倫理検証委員会』を設置」し、「新委員会が放送局に対し調査や報告を求め、その審理結果を『勧告』または『見解』としてまとめ、当該局に通知し公表する権限を持つ」ことを骨子とする「放送倫理の確立等に向けてBPO機能強化へ」を公表、新体制への移行を果たしたはずであった。
しかし「独立した第三者の立場」で「放送事業の番人」として重責を担うBPOの各委員会の委員選任については、例えば「放送と青少年に関する委員会」の場合はBPO規約35条に「青少年委員会は、評議委員会が有識者(放送事業者の役員および従業員を除く)の中から選任する7名以上の委員で構成する」と規定されているのみである(第12章附則において同委員会の構成について「平成19年10月25日から平成20年3月31日までの間は、『6名以上の委員』と読み替える」旨規定されている)。
当然のことながらそうした番人の構成員たる委員には、相応の高い見識と高潔な人柄が求められるのは言うまでもない。それなくしてBPOのよって立つ「自主的に、独立した第三者の立場」を堅持し、「言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護」する目的を達成することなど到底、不可能だからである。
斉藤次郎(本名・水谷次郎)容疑者のHPのTop ページの最後の言葉は「あした平和になーれ。あした天気になーれ!」といかにも教育評論家らしい子供心に満ちた表現で終わっている。そしてプロフィールに記されている座右の銘は「Easy Going My Way!」である。教育評論家であり、BPOの「放送と青少年に関する委員会」副委員長という表の顔の裏側に隠されたもうひとつの顔は、長男と一緒に大麻にEasyに手を染める犯罪者(斉藤容疑者は「普段からパイプを使って使用していた」と大麻吸引を認めている)というあまりにも醜い顔であった。
「『放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)』は、視聴者から寄せられる青少年に対する放送のあり方や放送番組への意見をもとに、各放送局への意見の伝達と審議を行い、その審議結果と放送事業者の対応等を公表し、さらに、青少年が視聴する番組の向上に向けた意見交換や調査研究を通して、視聴者と放送事業者を結ぶ回路としての役割を担う」とされている。青少年が視聴する番組向上をはかるその回路上に大麻を吸飲するどす黒い犯罪者が介在していたのである。「放送事業の番人」として言い訳が立つ話でないことは、明々白々である。国民の信頼を大きく揺るがし、期待を無残に裏切る深刻な事態である。
今回の斎藤次郎副委員長の逮捕・起訴という不祥事は、何度でも言うが、「独立した第三者の立場」にある「自主的」な組織であるBPOに対する「国民の信頼」の大前提を覆す重大事件であったはずである。しかるに事件発生以降、テレビを初めとするメディア報道は他人事のようであり、特に当事者とも言えるテレビ局に本件を「BPOの問題」ひいては「言論と表現の自由」を担保する仕組みに大きな亀裂が生じたとして大きく取り扱った気配がない。
BPO自身の対応は事件発生以来、9月26日に飽戸弘BPO機構理事長名で本文わずか441字の「放送と青少年に関する委員会の斉藤副委員長の逮捕について」とのコメントを公表した。ついで10月3日には、「斎藤次郎・放送と青少年に関する委員会副委員長の解雇について」を発表、10月25日付けで「BPO青少年委員長交代および『斎藤次郎氏解嘱に対する青少年委員会の対応』について」を公表している。この25日に発表されたものが、BPOならびに青少年委員会の本事件に対する最終的な見解と対応と考えてよいが、その内容は「放送事業の番人」たる自覚がまったく欠落したものであると断じてよく、これでよく麗々しく機構の「目的」など掲げられたものだとあきれ果ててしまうのである。以下にその公表文の概略を転載する(BPOのHPより)。【つづく】
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BPO機構規約の第一章第三条で、同機構の「目的」は「放送事業の公共性と社会的影響の重大性に鑑(かんが)み、言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、独立した第三者の立場から迅速・的確に対応し、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的とする」と謳(うた)われている。
本年3月8日、BPOは冒頭の捏造問題を契機に「放送番組委員会を発展的に解消、放送倫理の確立と再発防止のために『放送倫理検証委員会』を設置」し、「新委員会が放送局に対し調査や報告を求め、その審理結果を『勧告』または『見解』としてまとめ、当該局に通知し公表する権限を持つ」ことを骨子とする「放送倫理の確立等に向けてBPO機能強化へ」を公表、新体制への移行を果たしたはずであった。
しかし「独立した第三者の立場」で「放送事業の番人」として重責を担うBPOの各委員会の委員選任については、例えば「放送と青少年に関する委員会」の場合はBPO規約35条に「青少年委員会は、評議委員会が有識者(放送事業者の役員および従業員を除く)の中から選任する7名以上の委員で構成する」と規定されているのみである(第12章附則において同委員会の構成について「平成19年10月25日から平成20年3月31日までの間は、『6名以上の委員』と読み替える」旨規定されている)。
当然のことながらそうした番人の構成員たる委員には、相応の高い見識と高潔な人柄が求められるのは言うまでもない。それなくしてBPOのよって立つ「自主的に、独立した第三者の立場」を堅持し、「言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護」する目的を達成することなど到底、不可能だからである。
斉藤次郎(本名・水谷次郎)容疑者のHPのTop ページの最後の言葉は「あした平和になーれ。あした天気になーれ!」といかにも教育評論家らしい子供心に満ちた表現で終わっている。そしてプロフィールに記されている座右の銘は「Easy Going My Way!」である。教育評論家であり、BPOの「放送と青少年に関する委員会」副委員長という表の顔の裏側に隠されたもうひとつの顔は、長男と一緒に大麻にEasyに手を染める犯罪者(斉藤容疑者は「普段からパイプを使って使用していた」と大麻吸引を認めている)というあまりにも醜い顔であった。
「『放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)』は、視聴者から寄せられる青少年に対する放送のあり方や放送番組への意見をもとに、各放送局への意見の伝達と審議を行い、その審議結果と放送事業者の対応等を公表し、さらに、青少年が視聴する番組の向上に向けた意見交換や調査研究を通して、視聴者と放送事業者を結ぶ回路としての役割を担う」とされている。青少年が視聴する番組向上をはかるその回路上に大麻を吸飲するどす黒い犯罪者が介在していたのである。「放送事業の番人」として言い訳が立つ話でないことは、明々白々である。国民の信頼を大きく揺るがし、期待を無残に裏切る深刻な事態である。
今回の斎藤次郎副委員長の逮捕・起訴という不祥事は、何度でも言うが、「独立した第三者の立場」にある「自主的」な組織であるBPOに対する「国民の信頼」の大前提を覆す重大事件であったはずである。しかるに事件発生以降、テレビを初めとするメディア報道は他人事のようであり、特に当事者とも言えるテレビ局に本件を「BPOの問題」ひいては「言論と表現の自由」を担保する仕組みに大きな亀裂が生じたとして大きく取り扱った気配がない。
BPO自身の対応は事件発生以来、9月26日に飽戸弘BPO機構理事長名で本文わずか441字の「放送と青少年に関する委員会の斉藤副委員長の逮捕について」とのコメントを公表した。ついで10月3日には、「斎藤次郎・放送と青少年に関する委員会副委員長の解雇について」を発表、10月25日付けで「BPO青少年委員長交代および『斎藤次郎氏解嘱に対する青少年委員会の対応』について」を公表している。この25日に発表されたものが、BPOならびに青少年委員会の本事件に対する最終的な見解と対応と考えてよいが、その内容は「放送事業の番人」たる自覚がまったく欠落したものであると断じてよく、これでよく麗々しく機構の「目的」など掲げられたものだとあきれ果ててしまうのである。以下にその公表文の概略を転載する(BPOのHPより)。【つづく】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 野田 博明
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