欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長は、欧州各国の若手獲得に熱心なアーセナルのアーセン・ベンゲル監督を批判した。

 ベンゲルと言えば、有能な若手選手をいち早く獲得し、自らの手でスター選手に育て上げる手腕で有名。17歳でバルセロナからアーセナルに入団し、今やチームの大黒柱として活躍するスペイン代表MFセスク・ファブレガスなどが代表的だ。

 しかしプラティニは、同郷の智将が行なう強化方針がこのまま定着してしまうと、有能な選手がビッグクラブに偏りすぎてしまうと語り、何らかの規制を設けるべきだと語っている。

「私はアーセン・ベンゲルの強化方針に賛成出来ない。フランス、スペイン、イタリアといった国では、お金さえ出せば14歳から16歳くらいまでの選手を簡単に買えてしまう。これは大きな問題だ。15歳や16歳の年代のベストプレーヤーがすべてトップクラブに移籍してしまったら、欧州の他のクラブは競争力を失ってしまう。例えば、私の息子がイングランド・リーグ1(3部相当)のミルウォールでプレーしていて、16歳でマンチェスター・ユナイテッドが獲得に来たとしよう。この場合、ミルウォールはいつまでたっても強いチームを作れなくなってしまうだろう?」

 UEFA会長に就任後、チャンピオンズ・リーグの出場権を欧州各国リーグの王者に平等に与えるべきと発言するなど、強豪国による独占状態を緩和させる動きを見せているプラティニ。ビッグクラブの利益を無視した発言で強い反発を受けることも多い元フランス代表のレジェンドだが、“青田買い”問題に対しても強気の態度で臨むつもりのようだ。