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登山用ストックの危険な落し穴・・・ストラップを使うべきか

2007年10月29日08時11分 / 提供:PJ

pj
登山用のストックの使用は足の負担を軽減し、転倒の危険を減らす。また足を捻挫したときなどにも、自力歩行の助けとなり、大変役に立つ。しかし持ち方によっては危険を招くことがある。

 以前、登山者が数十メートル転落し、死亡する事故があった。あくまで状況からの推測であるが、ストックのストラップために側面の岩を十分つかめなかったのが原因のひとつとなった可能性がある。

 つまり安定を失ったのでとっさにストックを放して側面下方の岩をつかもうとしたが、手首をストラップに通しているため、腕を下におろそうとするとストックが突っ張って、下の岩をつかむことができなかったことが考えられる。ストラップは手の自由を奪う可能性があるのだ。

 私も数年間ストックを使っているが、歩行中、ストックの先端が何かに引っかかり、手首を強く引っ張られてふらついたことがあった。以来ストラップは取り外している。それでも何ら不自由を感じたことはない。

 手首をストラップに通し、ストラップと一緒にストックを握ることに大きな利点があるとは思えない。スキーなら、とりわけ新雪ではストックの紛失を防ぐという意味があるが、山歩きでは紛失の可能性は無視できる程度だ。

 商品カタログや解説書にも私の知る限り、ストラップに手首を通すように説明してある。山岳団体などの指導においても同様である。ストラップに手首を通すことの是非を十分検討した上での説明や指導なのか、大変疑問である。解説や指導を杓子(しゃくし)定規にとらえずに、手首をストラップに通すことの是非をご自分で考えられることをお薦めしたい。

 山登りで水を飲むとバテるなどという誤った「指導」が最近まで行われてきた背景には、批判を許さず、従わせるというスポーツ界によく見られる風潮があるように思う。例えば「山では傘を使ってはいけない」などと教える指導者もいる。意味を疑い、自分で検証する態度も必要だろう。

 傘の例で言うと、私は山で傘を重宝する。上りでは雨具に比べて汗をかかないので衣類が汗で濡れないし、体力の消耗も少ない。また日傘にもなる。しかし風や道の状況によっては使えない。使う条件を細かく説明するのは面倒だから、「傘を使ってはいけない」という単純な説明で済ませることもあったのだろう。

 初心者に教える場合、ある程度の単純化は仕方がないかもしれない。だが、それを金科玉条のように理解し、それを広める石頭の指導者が少なからず存在する。その結果、現実から遊離した「鉄則」がまかり通ることになってしまうことがある。

 参考までに、多くのメーカーのI型のストックは上部のビスを外すとストラップは容易に抜ける。無論、ストラップを外さず、手首を通さないだけでも同じである。

 (登山中に落下することをすべて滑落と表現している例が多い。滑落は雪面上に限定すべきで、岩場での落下まで滑落はおかしいと思う。ボキャ貧の故か、それとも統一の話でもあったのだろうか)【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 岡田 克敏

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