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10月28日、今日はなんの日?ムッソリーニ、ローマ進軍。1922年

【PJ 2007年10月28日】− ドイツのヒトラーに比べ、イタリアのムッソリーニに対する関心は日本ではとても低いようである。私が参考文献としてよく使用する角川書店の「新版日本史辞典」でも、ヒトラーの記述が19行に対してムッソリーニは10行である。扶桑社版「新しい歴史教科書 改訂版」では、単元として「共産主義とファシズムの台頭」があり、「イタリアでは、1922年に、ムッソリーニのファシスト党による独裁政治が始まり、1935年にエチオピアに進攻した。ファシスト党にみられるような独裁的な軍国主義の傾向をファシズムとよび、世界恐慌後、経済的に苦しむ国々に広がった。」という記述のみで、写真もない。

 しかし、20世紀の前半の世界を大きく動かしたのは、イタリアのファシズム、ドイツのナチズム、そして日本の超国家主義であった。この三者は、ソ連の共産主義とは鋭く対峙(たいじ)、最終的には民主主義国家との対決を招き、第二次世界大戦を引き起こし、敗れて歴史の表舞台から消えていった。全体主義とも称されるこの動きが始まったのは、イタリアからであった。

 1912年12月1日、イタリア社会党の機関紙「アヴァンティ!」の編集長に任命されたムッソリーニは、1914年夏、第一次世界大戦がはじまると、イタリアの絶対中立を主張する社会党の方針に反対し、イタリアがイギリス、フランス側に立って参戦することを唱えはじめた。そのためにムッソリーニは社会党から除名されたが、1914年末からイタリア各地でうまれた参戦主義者の団体「革命行動団」の指導者の一人となる。

 第一次世界大戦が終わった直後から、イタリアでは労働者・農民の革命運動が大きく発展する。この動きに対し、ムッソリーニは1919年3月23日、極端な国粋主義者、軍国主義者、侵略主義者の組織などを結集して、ミラノで「戦闘者ファッショ」を創立した。これがファシスト党の前身となる。

 戦闘的ファッショの綱領は、極めて急進的であり、王政の廃止、大土地所有の農民への分与、最低賃金制、労働者の経営権への参加、戦時所得の85%没収などを要求した。これは革命化しつつある労働者・農民をひきつけた。革命的情勢がつづく間は、社会党以上の急進性をよそおうことがムッソリーニの戦術であった。

 1919年3月の創立大会宣言では、イタリア領土の拡大を主張していた。1920年11月以後、ファシストは公然かつ隠然と、政府、軍部、警察、裁判所の助けと保護のもとに戦闘隊形をつくって、民衆に暴力行為を加えていく。このファシストによる暴力行為により、民衆の力が弱められるにつれて、ファシスト勢力は次第に大きくなった。1921年11月には6万、1922年1月に25万といわれたファシスト組合員は、1922年8月、80万に達したといわれる。このような状況が、ファシストの権力獲得を可能にした。

 1922年10月16日に始まった黒シャツ隊のローマ進軍(11月4日にローマで在郷軍人大会を開催、その日を国民祝日と政府はした。その日を目ざして各地からの行動がはじまる)により、イタリア王ヴィットリオ・エマヌエーレ3世は、労働者階級に最後的打撃を加えようとする支配階級の要求に応じて、1922年10月28日、ムッソリーニを総理大臣に任命した。イタリアでは、立憲君主制が維持されたのである。

 ここがヒトラーとは、立場が根本的に異なる部分である。日本人の政治家の多くが1930年代のドイツやイタリアを訪れ、ムッソリーニには会見できたがヒトラーには会えなかったと失望の意を抱くことがよくあった。ヒトラーは、首相といえども大統領職兼任の元首である。対してムッソリーニは首相であっても元首ではない。イタリアには国王が存在していた。日本の天皇に簡単に会えないように、元首への会見は容易ではないのだ。

 実はこの国王の存在が、1943年のムッソリーニの失脚にも繋(つな)がっていくのである。歴史的事実に対しての評価は難しいものがある。しかし、その内容をきちんと理解する必要があるように私は感じている。(世界大百科事典などを参考とした)【了】

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パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司【 愛知県 】
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