20日に行なわれたプレミアリーグのエバートン戦で、71分に交代を告げられたリバプールのMFスティーブン・ジェラードがその胸中を告白。リバプールで生まれ育ったジェラードは、エバートンとのダービーマッチに2-1で勝利した瞬間をピッチ上で迎えられなかったことについて、「とても傷ついた」と語っている。

 DFサミ・ヒーピアのオウンゴールで先制を許したリバプールは54分、ジェラードが倒されて得たPKをFWディルク・カイトが決めて同点に追いつく。エバートンに退場者が出たことでさらに攻勢を強めるリバプールだったが、指揮官のラファエル・ベニテスは71分にジェラードに代えてブラジル人MFルーカス・レイバの投入を決断。試合は1-1のまま進んだが、ロスタイムにルーカスが決定的なシュートを放つと、これをエバートンのDFフィル・ネビルがハンドで阻止。このプレーでPKを得たリバプールは、カイトが再びゴールを沈めて2-1の勝利を収めた。

 敵地グディソン・パークで劇的な勝利を収めたリバプールだが、キャプテンのジェラードは試合終了のホイッスルをベンチで聞いたことについて、「ピッチ上にいたかった」とコメント。「ダービーマッチは大きな意味を持つ」と語るイングランド代表は、指揮官の采配について次のように語っている。

「僕が何より望むのは、90分間プレーして、勝利の瞬間をピッチ上で迎えること。交代を告げられたときは、とてもガッカリしたし、傷ついたね。だって、僕はリバプールで育った男だ。ダービーマッチは大きな意味を持っている。今回の交代については、監督にその意図を確認するつもりだ。もちろん、激しく詰め寄ったりはしないよ。冷静に話し合うし、その内容は誰にも明かすつもりはない。もちろん、みんなが全試合をフル出場できるとは思っていない。他の選手と同じように、僕だって交代を告げられることはある。一番大事なのは、チームが勝つことだからね」

 敵地に乗り込んだリバプール・サポーターが静まり返るほどの驚きをもたらしたジェラードの交代。しかし、すでにジェラードと話し合いの場を持ったというベニテス監督は、「監督なら決断を下すべき時がある」とコメント。「私は誰かを特別扱いするつもりはない。ジェラードは決勝点を決めたかったようだが、交代についてはすでに納得済みだ」と語り、対立をあおるメディアを牽制した。キャプテンの心に傷を残した交代策は、タイトルを狙うリバプールにどのような影響を及ぼすのだろうか。