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[CNET Japan] MS会長B・ゲイツ氏の退任後の役割と残されたタスク

 サンフランシスコ発--Bill Gates氏にはやりかけの仕事が残っている。

 Gates氏は長年、マウスやキーボードに加え、音声やタッチ操作、手書き入力など、より自然な方法を用いたコンピュータの操作を社内外で熱心に提唱してきた。

 しかし、2008年の非常勤勤務への準備を進めている現段階で、同氏の構想はまだ社内の研究所に留まっており、一般家庭や企業には浸透していない。しかし、Gates氏は、社内での役割が新しく限定されたものになる今後も、構想を推し進めていくつもりだと語った。

 Gates氏は米国時間10月16日、CNET News.comに対し、「大画面、タッチ操作、手書き入力、音声は、クラウドコンピューティングと並んで、ソフトウェアの考え方を大きく変えるだろう」と述べた(クラウドコンピューティングとは、現在、個々のコンピュータによって処理されているコンピュータタスクの多くが、将来、インターネットで接続された巨大データセンタにあるサーバによって処理されるようになるという概念)。「Ray Ozzieは現在、クラウドコンピューティングを推進している。ナチュラルインターフェースについては、彼とSteve(Ballmer)は私にプロジェクトへのエネルギーと豊富なビジョンを持ち続けることを期待していると思う」(Gates氏)

 Microsoftに大きな利益をもたらしてはいないものの、Gates氏は社内で音声認識、手書き認識への投資を積極的に呼びかけ続けている。1990年代、Gates氏のComdexでの基調演説で何度も取り上げられた「Tablet PC」は今なお、特定分野の製品のままだ。また、「Vista」にはPCの音声操作機能が搭載されたが、ほとんど注目されず、OS自体も、登場から1年たつが、あまり熱狂的な支持を受けていない。

 Gates氏とともにユニファイドコミュニケーションに取り組んでいるMicrosoftのコーポレートバイスプレジデント、Gurdeep Singh Pall氏は、Gates氏が音声認識がなかなか浸透しないことにいらだちを示していると語った。Pall氏によれば、Microsoftは少なくとも1991年からこの技術に投資している。

 「Billは音声認識に非常に熱心で、マシンを操作する自然な方法としての音声認識の可能性を強く信じている。音声認識は彼が非常に関心を持っている分野であり、何が限界なのか、どうしたらその限界を突破できるか理解することに意欲的だ」とPall氏は述べている。

 Gates氏が長年温めてきたプロジェクトの多くは未だ日の目を見ていない。Microsoftの「Smart Personal Object Technology(SPOT)」を使ったデジタル時計はマニア向けのおもちゃに留まっており、SQLペースのまったく新しいWindowsファイルシステムは、「Longhorn」の名称がVistaに決まった際、切り捨てられた。しかし、他方には、インターネットテレビや「Xbox」のように、長年の投資の後、ようやく利益が上がるようになったビッグプロジェクトもある。

 Gates氏は、Microsoftは時期尚早のアイデアに投資したこともあると認めたものの、こうした分野の投資は正しいと述べている。

 「新たなソフトウェアへの取り組みが早すぎて困ることはない。手遅れにだけはなりたくない」

 さらに、これらの新しいコンピュータの操作方法については、重要ではあるが、まだ正当に評価されていない、と主張する。

 「ナチュラルインターフェースは次第に注目されるようになっているが、おそらく、現在デジタル革命で最も過小評価されているものだ」とGates氏は述べている。

 コンピュータの新しい操作方法の中で、最も早く支持を集めそうなのが、指の動きを利用して画面のオブジェクトを操作するマルチタッチである。Microsoftはこの機能を同社のハイエンドテーブルトップコンピュータである「Surface」に搭載したが、Appleは「iPhone」や「iPod touch」といった主力製品にこのテクノロジを導入している。

 「Surfaceのタッチ機能を知った人達は、iPhoneに触れたときと同じように息をのんで、こういうだろう。『ああ、なんて自然なんだろう』」(Gates氏)

 会議用テーブル、オフィスのホワイトボード、さらには寝室の鏡がいつの日か、インテリジェントなコンピュータ画面に置き換わるとGates氏は述べている。

 「5年後、10年後には、テーブルが場所を陣取っているだけで、何の役にも立っていないことを疑問に思うようになる」(Gates氏)

 Gates氏の強みは、これまでバラバラだったことをどうすればテクノロジでひとつにまとめ上げられるかを同社に示せることだと、Pall氏は述べている。「彼は、何を結びつける必要があるかを見極め、実際に結びつける段階へと進み、Microsoftの社員や業界が結びつけられたものを正しく導入できるようにする能力に長けている」

 Gates氏が非常勤勤務になった後に取り組む見込みのあるそのほかのプロジェクトについて、Pall氏は「今おもしろいと思う分野は検索だ」と述べている。

 MicrosoftはGoogleと激しいバトルを繰り広げており、この分野の研究に多大な労力を注いでいるにもかかわらず、Google、Yahooに続く第3位に甘んじている。

 Gates氏は自らが取り組んでいる別の分野については慎重な姿勢を示している。「Officeの今後についてアイデアはいくつかある。いくつかについては本当に夢中になっている」

 Microsoftの他の関係者は、Gates氏が特に意欲的である構想について述べている。それはプレゼンス、すなわちユーザーがオンラインかどうかを把握して、コンピュータによって、作業の優先順位付けを行うというアイデアである。

 Microsoftのユニファイドコミュニケーション担当ゼネラルマネージャー、Kim Akers氏は、ユニファイドコミュニケーションでさまざまなコミュニケーションを統合し、他のソフトウェアプログラムでユーザーが忙しいかどうかを認識し、いつ、どうしたら手が空くかを認識できるようにするため、Gates氏が何度もチームを後押ししてきたと述べている。

 「コミュニケーションを統合した後に、どのようにソフトウェアを利用して生産性を高められるのか」とAkers氏は言う。

 Akers氏によれば、たとえば、1時間の空き時間がある場合、エージェントがカレンダーを確認し、ユーザーの望む重要なタスクやメッセージの優先順位を付けられるようにすべきだ、Gates氏は考えているという。

 「とても未来的なアイデアだ」(Akers氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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