「素裸にされたコンサート」フルート奏者、齋藤友紀さん。
2007年10月19日17時27分 / 提供:PJ
温暖気候の進む中、異変の気温も下がり、秋の気配が漂い始めているが、社会状況は、突発的事件が繰り返され、喧噪(けんそう)の今年も、通り過ぎつつある。そんな、日常の生活の中で、音楽を聴くチャンスは誰にでもある。音楽のジャンルも多岐に亘るが、その音楽のサウンドの世界に浸る事で、憂き世を忘れ、癒やされる気分になる人も多いと思われる。暮れなずむ、表参道の音楽ホールで、10月17日、カワイ表参道コンサートサロン、パウゼで、「齋藤友紀フルート・リサイタル」があった。友紀さんファンが、会場を埋め尽くした。
フルートという楽器は、良く知られているが、その楽器の特性を深く聞かれる人は、どのくらいいるのだろうか。フルートとは、木管楽器の一種で、主に、クラシックのオーケストラで使用されるが、ジャズの世界でも登場する。18世紀ごろのバッハ、バロック音楽の時代からの歴史を持ち、そのころはフルートというと「リコーダ」つまり、縦笛であったが、現在のフルートの前身として、横のという意味で「フラウト、トラヴェルソ」と呼ばれていた。現在は金とか銀とかプラチナとか金属で作られているが、木管楽器として分類されている。
フルートは、横笛であるが、横笛を吹く人はそのイメージとして女性をイメージするが、まさに、ピッタリのフルート奏者、齋藤友紀さんである。齋藤さんは、桐朋学園大学音楽部卒業、桐朋学園オーケストラのメンバーとして小沢征爾さん、ロストロポーヴィッチさんらと、フランス、エヴィアン音楽祭に参加。フランス、スイスで研さんを積み、ニューヨークのジュリアード音楽院インターナショナルマスタークラス終了。その後、ソリストとして東京オペラシティ、津田ホール、プラハ、チェコ、チェンバーオーケストラ、ベルリン交響楽団室内オーケストラと競演している。また、ボランティア演奏活動も行い、バリアフリーコンサート、ブルガリア子供教育支援、中国、モンゴル緑地化植林支援等積極的に参画している。2006年国際芸術連盟賞受賞している。
会場がやや暗転して、齋藤さんが毅然(きぜん)とした足取りで、中央に立つ、ピアノと音合わせをしながら手にしたフルートを見つめる、トーンホールに眼をやり、確認、顔を左に上げ、目線をピアニストと会わす、瞬時、きりっと正面を向き、その唇から呼気が吹き込まれ、とてつもない、柔らかいサウンドが流れ始めた。アンデルセンの小品だがウイットが楽しいスケルッツイオ。ベートーヴェンのセレナーデと続く。
ピアノ伴奏に、桐朋学園大学音楽部非常勤講師、大学付属「子供のための音楽教室」講師、垣内敦さんと、息のあったアンサンブルである。フルートという楽器は、「鳥」の声が得意らしい。”Whip Poor Will”ホイッパーウイルと聞こえる曲を演奏して笑いも取っていた。最後にカルメン幻想曲を演奏した。アンコールは「赤い靴」であった。齋藤さんが演奏で揺れるたびに、80センチあまりのフルートが一振りのカタナのごとくキラリと光る。イアリングがキラリと光る。
齋藤さんの演奏する、フルートのサウンドは、頭のてっぺんから足の地へ抜ける、人間の体温と、血液と同じ温度の音に聞こえた。身体の悪いところをさらって行ってしまう音にも聞こえた。バイオリンなら、身体に食い込むが、ピアノは肩たたきに、ドラムは身体の振動に、ロックギターならたたき付けられるが、まあ、自然の大地と人間の交流するような、音楽サウンドは、気持ちよければ、すべて良い。ブレークの時間にオシャレなワインタイムがあった。Bistro「Marseille」など、フランスワインの、オーナー、嶋啓祐さん提供のフレンチワインを、齋藤さんの友人、ボタニカルアーティストの福島知子さん等と楽しんだが、フルートのサウンドをさらに、マイルドにした一夜であった。
齋藤さんに、なぜフルートをやるようになったかと聞くと、実はフルートが、自分にフィットしてるとは思わなかったと言っていたので驚いたが、彼女の音楽環境からの選択であったようだ。ピアニストの垣内さんに、その楽器を演奏する人と、楽器との関係で人間性は出るのでしょうかと、意地悪な質問をしたが、フルートは人間の呼気を使うから、その吹き込み方に人間が現れるのではと言っていたので、齋藤さんのフルートは、身体の一部になっているのだなと思えたのである。そのフルートの音に身体が素裸になるような感じがしたのは私だけだろうか。12月には、「トヨタプレゼンツ日露文化交流コンサート」にソリストに抜てきされ、ロシアのサンクト・ぺテルブルグ交響楽団と競演の予定である。熱い呼気を、寒いサンクト・ペテルブルグで大呼吸して欲しいと思えた。
♪From Russia with love I fly to you........ ♪
【了】
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フルートという楽器は、良く知られているが、その楽器の特性を深く聞かれる人は、どのくらいいるのだろうか。フルートとは、木管楽器の一種で、主に、クラシックのオーケストラで使用されるが、ジャズの世界でも登場する。18世紀ごろのバッハ、バロック音楽の時代からの歴史を持ち、そのころはフルートというと「リコーダ」つまり、縦笛であったが、現在のフルートの前身として、横のという意味で「フラウト、トラヴェルソ」と呼ばれていた。現在は金とか銀とかプラチナとか金属で作られているが、木管楽器として分類されている。
フルートは、横笛であるが、横笛を吹く人はそのイメージとして女性をイメージするが、まさに、ピッタリのフルート奏者、齋藤友紀さんである。齋藤さんは、桐朋学園大学音楽部卒業、桐朋学園オーケストラのメンバーとして小沢征爾さん、ロストロポーヴィッチさんらと、フランス、エヴィアン音楽祭に参加。フランス、スイスで研さんを積み、ニューヨークのジュリアード音楽院インターナショナルマスタークラス終了。その後、ソリストとして東京オペラシティ、津田ホール、プラハ、チェコ、チェンバーオーケストラ、ベルリン交響楽団室内オーケストラと競演している。また、ボランティア演奏活動も行い、バリアフリーコンサート、ブルガリア子供教育支援、中国、モンゴル緑地化植林支援等積極的に参画している。2006年国際芸術連盟賞受賞している。
会場がやや暗転して、齋藤さんが毅然(きぜん)とした足取りで、中央に立つ、ピアノと音合わせをしながら手にしたフルートを見つめる、トーンホールに眼をやり、確認、顔を左に上げ、目線をピアニストと会わす、瞬時、きりっと正面を向き、その唇から呼気が吹き込まれ、とてつもない、柔らかいサウンドが流れ始めた。アンデルセンの小品だがウイットが楽しいスケルッツイオ。ベートーヴェンのセレナーデと続く。
ピアノ伴奏に、桐朋学園大学音楽部非常勤講師、大学付属「子供のための音楽教室」講師、垣内敦さんと、息のあったアンサンブルである。フルートという楽器は、「鳥」の声が得意らしい。”Whip Poor Will”ホイッパーウイルと聞こえる曲を演奏して笑いも取っていた。最後にカルメン幻想曲を演奏した。アンコールは「赤い靴」であった。齋藤さんが演奏で揺れるたびに、80センチあまりのフルートが一振りのカタナのごとくキラリと光る。イアリングがキラリと光る。
齋藤さんの演奏する、フルートのサウンドは、頭のてっぺんから足の地へ抜ける、人間の体温と、血液と同じ温度の音に聞こえた。身体の悪いところをさらって行ってしまう音にも聞こえた。バイオリンなら、身体に食い込むが、ピアノは肩たたきに、ドラムは身体の振動に、ロックギターならたたき付けられるが、まあ、自然の大地と人間の交流するような、音楽サウンドは、気持ちよければ、すべて良い。ブレークの時間にオシャレなワインタイムがあった。Bistro「Marseille」など、フランスワインの、オーナー、嶋啓祐さん提供のフレンチワインを、齋藤さんの友人、ボタニカルアーティストの福島知子さん等と楽しんだが、フルートのサウンドをさらに、マイルドにした一夜であった。
齋藤さんに、なぜフルートをやるようになったかと聞くと、実はフルートが、自分にフィットしてるとは思わなかったと言っていたので驚いたが、彼女の音楽環境からの選択であったようだ。ピアニストの垣内さんに、その楽器を演奏する人と、楽器との関係で人間性は出るのでしょうかと、意地悪な質問をしたが、フルートは人間の呼気を使うから、その吹き込み方に人間が現れるのではと言っていたので、齋藤さんのフルートは、身体の一部になっているのだなと思えたのである。そのフルートの音に身体が素裸になるような感じがしたのは私だけだろうか。12月には、「トヨタプレゼンツ日露文化交流コンサート」にソリストに抜てきされ、ロシアのサンクト・ぺテルブルグ交響楽団と競演の予定である。熱い呼気を、寒いサンクト・ペテルブルグで大呼吸して欲しいと思えた。
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パブリック・ジャーナリスト 池野 徹
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