[CNET Japan] オラクルのBEA買収提案とその背景
2007年10月15日12時51分 / 提供:CNET Japan
Oracleは一連の主要なソフトウェア企業買収拡大の新しい試みで、ライバルのBEA Systemsを1株あたり17ドル、総額約66億6000万ドルの現金で買収することを提案したが、BEA側は金額が低すぎるこの提案を拒否した。
提案されている買収が完了すれば、Oracleにとっては長年にわたってソフトウェア業界を最大限統合しようという取り組みを強化している間にBEAは成長を目指して何をしてくるのだろうかという懸念が一掃されることになる。
「Oracleの(中略)BEA Systems買収の提案は、BEAの将来をめぐる疑問に対する当然の帰結である」と、Technology Business ResearchのアナリストであるStuart Williams氏は米国時間10月12日、Oracleの買収提案の発表後に語った。「OracleはBEAのテクノロジを直接Oracleのスタックに統合および強化し、同時に競争相手を消滅させて年間14億ドル近い売上高を上乗せできる」
Oracleの提案は、10月9日にBEAの取締役会あてに文書で伝えられ、内容はBEAの10月11日の終値である13.62ドルに25%のプレミアムを乗せるというものだ。BEAの株価は10月12日の午前の取引で33%(4.49ドル)高騰し、18.10ドルを付けた。
しかしBEAは10月11日にこの提案を拒否した。「当社の取締役会としては(中略)BEAがOracleやその他の企業にとって、そしてこれは重要なことだが、株主にとっても貴社が文書で提示した値段よりもはるかに大きな価値があることは明白である」と、BEAでビジネスプのランニングと開発を担当するバイスプレジデントのWilliam Klein氏がOracleにあてた文書(BEAが10月12日に公開)で述べている。
BEAの株価がOracleの提示価格よりもはるかに値上がりしている事実は、ウォールストリートがBEAはもっと高い価格で売れるかもしれないと予測していることを示している。そして、BEAが株主のライツプラン(敵対的買収をかなり困難にするため「ポイズンピル(毒薬条項)」という名称で知られる)を採用したことを考慮すると、BEAはOracleとの協議である程度の交渉上の力を持っていると考えられる。
カリフォルニア州サンノゼに本社があるBEAは、IBM、Oracleやその他のさまざまなオープンソースソフトウェアプロジェクトからの圧力にさらされており、以前からOracleやその他の企業から買収の対象と見なされていた。新製品のラインを導入したにもかかわらず、新しいライセンスによる売上高は過去2年間、芳しくないかむしろ下落している。一方、億万長者であり投資家でもあるCarl Icahn氏は、10月初めにBEAの株式を買い増し、株保有率が13.2%になったが、Icahn氏はこれまでBEAに対して自社を身売りするように強く勧めてきた。
Oracleはデータベースソフトウェアの販売で現在の勢力を築き上げたが、同社は、いわゆる他のエンタープライズソフトウェア(大企業がビジネス運用に使用するソフトウェア)の企業を買収することによって規模を拡大してきた。2004年、PeopleSoftをめぐる激しい買収競争に勝利して同社を100億ドルで買収した。2006年にはSiebel Systemsを58億ドルで買収した。そして2007年にはHyperion Solutionsを33億ドルで買収した。
今日、最も広く使用されているBEAの製品は、株取引アプリケーションのようなJavaプログラムをサーバで実行するためのWebLogicソフトウェアである。この製品はOracleのFusionミドルウェア(他のアプリケーションの基盤になるソフトウェア)スイートと直接競合している。
しかし、カリフォルニア州レッドウッドショアズに本社があるOracleは、PeopleSoftやSiebelの買収の例からもわかるように、競合製品が自社の製品よりも成功している限りはその製品を自社のポートフォリオに含めることに意欲的である。
Oracleはソフトウェア業界の統合レースをリードする企業の1つである。その他の競争相手にはBusiness Objectsの買収を計画しているSAP、VMwareおよびRSAを買収したEMC、Veritasを買収したSymantec、OpsWare、NeowareおよびMercury Interactiveを買収したHewlett-Packard(HP)が含まれる。IBMはすでに強大な勢力だが、過去2年間にAscential、MROおよびFileNetを買収している。
SPAが買収を計画し、さらに多くの買収に走ることが予想されることから、これがOracleを買収行動に駆り立てる原因になったのかも知れないと、RedMonkのアナリストであるJames Governor氏は指摘する。「OracleとしてはBEAをSAPに取られるわけにはいかない」
BEA自身はFuegoとPlumtree Softwareを買収したが、同社の売上高の大半は中核のJava製品から生み出されている。
Oracleにとっての1つのワイルドカードはオープンソースソフトウェアである。オープンソースソフトウェア運動は、底部のOSのレベルからビジネスソフトウェアのレベルにいたるまでそのけん引力が高まり規模も拡大している。オープンソースソフトウェアは自由に入手することができ、共同的に開発され、しばしばサービスサブスクリプションという形態で販売される。オープンソースソフトウェアはOracleのビジネスの核心部分であるプロプライエタリなソフトウェアにとって長年にわたって脅威となっている。
もう1つの課題は、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)を提供する動きであり、SaaSでは顧客はビジネスアプリケーションを自前で運用する代わりにインターネット経由でアクセスする。OracleはSaaS路線を拡大しようと努めてきたが、SaaSに特化しているSalesforce.comといったライバル企業ほどには高い優先度を置いていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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