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【読書の秋】日本人の心と精神の再発見、『名山の文化史』高橋千劔破著

2007年10月13日08時08分 / 提供:PJ

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【読書の秋】日本人の心と精神の再発見、『名山の文化史』高橋千劔破著
「名山の文化史」の著者である、高橋千劔破(ちはや)さん。全国の名山は、どこも日本人の精神と深くかかわってきたと話す。(撮影:穂高健一、10日。東京・中央区で) 写真一覧(2件)
高橋千劔破(ちはや)著の「名山の文化史」(河出書房新社、2625円)が、9月22日に新発売された。これは04年に刊行された『名山の日本史』の続編だ。著者の高橋さんは、立教大学時代には山岳部に所属し、青春時代はほとんど山で費やしている。卒業後は人物往来社に入社。やがて月間「歴史読本」編集長、同社取締役編集局長を経て96年に退社し、現在は執筆活動に専念する。他方で、日本ペンクラブ常務理事の要職につく。

 高橋さんから「名山の文化史」について、一連の話を聞くことができた。「近代の登山史は数かず書かれています。しかし、山の歴史と文化をしっかり伝える書物はなかったのです。過去には深田久弥さんがエッセイで、若干ふれたていどでした」と話す。

 日本中どこに行っても、山岳が見える。それらは古(いにしえ)から山岳信仰と結びつき、登られてきた。3000メートル級の険しい岩壁の屹立(きつりつ)する北アルプスの山々も例外ではなかった。「しかしながら、明治時代には廃仏毀釈で、富士山、筑波山など名山の寺院が次々に取り壊されたり、追い出されたりしました。今ある神社が古く平安、鎌倉時代からあるものだと、日本人の大半は思い込んでいます。このままでは間違った認識が、そのまま歴史になってしまう」と話す。それは名山の歴史と文化の喪失を意味する。

 名山の歴史の真実が失われると、高橋さんは危惧(きぐ)した。自らの足で名山に登り、周辺を歩きまわり、山岳信仰、民話伝説、山の歴史の三つの観点から情報を収拾し、書きとめてきた。そのうえで、作者の登山史もふくめた内容で取りまとめられた、まさに渾身の名著だ。

 先に刊行された「名山の日本史」には富士山、比叡山、阿蘇山など40篇が収録されている。このたびの「名山の文化史」には恐山、八海山、谷川岳、妙義山、北岳、鳳凰三山、穂高岳など30篇。どの山々も、日本人の精神の根幹にも深く入り込んでいる姿が浮き彫りになっている。

 高橋さんは登山家でもあり、30年間の出版社勤務で、歴史雑誌と歴史図書に携わってきたひとだ。歴史の知識と史観の深さは群を抜いている。プロ中のプロだから、文体も読みやすく、山の知識がなくとも、わかりやすく書かれている。

 日本人ならば登山やハイキングで、なんらかの名山を登っていると思う。これから山に登りたいと思っている人にも、歴史好きの人にもお薦めの図書だ。【了】

■関連情報
ライブドア・デパート:「名山の文化史」
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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