「なぜ、ラウルを代表に呼ばないのか?」。スペイン代表のルイス・アラゴネス監督が招集メンバーを発表するたびに繰り返される議論である。今シーズン序盤で好調さをキープしているレアル・マドリーのラウル・ゴンサレスが代表に呼ばれないことに疑問を投げかけるスペインメディアと不満を爆発させるファン。そして両者から総攻撃を受ける同監督。

 そして、「ラウル、ラウル」と騒ぎたてるメディアやファンに辟易するアラゴネス監督がとうとうキレてしまった。代表の合宿中、何人かのファンが柵越しに「なぜ、ラウルの呼ばないのか?」と質問。

「じゃあお聞きするが、ラウルは3度ワールドカップに出た。2度のユーロカップに出た。ラウルはいくつタイトルを獲ったんだ?」。

 そう叫び返してしまったアラゴネス監督。この映像はスペインのTV番組のカメラに収められ、放送されている。これがアラゴネス監督の本音であり、答えだ。

 メディアがラウル待望論を唱える中、スペインはユーロ2008予選、対デンマークとの大一番を土曜日に控える。アウェイとはいえ勝ち点3の獲得が必要なスペインは周囲の雑音をシャットアウトし、チーム一丸となって戦い、勝利を収めるしかないのだ。そして、これからもラウルの招集を巡って議論は続くのである。

(スペイン通信)