【イ毛メン通信】キミを想って眠れない(第7話)
2007年10月29日10時30分 / 提供:イ毛メン通信
ダイエットと抜け毛予防のために、自炊と運動を始めたボク。憧れのエビ子ちゃんに
「真面目に続けているのはスゴイ」と褒められたことで、自分磨きがヒートアップしてしまった。寝る前には、呼吸法を取り入れたピラティス、そして脂肪をほぐすマッサージ。女性たちは毎日、こんなことをしているのだろうか? いやはやキレイになるって大変だ。ボクは睡眠時間を削り、せっせと日課をこなしていったけれど、予想に反して体調が思わしくない。
「アホか」
バリモテ先輩に一部始終を話すと、ばっさりと切り捨てられた。
「デキる男っていうのは、睡眠時間はきっちり確保するモンなんだ。よく『肌のゴールデンタイム』は、成長ホルモンが促される夜10時〜深夜2時頃って言われているだろう? 体や頭皮だって同じことだよ。睡眠不足が続くと脳細胞の疲れも回復できない。つまり、内臓に障害が出たり、血液の状態が悪くなってしまうことがあるんだ」
たしかに最近は朝食も進まず、簡単に済ませてしまうことが多い。しかも寝不足のせいで毎朝寝坊。ギリギリに出勤して、その分残業している。帰宅時間が遅くなり、運動やマッサージを終える頃には日をまたいでいることも少なくなかった。どうにも悪循環である。
「あともうひとつ加えると、休日の寝だめはよくない」
これにもドキっとした。ボクは平日の睡眠不足を補うため、休日は昼頃まで寝ている。
「寝だめをすると、生活リズムが崩れてしまうんだ。ゆっくり寝るのは土曜日にして、日曜日は早起きをする。そうすれば、月曜日もすんなり起きられるぞ」
翌日はさっそく6時に起きて、就業1時間前に会社に到着した。眠気はとれないが、人気の少ないオフィスは、清々しい空気に包まれている。単純だが、自分もデキる男になったような気分だった。
総務部の前を通ったとき、なんとエビ子ちゃんが出社しているではないか!
「エビ子ちゃん、早いね!」
ボクは驚いて声をかけた。
「イ毛メンさんこそ、早いじゃないですか」
彼女は笑いながら席を立ち、書類を抱えながらボクのほうへとやってきた。
「私、あまり残業をしたくないから、朝早めに出社して雑務を済ませているんですよ。ちょうどよかった! これイ毛メンさんに渡そうと思っていた残業手当の申請用紙と、ヘルシーレシピです。料理の腕が上がったみたいなので、メニューもちょっと凝ったものにしています」
眠い頭がすっかりと冴えた。レシピは「ナスの味噌餅焼き」 と 「キノコのスパゲッティサラダ」 とあるが、どちらもうまいに違いない。
「今、うちにナスがあるんだ。今晩、さっそく作ってみるよ」
「感想を聞かせてくださいね」
「もちろん!」
明日もエビ子ちゃんと話ができるのなら、是が非でも作らなければと熱くなった。
ところでエビ子ちゃんは、何時くらいに出勤しているのだろう? うまく時間が合えば、駅から会社まで一緒に歩くことができるかもしれない。さすがに本人に聞くほどずうずうしくはないが、どうしても知りたい。ボクは翌朝からも早朝出勤を続け、エビ子ちゃんを探しながら会社までの道のりを歩いた。そのおかげで
「早朝出勤が板についてきたな」
と、上司に褒められることもあった。早起きの動機は不純だが、社内での評価が高まったのはうれしいことだ。
その後も電車の時刻を微妙にずらしながら、エビ子ちゃんを探すことを続けていると、1週間目にしてやっと彼女らしき後姿を見つけた。顔を確認しようと早足になりかけたとき、ギクリとボクの足が止まった。なんと彼女の隣には私服姿の男性がいるではないか。
「もしや、朝帰り!?」
二人の手はつながれていなかったが、ここがオフィス街だから警戒しているのかもしれない。彼女がエビ子ちゃんではないことを強く祈りつつ、探偵のように尾行を続ける。
男は駅前のコンビニで彼女と別れた。さり気なく姿を確認すると、整った顔立ちで着ている物もセンスがいい。まるでファッション雑誌から飛び出してきたような男性。彼がライバルだとしたら、ボクはからきしダメだ。
そして、1人になった女性の横顔がちらりと見えた。愕然。やはりエビ子ちゃんだった。
ショックのあまり、彼女に声をかける勇気が出せなくなったボクは、エビ子ちゃんとは違うルートを選び、猛ダッシュで会社に向かった。あれほど待ち焦がれていた朝だったのにと思うと、無性に悲しくなった。
■関連リンク
髪にやさしいレシピ
髪にやさしいコラム「生活習慣をチェック!」
髪にやさしいリラックス法「睡眠」
イ毛メン通信記事一覧
<登場人物>
イ毛メンくん 33歳
海川商事のSE 趣味はお酒を飲むこと。彼女いない歴5年。最近お腹も出てきて、脱毛がひどくなってきたことが悩み。3ヶ月くらい前から総務のエビ子のことが気になっているが、自信がなくて声がかけられない。山梨県出身。
バリモテ先輩 35歳
35歳 独身、女性社員の憧れの的でイ毛メンくんの上司。仕事ができると社内外で評判。髪の毛はフサフサで、引き締まった体をしている。毎晩いろいろな女性とデートをしているせいか残業は一切しない。大阪府出身。
エビ子 25歳
総務部 入社3年目。明るい笑顔がカワイイと社内の人気者。趣味は料理で料理教室に通っている。東京都出身。
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「真面目に続けているのはスゴイ」と褒められたことで、自分磨きがヒートアップしてしまった。寝る前には、呼吸法を取り入れたピラティス、そして脂肪をほぐすマッサージ。女性たちは毎日、こんなことをしているのだろうか? いやはやキレイになるって大変だ。ボクは睡眠時間を削り、せっせと日課をこなしていったけれど、予想に反して体調が思わしくない。
「アホか」
バリモテ先輩に一部始終を話すと、ばっさりと切り捨てられた。
「デキる男っていうのは、睡眠時間はきっちり確保するモンなんだ。よく『肌のゴールデンタイム』は、成長ホルモンが促される夜10時〜深夜2時頃って言われているだろう? 体や頭皮だって同じことだよ。睡眠不足が続くと脳細胞の疲れも回復できない。つまり、内臓に障害が出たり、血液の状態が悪くなってしまうことがあるんだ」
たしかに最近は朝食も進まず、簡単に済ませてしまうことが多い。しかも寝不足のせいで毎朝寝坊。ギリギリに出勤して、その分残業している。帰宅時間が遅くなり、運動やマッサージを終える頃には日をまたいでいることも少なくなかった。どうにも悪循環である。
「あともうひとつ加えると、休日の寝だめはよくない」
これにもドキっとした。ボクは平日の睡眠不足を補うため、休日は昼頃まで寝ている。
「寝だめをすると、生活リズムが崩れてしまうんだ。ゆっくり寝るのは土曜日にして、日曜日は早起きをする。そうすれば、月曜日もすんなり起きられるぞ」
翌日はさっそく6時に起きて、就業1時間前に会社に到着した。眠気はとれないが、人気の少ないオフィスは、清々しい空気に包まれている。単純だが、自分もデキる男になったような気分だった。
総務部の前を通ったとき、なんとエビ子ちゃんが出社しているではないか!
「エビ子ちゃん、早いね!」
ボクは驚いて声をかけた。
「イ毛メンさんこそ、早いじゃないですか」
彼女は笑いながら席を立ち、書類を抱えながらボクのほうへとやってきた。
「私、あまり残業をしたくないから、朝早めに出社して雑務を済ませているんですよ。ちょうどよかった! これイ毛メンさんに渡そうと思っていた残業手当の申請用紙と、ヘルシーレシピです。料理の腕が上がったみたいなので、メニューもちょっと凝ったものにしています」
眠い頭がすっかりと冴えた。レシピは「ナスの味噌餅焼き」 と 「キノコのスパゲッティサラダ」 とあるが、どちらもうまいに違いない。
「今、うちにナスがあるんだ。今晩、さっそく作ってみるよ」
「感想を聞かせてくださいね」
「もちろん!」
明日もエビ子ちゃんと話ができるのなら、是が非でも作らなければと熱くなった。
ところでエビ子ちゃんは、何時くらいに出勤しているのだろう? うまく時間が合えば、駅から会社まで一緒に歩くことができるかもしれない。さすがに本人に聞くほどずうずうしくはないが、どうしても知りたい。ボクは翌朝からも早朝出勤を続け、エビ子ちゃんを探しながら会社までの道のりを歩いた。そのおかげで
「早朝出勤が板についてきたな」
と、上司に褒められることもあった。早起きの動機は不純だが、社内での評価が高まったのはうれしいことだ。
その後も電車の時刻を微妙にずらしながら、エビ子ちゃんを探すことを続けていると、1週間目にしてやっと彼女らしき後姿を見つけた。顔を確認しようと早足になりかけたとき、ギクリとボクの足が止まった。なんと彼女の隣には私服姿の男性がいるではないか。
「もしや、朝帰り!?」
二人の手はつながれていなかったが、ここがオフィス街だから警戒しているのかもしれない。彼女がエビ子ちゃんではないことを強く祈りつつ、探偵のように尾行を続ける。
男は駅前のコンビニで彼女と別れた。さり気なく姿を確認すると、整った顔立ちで着ている物もセンスがいい。まるでファッション雑誌から飛び出してきたような男性。彼がライバルだとしたら、ボクはからきしダメだ。
そして、1人になった女性の横顔がちらりと見えた。愕然。やはりエビ子ちゃんだった。
ショックのあまり、彼女に声をかける勇気が出せなくなったボクは、エビ子ちゃんとは違うルートを選び、猛ダッシュで会社に向かった。あれほど待ち焦がれていた朝だったのにと思うと、無性に悲しくなった。
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イ毛メンくん 33歳
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バリモテ先輩 35歳
35歳 独身、女性社員の憧れの的でイ毛メンくんの上司。仕事ができると社内外で評判。髪の毛はフサフサで、引き締まった体をしている。毎晩いろいろな女性とデートをしているせいか残業は一切しない。大阪府出身。
エビ子 25歳
総務部 入社3年目。明るい笑顔がカワイイと社内の人気者。趣味は料理で料理教室に通っている。東京都出身。
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