今週のお役立ち情報
【イ毛メン通信】さわやか王子を目指せ!(第5話)
2007年10月15日10時30分 / 提供:イ毛メン通信
無理なジョギングで筋肉痛。あげくに階段ですっ転び、心配して声をかけてくれたエビ子ちゃんを無視してしまうなんて。トホホとため息をつくボクに「久しぶり!」と声がかかった。顔をあげると、そこにいたのは同期の男性社員。彼は他支店に勤務しているが、今日は打ち合わせでボクのいる支社に訪れているのだという。たしか新婚1年目のはずだが、ずいぶんと痩せたなあ。そんなボクの心を見透かすように、
「じつはダイエットして10kg痩せたんだよ」と教えてくれた。
「ダイエット!? オレはてっきり結婚生活がうまくいっていないのかと…」
「ばっちりだよ。見て、これ」
彼がカバンの中からこっそり出したのは、愛妻弁当。夜は残業や飲み会で外食が多いからと、奥さんは必ず手作りの弁当を持たせてくれるという。
「ずっと肥満気味だったオレをカミさんが心配してくれて、二人でジムにも通い出したんだ。運動のおかげもあって、ここ1年でずいぶんスリムになったよ」
「う、うらやまし〜」
つい本音が出るボク。彼も「いろいろな生き方があると思うけど、結婚はいいぞ」と言う。そりゃできることならボクだって結婚したいさ(エビ子ちゃんと)。
過ぎたことをウジウジと悩んでいても始まらない。同期のノロケ話に触発されたボクは、再び「イ毛メンプロジェクト」を実行する決意を固めた。マラソンには懲りたので、続けられそうなウォーキングを朝晩1時間ずつと自宅でできる筋トレ。それから自炊だ。料理が得意ではないので、実家の母に「自炊を本格的にやりたいから、うちの畑の野菜を送ってくれるかな……」と頼むと、すぐに野菜を山ほど送ってくれた。段ボール箱の奥には、こちらでも売っているインスタント味噌汁も入っていて、「味噌汁は体にいいですよ」という手書きのメモまでついている。
「子供じゃないんだから」と苦笑しながらも、母の愛情に胸がいっぱいになった。
そして、「イ毛メンプロジェクト」開始から2カ月を過ぎた頃、バリモテ先輩が社内報を持って、ボクの元にやってきた。
「大変なことになったぞ!」
彼が見せてくれたのは、社内で行われている「好きな男アンケート」の特集ページ。うちの社は比較的若い社員が多く、社風も自由。「マーケティングの一環」と称して、社内報でこんな女性雑誌のような企画をたびたび行っているのだ。ランキングでは「好きな男」「恋人にしたい男」「抱かれたい男」で、例のごとくバリモテ先輩がダントツ1位。
「バリモテ先輩、12年連続1位じゃないですか。殿堂入りですよね」
と感心して眺めていると
「それよりも、ココを見てみろよ!」
と、「結婚したい男」のランキングを指差した。なんとそこにあるのは・・
「ボクが4位!?」
驚いて椅子から転げ落ちそうになった。
「圏外からの大躍進じゃないか。最近、お前は明るくなったし仕事も真面目だったからなぁ。女の子たちも評価してくれたんだよ」
ボク自身、それほど中身が変わったようには思わない。だけど、エビ子ちゃんのために努力していることが、周囲に好印象を与えたのだろうか。信じられないとページを凝視していると
「おい、エビ子ちゃんが来ているぞ」とバリモテ先輩が教えてくれた。その声に振り向いた彼女がこちらにやってくる。じつは階段で転んで以来、エビ子ちゃんとは上手く話せずにいた。まさかこんな形で、彼女と会話をする日がやってくるとは……。ボクが緊張しているのはつゆ知らず、先輩はエビ子ちゃんに社内報を見せた。
「よかったですね、イ毛メンさん」
ボクが無視をしてしまったことなどなかったかのように、愛らしい笑顔を見せてくれる。そう、ボクだって彼女と以前のように楽しく話をしたいんだ。緊張を悟られないように、固い笑みを浮かべながら
「ありがとう」と返事する。たったこれだけだが、マイナス地点からようやくスタート地点に戻れたような気がした。一部始終を見ていたバリモテ先輩は、ポンとボクの肩を叩きその場から離れる。気を利かせてふたりだけにしてくれたみたいだ。
「私も、イ毛メンさんの名前を書いたんですよ」
意外なエビ子ちゃんの言葉に驚いた。彼女はボクが嫌いではなかったんだ! うれしくて照れくさくて、何と言っていいのかわからない。「あはははは」と笑いながら猛烈な勢いで頭をかくと、ハラハラハラと雪のようにフケが舞い降りてきた。なんてこと!
一瞬の沈黙のあと、意を決したようにエビ子ちゃんが口火を切った。
「恥ずかしいけれど、私もフケで悩んでいたんです」
あまりにも意外な言葉に驚いた。
「だって、キミの髪の毛はそんなにキレイなのに」
「シャンプーのし方が悪かったみたいです。すすぎ方が不十分だと、頭皮にシャンプーが残ってしまって頭皮のトラブルにもなりかねないそうですよ」
「最近、朝シャンを続けていたんだけど、時間を気にしてちゃんと流していなかったかもしれない」
「あと、汚れはお湯でも結構落ちるみたいです。私もシャンプーをする前に一度髪の毛を流して、手のひらでシャンプーを十分にあわ立ててから洗髪に入ります」
「ボクは爪をたてて、頭皮をかくように洗うけど……」
「それだと刺激が強くて頭皮を痛めてしまうかもしれませんね。指の腹で、地肌をマッサージするみたいに洗うといいですよ」
エビ子ちゃんは、自分がフケで悩んでいたときにシャンプーを変えたことも話してくれた。
「そのシャンプー、教えてくれる?」
フケがきっかけというのはあまり格好良くないが、エビ子ちゃんとの距離が縮まったのは事実である。ボクはうれしくて、また頭をガシガシとかいてしまった。
■関連リンク
髪にやさしいコラム「シャンプーの事、よく知ってる?」
「『仕事ができる男』それがモテる条件!? 」 - オリコンランキング
イ毛メン通信記事一覧
<登場人物>
イ毛メンくん 33歳
海川商事のSE 趣味はお酒を飲むこと。彼女いない歴5年。最近お腹も出てきて、脱毛がひどくなってきたことが悩み。3ヶ月くらい前から総務のエビ子のことが気になっているが、自信がなくて声がかけられない。山梨県出身。
バリモテ先輩 35歳
35歳 独身、女性社員の憧れの的でイ毛メンくんの上司。仕事ができると社内外で評判。髪の毛はフサフサで、引き締まった体をしている。毎晩いろいろな女性とデートをしているせいか残業は一切しない。大阪府出身。
エビ子 25歳
総務部 入社3年目。明るい笑顔がカワイイと社内の人気者。趣味は料理で料理教室に通っている。東京都出身。
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「じつはダイエットして10kg痩せたんだよ」と教えてくれた。
「ダイエット!? オレはてっきり結婚生活がうまくいっていないのかと…」
「ばっちりだよ。見て、これ」
彼がカバンの中からこっそり出したのは、愛妻弁当。夜は残業や飲み会で外食が多いからと、奥さんは必ず手作りの弁当を持たせてくれるという。
「ずっと肥満気味だったオレをカミさんが心配してくれて、二人でジムにも通い出したんだ。運動のおかげもあって、ここ1年でずいぶんスリムになったよ」
「う、うらやまし〜」
つい本音が出るボク。彼も「いろいろな生き方があると思うけど、結婚はいいぞ」と言う。そりゃできることならボクだって結婚したいさ(エビ子ちゃんと)。
過ぎたことをウジウジと悩んでいても始まらない。同期のノロケ話に触発されたボクは、再び「イ毛メンプロジェクト」を実行する決意を固めた。マラソンには懲りたので、続けられそうなウォーキングを朝晩1時間ずつと自宅でできる筋トレ。それから自炊だ。料理が得意ではないので、実家の母に「自炊を本格的にやりたいから、うちの畑の野菜を送ってくれるかな……」と頼むと、すぐに野菜を山ほど送ってくれた。段ボール箱の奥には、こちらでも売っているインスタント味噌汁も入っていて、「味噌汁は体にいいですよ」という手書きのメモまでついている。
「子供じゃないんだから」と苦笑しながらも、母の愛情に胸がいっぱいになった。
そして、「イ毛メンプロジェクト」開始から2カ月を過ぎた頃、バリモテ先輩が社内報を持って、ボクの元にやってきた。
「大変なことになったぞ!」
彼が見せてくれたのは、社内で行われている「好きな男アンケート」の特集ページ。うちの社は比較的若い社員が多く、社風も自由。「マーケティングの一環」と称して、社内報でこんな女性雑誌のような企画をたびたび行っているのだ。ランキングでは「好きな男」「恋人にしたい男」「抱かれたい男」で、例のごとくバリモテ先輩がダントツ1位。
「バリモテ先輩、12年連続1位じゃないですか。殿堂入りですよね」
と感心して眺めていると
「それよりも、ココを見てみろよ!」
と、「結婚したい男」のランキングを指差した。なんとそこにあるのは・・
「ボクが4位!?」
驚いて椅子から転げ落ちそうになった。
「圏外からの大躍進じゃないか。最近、お前は明るくなったし仕事も真面目だったからなぁ。女の子たちも評価してくれたんだよ」
ボク自身、それほど中身が変わったようには思わない。だけど、エビ子ちゃんのために努力していることが、周囲に好印象を与えたのだろうか。信じられないとページを凝視していると
「おい、エビ子ちゃんが来ているぞ」とバリモテ先輩が教えてくれた。その声に振り向いた彼女がこちらにやってくる。じつは階段で転んで以来、エビ子ちゃんとは上手く話せずにいた。まさかこんな形で、彼女と会話をする日がやってくるとは……。ボクが緊張しているのはつゆ知らず、先輩はエビ子ちゃんに社内報を見せた。
「よかったですね、イ毛メンさん」
ボクが無視をしてしまったことなどなかったかのように、愛らしい笑顔を見せてくれる。そう、ボクだって彼女と以前のように楽しく話をしたいんだ。緊張を悟られないように、固い笑みを浮かべながら
「ありがとう」と返事する。たったこれだけだが、マイナス地点からようやくスタート地点に戻れたような気がした。一部始終を見ていたバリモテ先輩は、ポンとボクの肩を叩きその場から離れる。気を利かせてふたりだけにしてくれたみたいだ。
「私も、イ毛メンさんの名前を書いたんですよ」
意外なエビ子ちゃんの言葉に驚いた。彼女はボクが嫌いではなかったんだ! うれしくて照れくさくて、何と言っていいのかわからない。「あはははは」と笑いながら猛烈な勢いで頭をかくと、ハラハラハラと雪のようにフケが舞い降りてきた。なんてこと!
一瞬の沈黙のあと、意を決したようにエビ子ちゃんが口火を切った。
「恥ずかしいけれど、私もフケで悩んでいたんです」
あまりにも意外な言葉に驚いた。
「だって、キミの髪の毛はそんなにキレイなのに」
「シャンプーのし方が悪かったみたいです。すすぎ方が不十分だと、頭皮にシャンプーが残ってしまって頭皮のトラブルにもなりかねないそうですよ」
「最近、朝シャンを続けていたんだけど、時間を気にしてちゃんと流していなかったかもしれない」
「あと、汚れはお湯でも結構落ちるみたいです。私もシャンプーをする前に一度髪の毛を流して、手のひらでシャンプーを十分にあわ立ててから洗髪に入ります」
「ボクは爪をたてて、頭皮をかくように洗うけど……」
「それだと刺激が強くて頭皮を痛めてしまうかもしれませんね。指の腹で、地肌をマッサージするみたいに洗うといいですよ」
エビ子ちゃんは、自分がフケで悩んでいたときにシャンプーを変えたことも話してくれた。
「そのシャンプー、教えてくれる?」
フケがきっかけというのはあまり格好良くないが、エビ子ちゃんとの距離が縮まったのは事実である。ボクはうれしくて、また頭をガシガシとかいてしまった。
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イ毛メンくん 33歳
海川商事のSE 趣味はお酒を飲むこと。彼女いない歴5年。最近お腹も出てきて、脱毛がひどくなってきたことが悩み。3ヶ月くらい前から総務のエビ子のことが気になっているが、自信がなくて声がかけられない。山梨県出身。
バリモテ先輩 35歳
35歳 独身、女性社員の憧れの的でイ毛メンくんの上司。仕事ができると社内外で評判。髪の毛はフサフサで、引き締まった体をしている。毎晩いろいろな女性とデートをしているせいか残業は一切しない。大阪府出身。
エビ子 25歳
総務部 入社3年目。明るい笑顔がカワイイと社内の人気者。趣味は料理で料理教室に通っている。東京都出身。
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