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「女流文学者会」が70年の幕を閉じる。女性作家の台頭が起因か?

2007年10月08日08時08分 / 提供:PJ

pj
「女流文学者会」が70年の幕を閉じる。女性作家の台頭が起因か?
70年余り続いた女流文学者会は、10月6日のシンポジュームの開催をもって幕引きとなった。東京ウィメンズプラザ(渋谷区)で。(撮影:穂高健一) 写真一覧(5件)
シンポジウム『女流文学者会の記録』−女性作家のこれまで、これから−(日本ペンクラブ、女流文学者会の共催)が6日、東京ウィメンズプラザ(渋谷区)で、開催された。70年前に吉屋信子、宇野千代、林芙美子らによって、親睦(しんぼく)会として「日本女流文学者会」が生まれた。

 戦前、戦後を通して、文壇は常に男が中心だった。差別されていた女流作家が集まり、親睦を兼ねながらも、切磋琢磨する会として存続してきた。歴代会長として平林たい子、円地文子、芝木好子、河野多恵子、大庭みな子らが名を連ねてきた。

 時代の流れで、女性の社会的地位が高まり、最近は性別差別もなくなってきた。ジャーナリズムは、若い女性作家の出現を持てはやす傾向にある。芥川賞など文学賞となると、女性の受賞者のほうが高い現象が起きている。女性作家の台頭と同時に、女流作家への冷遇がなくなってきたのだ。

 日本女流文学者会はこのままずるずる続けていても無理があると判断し、06年4月に休会とした。ただ消えるだけではもったいない(津村佑子さん)。同会が歩んできた道を本で記録を残そうと、07年9月に『女流文学者会・記録』(中央公論社)を刊行した。これを機にして、女性作家の過去、現在、未来を話し合う場としてシンポジウムが開催されたのだ(下重暁子さん)。

 司会・進行は川村湊さん(文芸評論家)、総合司会とまとめは与那覇恵子さん(日本ペンクラブ・女性作家委員会の委員長)である。

 スピーカーの岩橋邦枝さんは、「56(昭和31)年に学生作家としてデビューしました。石原慎太郎さんたちと20代作家が集まりを持った。当時、女性は3人しかいなかったのです」。文芸誌のページは少なく、女流作家の発表の場が少なかった、と当時の文壇を語る。

 津村節子さんは、「玩具」で芥川賞を受賞した。その後は長く主婦作家といわれてきた。それだけ女性の作家はまだ特別な人だとみなされていたのだ。

 中沢けいさんは、同会に入会するエピソードを披露した。「私が臨月のとき、河野多恵子さんから電話があり、女流文学者会に入らない? ご出産はいつ? と聞かれました。承諾しましたが、翌朝に息子を産みました」と話す。さらには、「年子だったし、母親が寝たきりで、会の活動はその先です」という。

 加藤幸子さんは農学部出身だ。作家と生物にかかわる。「男が考える女、女が感じている女とはちがう。男作家が書いた女は不自然で、こんな女はありえないと考えてしまう」と話す。女性作家の必然性を強調した。

 川村湊さんは、「ここで女流文学者会を止めるわけですから、これから過去70年余りの歴史を検証し、将来を見つめるが必要です」と話す。

 総合のまとめとして、与那覇恵子さんは、「女流文学者会が日本文学に広がりを与えたことは確かです。かつては『男の見方』でしか文学が評価されていなかった。(シンポジウムのテーマ)これからは、女性の視点、あるいは両方を含めた視点から文学を評価していく。そんな価値基準を求めたいです」と述べた。【了】

■関連項目
記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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