MIDIの魅力
ゲーム音楽やアニメの主題歌、あるいはオリジナルの曲などをパソコンで作り、聞いて楽しんだり、友達とデータを交換したりしたエンジニアも多いはずだ。今回はMIDIとエンジニアのかかわりを追ってみたい。

今回の座談会では、古くからパソコンでの音楽製作を楽しんでいたエンジニアのお2人に来ていただき、その制作の日々とこだわりを語っていただいた。

[MIDIとは]-----------------------------------------
日本の社団法人音楽電子事業協会とアメリカのMMA (MIDI Manufacturers Association) が制定した、シンセサイザー・コンピュータ・シーケンサーなど電子楽器の演奏データを機器間で相互にデジタル転送するための規格。一般的には「MIDI」あるいは「MIDI機器」という場合、MIDIを搭載した楽器や音源、DTM(デスクトップミュージック)などの関連機材のことを指すことが多い。
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■Q:まずはMIDIとの出会いについて教えてください。
佐田: 大学のころ、MIDIって言葉自体があったかどうか定かでない時代に登場したパソコンに飛びつきました。当時はまだブザーのようなものだったのですが、PCから音楽が鳴らせるのに興味をもって、NECのPC-6001(※1)の前のものから始めて、PC-6001で本格的に始めて、PC-8001(※2)と続きました。YMO(※3)が来て爆発した感じですね。これだなと思いました。
小1のときにオルガン教室に通っている間にエレクトーンを弾いてこれは違うって印象が残っていたんです。その後、高学年になってブラスバンドに所属して、キーボードを担当して、指揮者になって、そういった流れの中にパソコンが登場してきたんですね。

黒川: 最初はPC-6001でプログラムを組んで演奏させていました。『マイコンBASICマガジン』(※4)に音楽プログラムのページがあって、それを打ち込んで鳴らして遊んでいましたね。中学になってからはMSX(※5)を使うようになりました。ゲーム音楽を鳴らして、同じ趣味の友達とデータを交換していました。
中2、3のころはFM音源のFM77AV(※6)が学校にあって、PSGより音がいいFM音源を使えるようになりました。高1のころにMSX2+(※7)が出てからはそちらに移行しましたね。さらに91年くらいになって、ゲーム好きな人はみんな知っているX-68000(※8)が出てからは、それを使い始めました。MIDIの機器をつなげてゲームをすると普通よりいい音が出ると知って、やりたくなったんです。自分の家になかったので、友達の家で聞きました。それからCM-300(※9)を友達に3万円くらいで譲ってもらって、MIDI環境ができましたね。
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PC-6001(※1)
1981年にNECが発売したPC-6000シリーズのひとつ。本体・キーボードが一体となったデザインで、パピコンの愛称で親しまれた。8色カラー表示、三重和音が可能なPSG音源、ボイスシンセサイザーなどの接続が可能など画期的なホビーパソコンだった。MSXに強い影響を与えたといわれている。

PC-8001(※2)
1979年にNECが発売したPC-8000シリーズのひとつ。本格的な完成品としての国産パソコンの代表的な機種で、NEC初の完成品型であり、NECを代表するシリーズで、PC-8000シリーズ関連のソフトウェアや周辺機器が数多く販売された。国内で「パーソナルコンピュータ」という言葉が使われたのは本機が最初である。

YMO(※3)
イエロー・マジック・オーケストラ。1978年結成。キーボードの坂本龍一、ベースの細野晴臣、ドラム・ボーカルの高橋幸宏で1983年に散開した。一般的に「テクノ」のジャンルに分類されるが、シンセサイザーを使い、自動演奏を使うという彼らの新しい音楽はDTMをする人たちに大きな影響を与えた。