レトロなかたちが美しい「鉱石ラジオ」

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ラジオは、テレビやインターネットが活躍する今日でも、欠かすことができない存在だ。災害時には被災者にとって貴重な情報源となる。そんなラジオの仕組みを理解できて、部屋のインテリアにもなるのが「鉱石ラジオ」だ。


■「鉱石ラジオ」とラジオ放送

「鉱石ラジオ」は、黄鉄鉱や磁鉄鉱などの鉱石で検波するラジオ。鉱石に金属針で触れると、電波を人間が聞き取れる低周波に変換できる。音を聞くにはイヤホンを必要とするが、回路が単純で組み立てやすく、電源なしでラジオ放送を聞くことができる。

ラジオをはじめて作った人は、カナダ人のレジナルド・オーブリー・フェッセンデン氏だ。少年時代にアレクサンダー・グラハム・ベル氏による電話の実証実験を見て感動した彼は、独学で電話の構造を学び、いつしか人の声を電話線なしで伝える方法を夢見るようになった。エジソンの研究所に就職するものの、財政難から研究所の閉鎖となるが、1990年米国気象庁と無線通信の実証実験の契約を結び、数々の通信事件を行った。その後、会社をおこしたフェッセンデン氏は、1906年12月24日モールス信号の発信音に自分の声をのせることに成功。これが一般向けのラジオ放送のはじめてといわれている。

■「鉱石ラジオ」の製作

今回は、学研が出版する大人の科学「ラジオキット」の付録を製作した。組み立ては、電波を受信するフレーム作りから始める。部品を4つ繋げてフレームを組み立てたら、フレームの穴にウレタン線を通して2次コイル、1次コイルの順番にコイルをフレームに巻き付ける。1次コイルと2次コイルの巻き始めと巻き終わりの計4箇所を、銅の地色が出てくるまでライターの火であぶったら、紙やすりで綺麗に磨こう。
1次コイルと2次コイルを巻いたフレームコイルの巻き始めと巻き終わりの銅線を磨く
1次コイルと2次コイルを巻いたフレームコイルの巻き始めと巻き終わりの銅線を磨く

コイルにスタンドを取り付けたら、バリコンの組み立てに入る。とくに難しい作業はないが、1次コイルの線をバリコンのプレート端子に接続する際、線と端子ができるだけ触れるようにしないと、接触不良となるので注意しよう。次に本体を組み立てる。イヤホンと増幅回路を組み込むだけなので、組み立てに戸惑うことはないだろう。
バリコンを組み立てる本体の配線をする
バリコンを組み立てる本体の配線をする

ピックアップの組み立てでは、ピックアップ金具の向きに注意しよう。ピックアップを本体にはめこんで、アンテナコイルを取り付ける。最後にエンブレムシールを貼れば、「鉱石ラジオ」の完成だ。
ピックアップを組み立てる完成した「鉱石ラジオ」
ピックアップを組み立てる完成した「鉱石ラジオ」

■「鉱石ラジオ」でラジオ放送を聞く

早速、ラジオ放送を聞いてみよう。鉱石で聞く前に、ダイオードでラジオ放送を受信してみる。ゲルマニウムダイオードの導線の両端を1cmにカットして、ダイオードユニットに入れる。回路切り替えスイッチを左の接点に接続してから、本体のカップにダイオードユニットをセットして針を置こう。イヤホンを耳に入れたらダイヤルをまわし、放送をさがす。放送が聞こえたら、コイルアンテナの向きを変えて、よりよく聞こえる向きにする。そのまま位置を動かさずにダイオードを鉱石に変えて、ラジオ放送が聞こえるかを試してみよう。鉱石の代わりに10円玉でもラジオが聞ける。
ダイオードユニット鉱石を使ってみる
ダイオードユニット鉱石を使ってみる

ダイオードでラジオを聞く際、アルミホイルで固定すると、検波がしやすくなる。鉱石で検波がうまくできない場合には、本体に付属の増幅回路で受信した状態にしてからスイッチを切ってみよう。低い周波数のラジオ放送が入らない場合には、バリコンのプレートが浮いている可能性がある。裏側のねじを締め直してみるとよいだろう。

「鉱石ラジオ」は、その単純な構造から子供向けの教材として使われるが、見ための面白さから「鉱石ラジオ」を愛好する大人も多い。リビングや自室に飾るインテリアとしても魅力的なラジオだ。

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